松宮宏のレビュー一覧
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「ねぇ、サンジ、おねえちゃんがね、変身して光線だして、悪いやつらバンバンやっつけたらどうする」
「そしたらね、僕はロケット乗って、ミサイル発射する」
「シーシー、ハーハー、シーシー、ハーハー、はいてはいて、吸うて吸う、はい!」
『いつでも女子は男子より大人だ。』
『「情熱ですね」
「情熱を超えて魂やな。自分で言うのもなんやけど」
物凄い情熱、いや魂。感心した。』
「ここの片がついたらうまいこと処理してな、表に出んようにしてくれる人たちなんや。そやから何も気にせんと、お亡くなりください」
『私の人生って何? あまりにも悲しすぎる。
もうどうしたらいいかわからない。
家に帰った。布団にも -
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ネタバレまぼろしのパン屋→おばあさんの描写が素朴で私はかなり好きな作風の話だった。パンにまつわる人情ものは大好きな「つるばら村のパン屋さん」を想起させて楽しかったし、会社員の妙にリアリティのある設定と絶対に現実にはない出来事の対比が良かったと思う。パンとワインの表現が美味しそうで良かった。
ホルモンと薔薇→個人的にちょっとないなって思った。そもそも話の脈絡があっちこっちに行ってる気がする。最後結局「何?」って感じだったし、何を主軸にしたいかもいまいちわからんかった。まぼろしのパン屋が良かっただけに残念感がある。
こころの帰る場所→基本的にヤンキーの思想には何一つ同意できないので完全に第三者視点で読んで -
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食べ物が共通点の短編集
収録作は3編
・まぼろしのパン屋
・ホルモンと薔薇
・こころの帰る場所
・まぼろしのパン屋
壮年のサラリーマンの不思議体験エピソード
妻からの小言、満員電車の座席の攻防、外部から来た上司、会社の開発事業に振り回される高橋
開発事業の頓挫により前任の経理責任者の左遷により、無難な自分が後釜に座ることになったが
実際は開発事業の詳細を知らされないお飾りの存在
緊急の会議のため日曜出勤の日、電車で見知ら老女から紙袋に入ったパンをもらった事から人生の転機を迎える
パンの味に懐かしさを覚えた高橋は、紙袋のパン屋を探すが
パン屋の住所は会社が手掛けている開発地域だったた -
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バブル時代の田園都市線終着駅近く。
まあ、それは混んでいました。
長い路線なので各駅で通勤することは、理屈では可能でも現実的ではありません。
彼も一人のサラリーマンとして思うところがありました。
私もこのあたりに住んでいたので、いまでも目に浮かびます。定年が延びてます。60、65になってあんな混雑の中の通勤は無理です。
これはいけないことだ、とわかっていながら会社の方針に沿って開発を進め、人々は浮かれはしゃいでいましたね。それがバブルでした。
お金だけでなく、自然も、人々の暮らしも、大きく変わってしまいました。
利益を上げたから、上りつめたから。もういいだろう。
あとは悠々自適だ。痛勤とは -
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皆さんの感想にもある様に、タイトルから想像するストーリーから良い意味で裏切られる一冊。
パン屋と聞くと、どうしても小麦の焼ける香ばしく、素朴な香り。
そこに絡まる温かくも優しいヒューマンストーリー。
と、私は勝手にあらすじをあらかた枠決めして読み始めてしまったのですが、冒頭から空にはヘリコプター、環境ジャーナリスト、農薬空中散布のきな臭さ極まりないワードの数々。それだけでこれは右往左往の物語で、ちょっと息抜き程度に開いてしまった事を少し後悔してしまいました。読み進めると、またそれも違ったと気付きましたが。
ただ、人として、日常の中で瞬発的についてしまう悪態や呟きの描写が結構リアルで、特に1