松宮宏のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
表題合わせて3つの短篇集。
表題のパン屋、は不思議な話で終わってしまいました。
一体どこから現れて、どこへいったのか。
とんとんと楽しい状態になったのは確かですが
上へ上へと押し上げられるよりは
奥さんと楽しい…日々かもしれません。
2話目の配達おばあさんが凄いです。
とっさの事とはいえ、それができるとは…。
いや、むしろ人が死ななくてよかったね?
最悪誰が死にそうな気がしますが、さすが物語。
3話目は…何が起こって何に繋がるのか。
終わりよければすべてよし、ではありますが
そう思うには結構純粋に生きていたようです、主人公。
人に使われるより、自分の采配で、が
性にあってると思います。
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Posted by ブクログ
著者は大阪生まれの大阪育ち。『まぼろしのパン屋』も関西が舞台だったように、本作もやはり関西が舞台です。なじみのある土地の話にはついつい評価が甘くなってしまうというもの。
神戸の郵便局に勤める主人公のタケシは、自分よりずっと稼ぎのいいはずの兄から妙なことを頼まれる。指定された時間にATMへ行き、金を下ろしてほしいと。勤務中に局から出てよそのATMへ走ることなど不可能だが、小遣いをやるからという言葉に釣られて承諾。腹の調子が悪いと上司に偽って、たびたび兄の頼みを聞くように。ところが知らず知らずにうちに振り込め詐欺の片棒を担いでいたとわかり……。
そう、神戸駅なんぞが出てきたからには評価が甘くな -
Posted by ブクログ
表題作の「まぼろしのパン屋」と、「ホルモンと薔薇」、「こころの帰る場所」という3つの物語。
1つめの「まぼろしのパン屋」の主人公は、つきみ野駅近くに住む50代サラリーマン。私大卒業後、大手鉄道会社の大量採用に救われて就職し33年、勤務先では影の薄い存在。しかし、会社の不祥事が公になり、事態を丸く収めるため、目立たない彼こそ担当部長に据えるのにぴったりだと抜擢される。
2つめの「ホルモンと薔薇」は神戸の立ち飲み屋に集まる人々が主役。最近よく起きているひったくり事件の犯人逮捕に力を発揮したのはなんとホルモン。
3つめの「こころの帰る場所」は、姫路の元ヤンの語り形式。特攻服に身を包み、族をまと