尼丁千津子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
第1部から4部までのAI研究の歴史と技術の基礎的な説明については初めてAIを学ぶ人にはやや分かりづらいように感じた。
AI技術の基礎を網羅的に学びたいのであれば、G検定の公式テキストなどの方が理解しやすいと思われる。(探索と推論、エキスパートシステム、深層学習、CNN、RNN、LSTM、等々の本書で紹介されたトピックがもっとわかりやすく解説されている。)
また、原著の発刊が2019年であるためTransformerの説明やChatGPT等への言及がないことも2025年現在では物足りなさを感じる。
一方で、第5部「意味の壁」は大変興味深かった。原題の"A Guide for Thinking Humans"と銘打っているだけあり、単なるAIの技術的側面だけでなく人間の思考、心、知性、創造性とは何なのかという観点でも掘り下げられている。 -
Posted by ブクログ
世界で最も数多くのCEOと接しているであろうマッキンゼーによる「エクセレンスCEO」分析に関する著述。公正かつ厳密な基準に基づいて200名の「ベストCEO」を選定しヒアリングを行い、ベストなCEOに必要となる要件を炙り出そうという意欲的な試みだ。肝心の内容といえば項目列挙的かつ帰納の粗さも気になる。冒頭にあるエピソード「CEOにとって3つの大切なこと」より、ある程度絞られたものが提示されると思ったら6区分×4項目=24個の要件となっている。その詳細もベストCEOのスーパーマンエピソードに近い。また体系化や図表化もなく読みにくさを感じる。本分析を持ってCEO基準としてマッキンゼーはコンサルに有用となろうが読者にとってはやや辛い。500ページ弱の大書でテーマも面白いので次回のCEOエクセレンスグループの著書に期待したい。
※エクセレンスCEO:「方向を定める」「組織を融合させる」「リーダーを動かす」「取締役会を取り入れる」「ステークホルダーと連携する」「自身のパフォーマンスを最大化する」->項目としてはCEOのメンタリティを示す「自身のパフォーマンスを最大化する」が最も参考になった。CEOも一人の人間であり精神力は自律と鍛錬によってもたらされることがよくわかる。 -
Posted by ブクログ
近年、長足の進歩を遂げ、活用が進む人工知能(AI)。そのスタートから、現在の能力、倫理的・道徳的な問題まで、ビジネスパーソンが知っておきたい基礎知識を解説した書籍。
「人工知能」という用語の名づけ親は、数学者ジョン・マッカーシーである。
この分野の可能性を楽観視した彼は、1956年に「人工知能の研究会」を催し、1960年代初め、「10年以内に完ぺきな知能を持つ機械を実現する」という目標を掲げた。
AI分野では、「バブルと崩壊」のサイクルが繰り返されてきた。
新しい発想があると研究者は楽観的になり、画期的な成果が期待できると主張し、助成金を申請する。だが、成果は出ず、助成金は削減。こうした現象が5~10年の周期で起きている。
AI開発では、「自然言語で会話する」「目(カメラ)で見たことを説明する」といった行動を目指した。だが意外にも、AIがこうした「簡単なこと」を習得するのは、「病気の診断」等をするよりも難しいことが明らかになった。
人間と同等以上に何でもこなせる「汎用型AI」は、AI開発の当初の目標だった。
だが、その実現は予想以上に困難で、「汎用型AI」と呼べるものはまだ1つもつくられていない。
AI技術は、危険性も抱えている。
例えば、「自動顔認識」の技術は、逃亡中の犯人の発見などに役立つ一方、関係のない人を犯罪者と間違えて認識する恐れがある。
AI技術の危険性の観点から、専門家の多くは規制に賛成している。規制づくりの際、重要なのは、多様な人々が関わることだ。AIの問題は、技術的なものであると同時に社会的、政治的なものでもあるからだ。だが、規制については、AIシステムを開発する大学や企業の裁量に委ねられているのが現状だ。