ハーラン・コーベンのレビュー一覧

  • THE MATCH

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     『森から来た少年』は、奇想天外なアイディアで生まれた、いかにもコーベンらしい奇作であった。森に棲んでいた非文明的少年ワイルドは、40代にさしかかっている。彼は超奇妙な私立探偵存在として現代文明の中に沸き起こる現代的事件を解決に導いてゆく。解決できていないのが彼の正体。彼はなぜ独り森で育つことになったのかという謎。

     またワイルドとダブル主人公的に活躍するのが、何作ものシリーズや単発作をまたいで登場する女性弁護士ヘスター・クリムスティーンである。そう。このシリーズは続編である本書と併せてワイルドの出生の秘密に迫るのが本書なのである。なので『森の中の少年』を読んだ人はこれを読まなくては完結しな

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    2024年01月06日
  • THE MATCH

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    ネタバレ

    立て続けにハーラン・コーベンの作品を読んでいる。シリーズ前作の森から来た少年がとてもおもしろく、主人公のワイルドがお気に入りだったので、今作も読む前からとても楽しみにしていた。今作では、前作わからなかったワイルドの出生の秘密が、事件と関わりながら明らかになっていく。前作とおなじく、中盤から後半にかけて読む手がとまらない!DNA鑑定サイトやリアリティショー、SNSの誹謗中傷など、昨今の問題や流行りがぎゅつと詰め込まれ、その上、ワイルドの出生やワイルドとレイラの関係も、前作以上に深く掘り下げられる。自分が何者なのか?という問いから逃げることをやめたワイルドが、人と関わること──レイラとの関係──か

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    2023年11月14日
  • ランナウェイ

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    仕事中もこの話の続きが読みたくて読みたくてたまらなかった。はじめの方は通勤電車でちまちま読んでいたものの、後半から終わりにかけてページを捲る手がとまらない。今のご時世を反映するようなジェンダー感がときおりしつこく思えるかもしれないが、自分はそれが気持ちよく読めた。序幕の、サイモンの娘ペイジが薬物に犯される姿はとても苦しく、その苦しさは本編を通してずっと続いた。結末が徐々に明らかになってくると、苦しさの中に切実さのようなものも湧いてきた。どうにかしてサイモンに幸せになって欲しいと願わずにはいられなかった。主人公視点とは別の、アッシュ・ディーディーサイドの幸せも願っていた。今年読んだ中でも最も面白

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    2023年11月07日
  • WIN

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    マイロン・ボライターシリーズの大ファンで、続編が翻訳されなくなって永らく寂しい思いをしていたところ、この本の存在を知りました。ウィン、ハイスペックで冷血で、暴力を愛する男。最高です。歳を重ねてほんの少し丸くなったか。ストーリーも申し分なく面白かったです。

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    2023年09月24日
  • 森から来た少年

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    ネタバレ

    書店でたまたま森の中の少年に目にとまり買った文庫本。ワイルドがとにかく格好良い。ミステリーは展開が読めないことはないが、ハラハラどきどきさせてくれる。事件の傍らで展開される、ヘスターと息子のデイビットのこと、オーレンとの新しい関係のこと、ワイルドと女性関係、ワイルドの出自……常に先が気になりあっという間に読みすめた。結局最後までワイルドの出自はわからなかったのが気になるが、またどこかでワイルドに出会えるのであればぜひ出会いたい!

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    2023年07月13日
  • WIN

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    人生は悪くない ビールも悪くない
    いつも正しく行動する、それでも望み通りになるとは限らない
    人間関係は決してフィフティフィフティにならない、それを受け入れ構わないと思え

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    2023年05月21日
  • WIN

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    ネタバレ

    初のハーラン・コーベン。
    90年代に出版されたマイロン・ボライターシリーズのスピンオフで、ワトソン役のウィンザー・ホーン・ロックウッド3世が主役。
    本シリーズの方は流石に絶版状態で手に入らず。著者のことも寡聞にして今回初めて知りました。

    スピンオフ作品ということで付いていけるか不安だったが、そんな心配は全くなく、冒頭から主役のウィンに惚れ込んでしまう。
    いや、容姿端麗、超がつくほど大金持ち、冷血王子と言われていたほどのクールさ。それでいて狼のような獰猛さも垣間見える。こんなん惚れるやろ。
    作者と訳者の方の力か、ウィンの匂い立つような色気が読んでいても感じられた。

    富裕層用のビルで死体が発見

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    2023年01月13日
  • WIN

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     『カムバック・ヒーロー』を読んで間もなく『WIN』を読む幸せ。もちろん偶然。それも、なぜか神がかり的な偶然! 何と25年の時を経て刊行されたのは、スポーツ・エージェントのマイロン・ボライターを主人公にしたシリーズのスピンオフ作品。マイロン・シリーズに欠かせない相棒のウィンザーホーン・ロックウッド三世にしっかりと齢を重ねさせ現在形の主人公として起用あいなったのである。Wao!!

     ウィンはマイロンのシリーズでも相当魅力的な主人公であるばかりでなく、とても重要でインパクトのある仕事を果たす。知のマイロン。力のウィン。よくある私立探偵ハードボイルド・シリーズのコンビネーションを、そのままなぞった

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    2022年11月26日
  • 偽りの銃弾

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    おもしろかった!
    これは結末を知ってしまったら読む意味なくなっちゃうのであれこれ言えないけれど、なかなかインパクトのあるラフトだった。

    ジュリアロバーツがマヤをやるみたいだけど、アマプラ落ちてきたら絶対見よーっと。

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    2022年08月19日
  • 森から来た少年

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    テンポもいいしキャラクターもいい。
    読後にもやっとした部分が残らない。
    この作者の作品は初めて読んだが、他の作品も読んでみたい。

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    2022年06月26日
  • 森から来た少年

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     前作『ランナウェイ』の主人公サイモン・グリーン、またこちらも前作に登場した女性弁護士ヘスターのTV番組収録シーンが序盤に展開する。ヘクターおばあちゃんは、本作では何と、そのままダブル主人公の一翼を担ってしまう。サイモン・グリーンの事件『ランナウェイ』と、本書は時期的にかぶっているらしい。

     連作ではないのだろうが、ファンサービスか、作者の遊び心なのだろう。ちなみにハーラン・コーベンのノン・シリーズ2001年作品『唇を閉ざせ』では50代のへスターが登場するらしい。へスター・ファンとしては、件の作品は早速取り寄せねばならないだろう。

     前作に続き、本書も全編に渡って作者の遊び心に満ち溢れてい

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    2022年03月12日
  • ランナウェイ

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    サイモンは大学生の長女ペイジの行方を捜していた。娘は恋人に薬漬けにされたあげく、学生寮から姿を消したのだ。ある日刑事から殺人事件の報せを受けたサイモンは、妻イングリッドと共にペイジと男の塒へ踏み込みが…。著者のフェアな目線と巧みな構成に唸り、奴涛の伏線回収に目を瞠る。そして衝撃過ぎる結末。米国屈指のヒットメーカーが放つ、極上のドメスティック・サスペンス!

    圧倒的。今まで読んだコーベンの作品ではベスト。  
    またまた、あの弁護士が登場。

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    2022年03月12日
  • ランナウェイ

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     家族、親子、夫婦、ドラッグ、暴力、ネット、メディア、拡散、殺人、失踪、新興宗教、携帯、遺伝子、etc. etc。現代のミステリーは、犯罪の内容も、手段も、情報も、捜査方法も、過去のそれとは大きく異なってきている。そのことを嫌というほど感じさせる作品。

     ハーラン・コーベンを読むのは実は初めてなのだが、本書を読む限り、本物の香りを芬々とさせる、濃厚なテイストの、誠実で間違いのない作家、と言うに尽きる。

     グリーン家という家族で構成されるユニットを、さらに父、母、兄弟、姉妹、という具合に、それぞれの関係を多角的に描きつつ、あくまでも主人公は長女を探す父サイモン、という設定で貫く。副主人公とも

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    2021年04月30日
  • 偽りの銃弾

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    ネタバレ

    「ステイ・クロース」が面白かったので、ハーラン・コーベンの他の作品も読んでみようと、手に取った作品。

    いやーこれは上手い小説だ。謎また謎の積み重ね(解説の堂場瞬一さんに曰くたまねぎ小説)その重ねようにページを繰る手が止まらない。
    詐欺の手法で、次から次に説得力のあるような根拠のあるような逸話挿話ショートメッセージを怒涛のようにしゃべりたて、返事する間を与えずいつの間にか聞き手の意思を操る手法があると聞いたが、まさにそれ。

    テンポよく次から次へ、不可解な事件や不審な登場人物やあれやこれや出てきて衝かれるように、読み進める。ちょっと余裕が出てきて疑問符が浮かんで、その疑問符を持ち込んだまま、ク

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    2019年01月22日
  • 偽りの銃弾

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    ネタバレ

    前評判も高かったがさすがのハーラン・コーベン。わたし的には今年読んだミステリーの暫定1位。

    アメリカ的な嫌なところも見事に回収。「戦火の勇気」のメグ・ライアンぽい主人公もカッコいい。え、ジュリア・ロバーツで映画化なの?

    解説で堂場瞬一氏が結構な字数を割いてマイロン・ボライターシリーズへの愛着ぶりを書かれていて、ウインザーホーン・ロックウッドⅢ世の大ファンで、最近事あるごとにマイロンシリーズをオススメしている私としては援護射撃を得たような気持ちだ。(堂場氏のファンではないが)

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    2018年07月19日
  • 偽りの銃弾

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    帯に堂場さんが、風呂敷を広げ過ぎだと書いてあった。読んだ今なら理解できる。
    ミステリーは伏線の回収は絶対だと思う。この本は凄い。見事に回収した。
    海外ミステリーなんてここ数年読んでなかったので、読み始めた頃のように人の名前や関係性で苦戦したが
    話の流れ、面白かった。本当にギリギリまで犯人が分からなかった。

    たまには新しい本を読むのも刺激になる。
    訳者の方が知り合いで本を出した記念に購入。

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    2018年07月15日
  • 偽りの銃弾

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    コーベンさんの小説を初めてよみました。もともとこういう構成をされる方なのかわかりませんが、最初のほうは表に出されている情報が足りなくて、「そう思って読む」しかないのですが、前半にでてきた後半の回収がすごいです。
    全部で500ページ超の本ですが、100ページくらいまでは、すこしずつ読んでたのですが、100ページ以降は一気に読みました。
    登場人物の描写というか背景がすこしずつ出てくるので、それが一定のラインまででてきたときに、ドラマを一気に反転させるのがとても面白かったです。

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    2018年07月08日
  • 偽りの銃弾

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     比較的最近コーベン・ファンとなったぼくとしては、まだ数作の読み残し過去作品が残っている状況にやきもき。シリーズ作品が中途で未訳となって以来、すっかりスタイルを変えたシリアス系ミステリの単発作品が続くコーベンだが、中にはお馴染みキャラクターを語り継いだセミ・シリーズ作品や、コーベンワールド地続きと言えるような単発作品も見受けることができる。しかし、本書はそんな単発作品の中でも他のシリーズ・キャラクターは一切登場しないというかなり一作完成度に拘った作者の拘りが感じられる。

     主人公が、単独でしかも女性、というだけでも珍しいかなと思えるし、全体構成がサスペンス重視というようになっていて、多層構造

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    2024年02月21日
  • THE MATCH

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    CL 2024.2.13-2024.2.15
    「森から来た少年」ワイルドの実の親探しと、リアリティ番組の虚実やネットの中傷。いろんな要素が絡み合って、一気に読める面白さだけど、一気に読まないとわからなくなってしまう複雑さもある。そこをラストに全部ひっくるめて回収する手腕はさすが。
    でも、次回がないようなまとまり方でちょっと残念。もっとワイルドを読みたい。

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    2024年02月16日
  • THE MATCH

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    一気にいけるが、人間関係が複雑で、前作の展開も忘れているし。これでケリがついたってことで、次作はないのかな。

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    2024年01月29日