あらすじ
郵便局の正規職員だが、手取りは少なく、厳しい生活を送っているタケシ。おまけに上司に誘われた店の支払いが高額! そんなときにIT起業家の兄から、小遣い稼ぎを持ちかけられて……。(「小さな郵便局員」)
必ず本人に渡さなくてはいけないマイナンバーの書類をめぐる郵便配達員の試練と悲劇と美味しいもん!? (「さすらうマイナンバー」)
神戸を舞台に描かれる傑作B級グルメ小説。
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Posted by ブクログ
著者は大阪生まれの大阪育ち。『まぼろしのパン屋』も関西が舞台だったように、本作もやはり関西が舞台です。なじみのある土地の話にはついつい評価が甘くなってしまうというもの。
神戸の郵便局に勤める主人公のタケシは、自分よりずっと稼ぎのいいはずの兄から妙なことを頼まれる。指定された時間にATMへ行き、金を下ろしてほしいと。勤務中に局から出てよそのATMへ走ることなど不可能だが、小遣いをやるからという言葉に釣られて承諾。腹の調子が悪いと上司に偽って、たびたび兄の頼みを聞くように。ところが知らず知らずにうちに振り込め詐欺の片棒を担いでいたとわかり……。
そう、神戸駅なんぞが出てきたからには評価が甘くなってしまうものなのですが、上記のような展開では萎えるばかり。どう考えても怪しい話なのに、こいつはバカじゃなかろうかと思ってしまいます。これが第1話で、第2話はマイナンバーの配達に右往左往させられるタケシ。下町の人情噺と言えなくもないけれど、設定が駄目駄目すぎて興味が続きません。B級グルメ小説を謳っているわりには、出てくる食べ物の印象が弱い。もっとヨダレが出そうになるほどのお好み焼きの描写希望。神戸に免じて甘々で★3つにしておきます。