太田博樹のレビュー一覧

  • ゲノムでたどる 古代の日本列島

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    ニュースでは、日本の科学技術の衰退が取り沙汰されているが、このように素晴らしく、面白い研究者の方々がいらっしゃるんだ、と感動すらしてしまった。中高生にもわかりやすい、多分習ってる範囲の知識で理解できるように書かれているのでぜひ読んでもらいたいなと思った。

    この本は、文部科学省の資金で5年間行われた新学術領域研究「ヤポネシアゲノム」をまとめたものである。こんな研究がされていたのを私は知らなかった!ニュースとかでやっていたのかな?もっと世に知られてもいいのでは?(単に私の知らないだけ?)

    研究は淡々と地道に努力を積み重ねるイメージがあったが、他の分野の人との関わりやつながりも大事なんだと思った

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    2024年05月16日
  • ゲノムでたどる 古代の日本列島

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    ネタバレ

    第3章「アズキはどこで生まれたのか」だけ読んだ。日経サイエンス2024/2「アズキ 日本から大陸に渡った作物」記事での物足りなさからこちらの記事へ移動した。
    栽培種アズキと野生種ヤブツルアズキ(アズキと比べて黒くて小さい)との遺伝子配列、特に実が赤色になる遺伝子を特定して比較し、栽培種アズキと類似の遺伝子配列を持つ野生種を見つけたと。それが長崎県の野生種。とはいえ鳥が運んでしまうこともあるので、西日本のどこかでこの野生種の先祖が居て、それが栽培種アズキへと分岐したと考えられる。つまり栽培種アズキは日本産との結論。なお他にも「栽培種アズキの起源が日本列島である強い証拠」を発見していて、いずれ論文

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    2024年01月29日
  • 遺伝人類学入門 ──チンギス・ハンのDNAは何を語るか

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    本書は『ちくま大学』の社会人向け講座「ヒト遺伝子の謎に迫る - チンギス・ハンの秘密」という講座から再構成して書籍化したものだという。もし、行くことができたのであればぜひ受けてみたかった魅力的な講座である。

    まず最初に、遺伝子・染色体・DNA・ゲノムを区別することはとても重要であるが、多くの場合には混同されて使用されていると指摘する。自分も区別できていなかったので、ここに記しておきたい。
    ・遺伝子: 遺伝情報の「最小単位」。
    ・染色体: DNAがヒストンタンパク質に絡まりつきながら折り畳まれた「構造体」。
    ・DNA: デオキシリボ核酸という遺伝情報を載せた「物質」。
    ・ゲノム: ある生物がそ

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    2020年02月11日
  • ゲノムでたどる 古代の日本列島

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    研究内容やその成果についても非常に興味深かった。それに加えて、個性あふれる研究者の皆様の、研究に至るまでのお話など、面白おかしく語る様に引き込まれた。硬さと柔らかさのバランスが良く、読みやすい。

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    2025年04月13日
  • 遺伝人類学入門 ──チンギス・ハンのDNAは何を語るか

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    ネタバレ

    遺伝人類学の紹介。難解そうな部分もあまり手を抜かずにきちんと書かれている。数式は出てこないが統計の考え方などが分かってないと難しいかも

    ・ミトコンドリアは女系でY染色体は男系で、それぞれ遺伝していく。しかし集団内のミトコンドリアとY染色体を解析してみると、それぞれの遺伝的多様性が全く異なっていることも多い。

    ・遺伝的な距離と地理的な距離との間には線形な関係がある。遠方に住むもの同士ほど遺伝的な変異の違いも大きい。が、ミトコンドリアは地理的な距離が大きくても遺伝的な距離は比較的小さいのに対し、Y染色体は地理的距離が離れるにつれ遺伝的距離が大きくなる。筆者らの研究によると、この原因は婚姻制度に

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    2018年08月26日