前田育男のレビュー一覧
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フォード体制から日本人生え抜きのチーフデザインオフィサーになった前田育男が、マツダのデザインをCIとして再生し、再構築していく物語。「大切なものは自分の中にある」。魂動デザインを作り出すために、マツダの歴史をひもとき、アイデンティティーから説き起こすことによって、持続的にマツダデザインを確固たるものにすることに成功した。市場調査をやめ、作り手起点のメッセージを伝えることで、差異化を図ろうとした賭けは幸いにして成功した。部下からボトムアップでデザインを考えさせていくなど、チームの成功を第一としているが、サラブレッド臭が垣間見えるのは彼のキャラクターなのか。
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マツダ車。
10数年前、ビアンテという車を見たとき、なんてダサい車だろう、誰がこんなものにOK出したんだ、と思った記憶がある。
最近のマツダ車、どれを見てもカッコいい。
ディーラーもさっぱりしていい。
ユーノスロードスターに乗ってたころ、マツダのディーラーに行ってその芋臭さに驚いたことがあるが、確かに変わった。
全てが。
一車種だけが、優れているなら、それはまぁたまにはあることだろうけど、全てを洗練させ、それを継続することは、まぐれではできないことではないか、と思い、マツダの変化の背景を知りたいと思うようになった。そしてこの本に出会った。
書かれていることに、特別なことはなにもなかった。 -
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複数ある自社のサービスのUIやUXをどう統合的にして行くか、あるいはUIやUXをどう競争優位性にしていくか、誰にそれを任せるかということを悩んでいた時に会社の人が「これを読むことをお勧めします」と言って渡してくれた本。上記のような課題についても参考になったが、何よりも現在のマツダのデザインがどのような経緯と着想によって作られていくかを理解していく中で、街ゆくマツダのCX-8とかDEMIOとかがカッコよく見えてくるようになっちゃうんだから、あら不思議、という内容だった。デザインはブランドを表し、ブランドは「語る」ことによって価値を増すことがよく理解できた。
元々の課題について最も参考になったの -
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ネタバレ「魂動 KODO」2009年
カタチと言葉でイメージを共有する。
生命感を表現する。
「靭 SHINARI」2010年
野生のチーターから立体のフォルムに落とし込む。
ブランドは作品から作る
デザイン決定権、さらにブランドを
マーケティングから、ものづくりの側に移管
プロトタイプ市場調査を中止、ビジョンモデルの調査へ
アテンザのやり直し=SHINARI化
Aピラーを100ミリ後退させた。
同じFORDグループのVolvo
ヘリテージからブランドを確立しつつある。
共創
感動で人を動かす。
成功体験の継続。
アンベール体験。
技能評価「匠モデラー」 -
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ネタバレ本書にはマツダの"魂動"デザインがどのようにして誕生したのか、その経緯や葛藤について記述されている。特に強く印象に残っているのは2箇所。
「私に言わせれば、大事なものは常に外ではなく自分たちの中にある。(p.53)」、「他人の言っていることを受け入れられなくなってしまった瞬間からもう自分しか残らないわけで、その人はそこ止まりですよ、だから常に耳は謙虚でいることが大事。(p.227)」
マツダのデザイン、アイデンティティ、ブランドを追求していく過程において、大切であったのは他社や顧客を向いた外部的な思考ではなく、自分たちの歴史を振り返るというシンプルな内向きの思考であった -
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デザインのお勉強。
つまりブランドには、一定の「様式(スタイル)」というものが不可欠なのである。様式はどんな細かなものにでも適用される。キーフォント、キーカラー、キービジュアル、広告の打ち出し方、ネーミングのセンス、車であれば販売店の建築様式、店のインテリア、販売員の制服、話し方、営業方法……どれも適当に決められてはいけない。すべては「会社のブランド・アイデンティティがこうだから、こうなのだ」という必然性の下に設定されなければならない。
新設されたブランドスタイル統括部は、そういったブランド様式にまつわるトーン&マナーをルール化していく部署である。これまで、広告部、宣伝営業部、販売店な