石坂しづかのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
今年2冊目の読書は、小川糸さんの『食堂かたつむり』。同棲相手にすべてを奪われ、ショックから声を失った倫子。一文無しで帰郷した彼女を待っていたのは、長年確執のあった「おかん」だった。
「自分には料理しかない」と気づいた倫子は、実家の敷地で小さな食堂を始めることに――。
本作はいわゆる「料理小説」の枠に留まらない。倫子が心を込めて作る料理をベースに、母娘の確執と和解、そして主人公の心の再生が丁寧に描かれていく。
母との関係にはハラハラさせられるが、村の人々の温かさが物語を優しく包み込んでおり、終始心地よく読み進められる。そして終盤、予想もしなかった衝撃の展開が訪れ、思わず涙があふれてしまった。 -
Posted by ブクログ
『ライオンのおやつ』が小川糸さん初読み作品でした。その頃を思い出した『食堂かたつむり』
■勝手に予告編
目が覚めると、昨日までの日常は綺麗に消え去っていた。恋人との想い出が詰まったマンションの一室は、今日で誰の部屋でもなくなる。
私の中の哀しさや空しさが、私の声をいつの間にか奪っていき、私は唯一残された大事な物を抱えて、みじめに実家へ帰ることとした。
失ったもの、残されたもの、様々なものが私の体を巡り、そして私は今日も『食堂かたつむり』の厨房に立つ。
■読後の感想
冒頭に書いた通り、小川糸さんの作品を読むのは2作目となりますが、『ライオンのおやつ』と似ていて、食べ物と命をテーマに優しく -
Posted by ブクログ
情景の表現が綺麗だなぁ。
『空には玉ねぎの薄皮みたいに半透明の薄い雲の膜が、ぴったりと貼り付いている。』
『生みたての卵の黄身みたいな、ツルンとした濃いオレンジ色の太陽。』
『クラゲのような薄い雲が広がっている。』
『夕焼け空が広がっている。まるで、地球をそのまま巨大なはちみつのビンに沈めたみたいだった。』
この感性で人の機微を表現しているのだから、読んでいてとても暖かくなる。
凝り固まっている様に見える女性3代に渡る関係性が料理を通して解れていく。
その他にも色々な人間関係が温かい心のこもった料理を通してポジティブな一歩を踏み出せる。
そんな温かい温度を感じる作品でした。
素