キリスト教社会では、結婚は死が二人を分かつまでの契約ではあるのだが、ある一定の層以上ではそれ以上のいろんな約束事の上で結婚は成立していたようである。
それ故に男性は初婚年齢が高く、結婚できない男性も多いようである。猶子でないとまともな財産ももらえず、猶子であっても、親が亡くなるあるいは隠居でもしない
...続きを読む限りは財産の処分権がない。女性も同様で親兄弟がそれなりの財産を持たせないと結婚できない。修道院というのは結婚できない子弟の受け皿でもあったようだ。
結婚には財産の移動が伴い、それとともに姻族としての繋がりが広がっていくのは日本でも同じだが、それを利用して家の勢力を拡大していった一族のはなしもでてくる。領地を増やすのに、武力のほかに、法廷闘争も必要であったようである。
かなり長い期間の話を編年体風に、更にヨーロッパに限るとはいえ、広範囲のエリアをカバーしてるので、少々テーマが絞れないところはあるが、日本のカルチャーとの違いが面白く感じるものである。