ウェンディ・ムーアのレビュー一覧

  • 解剖医ジョン・ハンターの数奇な生涯

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    超面白い。
    迷信まみれな一八世紀の医学を、ナイフマンことジョン・ハンターが実際的な経験と知見、そして何よりも、その類まれなる好奇心でもって当時の医学的常識に疑問符を突きつけながら、一人純粋に探求を繰り返す彼の生涯を俯瞰できる良著。
    解剖学だけでなく歯科や生物学にも強い興味を示すハンターは、まさに知的好奇心でもって世界の真理に到達しようとするファウストのような人間。

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    2024年01月10日
  • 解剖医ジョン・ハンターの数奇な生涯

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    普段伝記は読まないのですが、複数のマンガや小説に名前が挙がっていて気になっていました。
    ダーウィンより早く進化論に辿り着いた男だとか、ジーキル氏とハイド氏、またはドリトル先生のモデルだとか…
    実際、人物がぶっ飛んでて面白い伝記でした。
    常識や慣習に捕らわれずに科学的な手法を取るということは、誰が考えても正しい事です。
    しかし実際行動してみようと思うと難しい事だと思います。自分としてはせいぜいエセ科学に引っかからないように生きていこうと思いました。

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    2023年02月22日
  • 解剖医ジョン・ハンターの数奇な生涯

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    何事も時代の最先端をいく人物が、世間に理解されることの難しさを思い知らされた。
    教会が権威と結び付き、異なる意見を受け入れない時代に、事実に基づく証拠と実績を積み上げていった人物に感服させられる。
    ユーモアたっぷりのエピソードに彩られ、彼の人物像を垣間見られた気がする。

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    2021年08月14日
  • 解剖医ジョン・ハンターの数奇な生涯

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    皆川博子さんの「開かせていただき光栄です」のダニエル先生のモデルとなった、18世紀イギリスの解剖医ジョン・ハンターの生涯。
    伝記を久々に読みましたがとても面白かったです。
    ハンター先生、かなり破天荒ですが、伝統や慣習にとらわれない柔軟な考え方と、観察や実験をして培った知識で、時代の先をゆく説を立てていたの凄い。
    瀉血と嘔吐、下剤の時代に、ちゃんと治療してたというのも。この時代の作品を読んでいるときにいつも、「なんで瀉血なんてしてるんだろ?」と長年疑問だったのですが、その理由が解りました。しかしギリシャ時代からこれとは……。
    近代外科学への功績がとてつもないですし、ダーウィンより70年も前に進化

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    2021年02月01日
  • 解剖医ジョン・ハンターの数奇な生涯

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    「科学的外科の創始者」ジョン・ハンターの伝記。
    とても史実とは思えないような面白さ。伝記の域を越えて面白い。

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    2020年09月14日
  • 解剖医ジョン・ハンターの数奇な生涯

    購入済み

    2SD超えたところの才能

    徹底的な人物について、呆れ、驚き、感動したいならこの一冊。圧巻!
    どの時代にも「こいつは本物だ!」という人物はいて、その本物感はほとんど常軌を逸していると感じさせるもので、その人の立つ地平線自体、スケール感がちがっていて、自分の卑小さをいや増して感じるために、ずっと追い続けるか、目を背け背中を向けて生きるしかない感覚に襲われてしまいます。
    有能なジャーナリスト(作者)に取材の対象として選ばれ、丹念にこれまた膨大な量の一次資料を辿られ、18世紀に生きた外科医(とは簡単に括れませんが)の生き様が吐く息を感じられる濃度で筆写されています。当時のイギリスの世相ならびに常識、医療水準がとてもよく伝わって

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    2019年07月10日
  • 解剖医ジョン・ハンターの数奇な生涯

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    ネタバレ

    先日読んだ「こわいもの知らずの病理学講義」で紹介されてたので読んでみたところ、とんでもなく面白い。
    そもそもこんな人がいたのかと驚いた。奇人ではあるが、今の視点から科学的立場としては全く当たり前のことを行っているのだが、当時の常識からは外れていたのだろう。死体の調達や強引な標本採取は現代でも受け入れられないが。

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    2019年05月12日
  • 解剖医ジョン・ハンターの数奇な生涯

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    【奇人,危人,偉人】実験的な手法を用いて外科を科学の分野に押し上げた男,ジョン・ハンターの生涯を描いた作品。奇人でもあり偉人でもあった近代人の物語です。著者は,本書を通してジョン・ハンターの功績を正しく評価することに成功したともされるムーア・ウェンディ。訳者は,翻訳を通してジョン・ハンターと彼が過ごしたロンドンに更に惹かれたと語る矢野真千子。原題は,『The Knife Man: The Extraordinary Life and Times of John Hunter, Father of Modern Surgery』。

    わずか数百年前の外科手術が現在では考えられないものであったこと

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    2018年09月05日
  • 解剖医ジョン・ハンターの数奇な生涯

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    生まれる時代を間違えた感がすごいジョン・ハンター
    でもこの時代に生まれて、その後ハンター流を教え込まれた弟子たちがあちこちで活躍してくれたからこそ今の医学がある。すごい人がいたものだ。

    ハンターがチェルデンに出会わず、柔軟な考えを教えられていなければどう変わっていたんだろう
    それにもしハンターにもっと書く能力があったらもっと早くに名前が広まっていたのかな?

    ヤン・ファン・リムダイクの絵もすごい。
    彼はどうなってしまったんだろう・・

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    2021年12月30日
  • 解剖医ジョン・ハンターの数奇な生涯

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    貧乏人からは金を取らず、金持ちからはふんだくる。類希なる手術の腕を持つ男でありながらうさん臭さもある、こう書くとまるでブラックジャックだが、愛嬌があり弟子には慕われ、しかし怒りっぽいとかなり人間臭い人でもある。

    1748年二十歳のジョン・ハンターは2ヶ月ほど大工仕事をし手先が器用ですぐに玄人並みの腕を身につけたが仕事場がつぶれたのをきっかけに既に医者として成功している10才年上の兄ウィリアムを頼りロンドンに出てくることにした。ちょうどウィリアムも開設したばかりの解剖教室が好評で信頼できる助手を必要としていた。初めてメスを握ったジョンだったが兄の指示に従い死体の解剖を兄が期待する以上の水準で発

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    2014年01月18日
  • 解剖医ジョン・ハンターの数奇な生涯

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    すごい人がいたもんだ
    ドリトル先生好きだったのに、見方変わっちゃうじゃないか~
    近所にはいてほしくないなあ

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    2013年09月07日
  • 解剖医ジョン・ハンターの数奇な生涯

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    この人物に興味を持った契機は皆川博子さんの作品から。

    改めて数奇の意味を調べてみると、
    「不幸・不遇・境遇の変化が激しい」とあった。
    「運命の巡り会わせが悪い」という意味もあって、
    それはいちばん近いかな、という印象だけれど、
    悪い、というよりは時代の進行に較べて早すぎた人、という感じがした。

    過去において、命にかかる枕詞は「うつせみの」だった。
    現代での枕詞はおそらく、「かけがいのない」になると思う。
    命がかけがいのないものである、という風潮は今となっては揺るがない常識のように扱われる。
    とすると、ジョン・ハンターという人物は今の常識の基礎を築いた人物、ということになるかと思う。

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    2025年05月12日
  • 解剖医ジョン・ハンターの数奇な生涯

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    偉大な功績を得る人間はその分イカれていないといけないということがわかる。
    当時のイギリスの病気事情やどのように被験者を集めていたかなど興味深い視点からの説明も十分にある。

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    2024年11月22日
  • 解剖医ジョン・ハンターの数奇な生涯

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    熱傷治療のため自宅療養しながら読んだ。整形外科に通院しながら、待合室で読んだので、余計に生々しく感じた。

    実話ベース、伝記であるが、内容が衝撃的であるがために読む人を選ぶだろう。
    ドクタードリトルのモデルであり、ジキル氏とハイド氏の館のモデルにもなったという実在の外科医。外科医の地位が低かった当時、さまざまな実験や解剖を行い、今の医学の基礎を築いた。秀でた人は、いつの時代も叩かれるし、変人扱いを受けるが、彼の考え方は100年ほど早かったがために、波乱万丈の人生を歩んでいる。類稀なる才能の持ち主は、今の世にも出現するのだろうか。

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    2021年04月19日
  • 解剖医ジョン・ハンターの数奇な生涯

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    2世紀以上前の一個人の伝記が、よくぞここまで再現されているものだと思う。好奇心の塊だけに、その生涯はアンビリバボーな刺激でいっぱい。外科医としての業績はもちろんのこと、実験対象はあらゆる動植物に及び、次々登場する意外な標的に、ただ唖然とさせられる。ジェンナーとの交流とかも興味深いけど、有名税みたいな感じでつきまとう、周りの困ったちゃんについても、物語を盛り上げるという点では、それなりの役割を果たしている。ジキル・ハイドのモデルにもなったという博物館、一度行ってみたいです。

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    2019年09月11日
  • 解剖医ジョン・ハンターの数奇な生涯

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    18世紀イギリスの外科医療に携わるジョン・ハンターは大工出身だと。夜な夜な墓泥棒から死体を手に入れ、解剖にいそしみ、さらには博物学の知識ももち、自宅に様々なコレクションを有しているというからドリトル先生のモデルだといわれ、その家はジキル博士とハイド氏もモデルになったといわれるのもなるほど納得。

    医療が宗教と密接に結びついていた当時、宗教観を覆すような意見を発表し、医療を科学に押し上げたジョン・ハンターは相当な変わり者だったようだ。梅毒患者の膿をつけたメスで自分のペニスにキズをつけて経過観察した記録も残っているというから、推して知るべし(対象が本人かどうかは記述が無いそうだが、状況から推理して

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    2016年06月07日
  • 解剖医ジョン・ハンターの数奇な生涯

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    労作であることがよくわかる。じっくり読まないと申し訳ない気になるくらい。
    単に偉業をたたえるだけでなくて、ジョン・ハンターのエキセントリックさもきっちり伝えている所がいいよね。この人、相当な変人だなあ。

    山形さんの解説も考えさせられる。なるほど。

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    2015年10月31日
  • 解剖医ジョン・ハンターの数奇な生涯

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    いいよ、と言われつつもなんだかイロモノっぽくて読む気になれなかった、奇人近代医学の父の話。読みだしたらこれが私好みで、確かに変人で実際に身近にいたらドン引きだろうけれども、解剖はしなくても別のところでこういう奇人て割といるのじゃなかろうか。と、思ったらもう、この人柄にほれ込んでしまったと言っていい。「自分の頭で考えよ」、これは私の人生の指針でもあるので、とてつもなく身近に捉えてしまい、本当に、読み終わるのが悲しかったくらい。

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    2014年01月09日
  • 解剖医ジョン・ハンターの数奇な生涯

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    読み始めは(今の眼で見れば)残酷なシーンの連続でぞっとしたが、読み進めるうち、ジョン・ハンターという人物に魅了される。
    確かに死体を泥棒して解剖したり、動物を生きたまま解剖したり、貧しい子どもの歯をぬいて金持ちの歯茎に植え込んだりしていて、現代の倫理観からすれば許されないことだが、当時は仕方なかったわけだし、何よりジョン・ハンターは私利私欲のためにそれをしたのではない。
    ジョン・ハンターは奇人・変人だが変態ではない。あまりに強い好奇心と探求心が彼を動かしたのだ。
    こういう天才がいて、医学が進歩したのだから、殺された動物や、解剖された人間に感謝し、冥福を祈る。
    それまでの瀉血や催吐といった何の根

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    2013年09月15日
  • 解剖医ジョン・ハンターの数奇な生涯

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    ネタバレ

    冒頭にある出産直前の子宮内の胎児の描写が写真のようで思わず凝視した。人でも動物でも解剖しまくって、標本を作りまくった人の話。当時の外科治療方法や解剖用の死体の調達法などが興味深く普通に面白かった。

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    2015年02月09日