石坂しづかのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
『ライオンのおやつ』が小川糸さん初読み作品でした。その頃を思い出した『食堂かたつむり』
■勝手に予告編
目が覚めると、昨日までの日常は綺麗に消え去っていた。恋人との想い出が詰まったマンションの一室は、今日で誰の部屋でもなくなる。
私の中の哀しさや空しさが、私の声をいつの間にか奪っていき、私は唯一残された大事な物を抱えて、みじめに実家へ帰ることとした。
失ったもの、残されたもの、様々なものが私の体を巡り、そして私は今日も『食堂かたつむり』の厨房に立つ。
■読後の感想
冒頭に書いた通り、小川糸さんの作品を読むのは2作目となりますが、『ライオンのおやつ』と似ていて、食べ物と命をテーマに優しく -
Posted by ブクログ
情景の表現が綺麗だなぁ。
『空には玉ねぎの薄皮みたいに半透明の薄い雲の膜が、ぴったりと貼り付いている。』
『生みたての卵の黄身みたいな、ツルンとした濃いオレンジ色の太陽。』
『クラゲのような薄い雲が広がっている。』
『夕焼け空が広がっている。まるで、地球をそのまま巨大なはちみつのビンに沈めたみたいだった。』
この感性で人の機微を表現しているのだから、読んでいてとても暖かくなる。
凝り固まっている様に見える女性3代に渡る関係性が料理を通して解れていく。
その他にも色々な人間関係が温かい心のこもった料理を通してポジティブな一歩を踏み出せる。
そんな温かい温度を感じる作品でした。
素 -
Posted by ブクログ
ネタバレ15年ほど前に読んだことがあったものの内容を結構忘れてたので再読。当時と印象が結構違った。良い意味で。
夢を叶えるため懸命に働き、実現も近付いてきたかと思われた頃にそれまで愛し合った男性が倫子のすべて、本当になにもかも持ち去ってしまう。
辛うじて残されていた、祖母との思い出が詰まった糠床の存在が救いになったのか直ぐに絶望的な状況から立て直す行動力を見せてくる。かと思えばやっぱりふとした時に涙がこぼれる様子が見られる。そりゃそうだ声も失くしてしまうほどだし。
料理に対する信念が揺るがない倫子。母の最期の望みとはいえエルメスを手にかけることも食と誠実に向き合う姿勢が素晴らしかった。
出生の