たまには小説を離れドキュメンタリーなどを読んでみた。
普段目にする、手にする、食にするトマトペースト。大手スーパーに堂々と並ぶこれまた大手メーカーのトマト加工品の裏舞台を暴く、その取材の尽力には脱帽する。
他国の技術は貪欲に吸収し、そして自国の技術は一切公開しない中国大陸の恐ろしい真実。
この濃縮ト
...続きを読むマトの缶詰は氷山の一角で養殖ウナギやミルクパウダー、有害物質の検知でなんども問題になる食の安全を崩壊させる中国だが、決して中国そのものが悪いのではない。コスト重視、販売拡充、利益追従、安く売れればなんでもいい、そして安けりゃ安いほどいいという需要と供給が完全一致した市場が人権無視、安全無視の商品を生み出してる社会そのものが諸悪の根源。
この本は最後に原料31%、添加物69%の中国加工業者を暴いたが、なにも中国に限ったことじゃない。日本でも産地偽造、賞味期限改ざん、破棄物再利用を当たり前にやっている業者などゴマンといる。そして安く買いたたく商社、安物買いの消費者がいる。
この本を警鐘としたところで響かないのが現状だ。
今、コロナウイルスで社会は騒然としているが、コロナウイルスなんて地球規模で考えれば大地に吹く一陣の嵐のようなもので目先に必死の人類の対応に辟易する。
身に振る火の粉には必死なのに他は見て見ぬふり。喉元過ぎればなんとやら、だ。
人の業は深く重い。人類ほど同類にやさしくなれない種族はないだろうね。