石坂しづかのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
小川糸さんのことはこの小説を読む前から知っていた。雑誌『天然生活』で小川さんのすてきなライフスタイルが何度も取り上げられていたからだ。森の中の一軒家で、夜になれば蜜蝋キャンドルに火を灯し、寒くなれば薪ストーブで暖を取る生活。もちろん食事は地元の旬の食材をふんだんに使った手料理だ。それは絵に描いたような「ていねいな暮らし」で、憧れると同時になんてバイタリティのある人なんだろうと感心した。そんなユニークな人が描いた小説が面白くないはずがない。期待をこめて読んでみたが、果たして期待以上だった。
大筋としては「恋人に去られたショックで失声症になった若い女性が、田舎に戻って食堂を開くことになる。温かい -
Posted by ブクログ
初めて読む作家さん。
ゆったり読み手を包み込むような…と思いきや、言葉選びや展開はなかなか衝撃的。清さと穢れが一緒くたに投げ込まれてマーブル模様のように混ざり合っている小説。
素材やレシピ、調理の描写が、とてもこまやかでプロフェッショナル。意外性のある組み合わせで、どんな味なのかな?香りは…と想像しながら読むのが愉しい。そして、命を頂く行為を、目を背けたくなる瞬間まで余さず書き切る覚悟の据わった姿勢。イタリアの文学賞バンカレッラ賞「料理部門賞」を受賞、なるほど、わかる気がします。
お店の佇まいや、店内に流れる時間はナチュラルで静謐。食に関する感性は五感に染みわたるようで、スピリチュアルな域 -
購入済み
うーーん
前半は楽しく読んでいたのですが、後半は急に話が進みすぎていまいちついていけない感じがしました。
前半の感じで物語が進んでいけばすごく好きな本なのにと思いました。
嫌いではないのですが、なんだかモヤモヤする本でした。