森村進のレビュー一覧

  • 幸福とは何か ──思考実験で学ぶ倫理学入門

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    快楽説や欲求実現説など、幸福をいかに計るかについてはなんとなく自分でも想像していた部分だったが、そこに「時間」が関係してくるという議論がとても興味深かった。上り坂と下り坂、平均値か最大値か、などなど、今後の人生を見つめる上で度々思い出しそうだと思う。

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    2021年03月26日
  • 幸福とは何か ──思考実験で学ぶ倫理学入門

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    『自由はどこまで可能か=リバタリアニズム入門』の著者による、タイトルどおり「幸福とはなにか」と問いつつ「倫理学」について学んでいきましょう、という感じです。

    まず「幸福は定義できるか」という問いがあり、「どうも定義できなさそうだ」というあたりに落ち着いて、幸福と時間との関係の解説があって終了、という素敵な内容でした。

    131ページから始まる直観的判断についての解説、「幸福とはなにか?」という以前にそもそも「快楽や欲求実現はなぜよいものなのか?」という前提への問いがあまりにおもしろすぎる。

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    2020年11月26日
  • ハーバート・スペンサー コレクション

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    今こそ再評価のとき

    読むことなしに不当なレッテルを貼られ、非難される思想家のランキングを作るとしたら、その首位は間違いなく、19世紀英国のハーバート・スペンサーだろう。

    スペンサーは動物だけでなく人間についても「適者生存」という言葉を使ったために、弱肉強食を提唱する保守的な「社会的ダーウィニズム」の代表者としてしばしば批判される。しかし本書に収められたスペンサーの文章を読めばわかるように、そのような批判は「とんでもない言いがかり」(科学ジャーナリスト、マット・リドレー)である。

    スペンサーの言う、人間社会における「適者」とは、軍事力や政治権力、物理的実力を持つ強者のことではなく、他者との

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    2019年01月28日
  • 幸福とは何か ──思考実験で学ぶ倫理学入門

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    いい本だと思うのだが、テーマ自体にさほど関心がない事に気付いて途中で投げた。法哲学のほうが関心ある。
    プリマーなんだけどふつうの高校生とか大学一年生は読めないだろう。

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    2018年10月09日
  • 幸福とは何か ──思考実験で学ぶ倫理学入門

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    基本手筋集・定跡集っぽいけどえらい。森村先生がまいた種は5〜10年後ぐらいに豊かに実るであろう。もう素地はあるわけだし。



    Haybron先生あたりの立場(快楽説)への言及がなかったのがちょっと残念。あとカーネマン以外の心理学者への言及がない。



    人名索引にでてくるのは、アリストテレス、エピクロス、エルスター、大河内、カーネマン、カント、キルケゴール、グリフィン、スミス、セン、荘周、ソクラテス、トルストイ、ノージック、パーフィット、フェルドマン、フット、ブラッドリー、プラトン、プルースト、ベンサム、マッキー、ミル、ムア、ロールズ。高校生〜大学初年次ぐらいならこれで充分か。そのかわり思考

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    2021年01月05日
  • 法哲学講義

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    ケルゼン、ハート、ドゥオーキンの業績を中心にまとめられています。東洋の法文化についても触れられています。しかし正義論が流行った影響か、西洋的な観点が中心です。文章が読みやすくて、興味がある方ならスラスラと読めると思います。

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    2018年06月12日
  • 「表現の自由」入門

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    今年の本格読書はこの一冊から。OxfordのA very short introduction シリーズの一冊を翻訳したものですが、原著100頁あまりのものが平易で分かりやすい文章で現されていて「表現の自由」(原著は意図的に「自由な言論」をタイトルとしていますが)の今をコンパクトに知る上で好適。
    今年は、自由・権利・平等の検討をさらに深めていきたいと思っています。

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    2016年01月03日
  • 幸福とは何か ──思考実験で学ぶ倫理学入門

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    (2024/06/09 4h)

    うお〜〜〜哲学(倫理学) で思考しながら読むって想像以上に疲れる!!

    ちくまプリマー新書は何冊か読んできましたが、本書は読むのに一番腰が重かったです!開いては閉じてを繰り返すこと1ヶ月。ようやく読み終えました。

    わたしの集中力のなさ・思考力のなさが災いして、目が滑ってしまったり思考停止してしまう箇所も多くあり、そのことで内容が掴めず苦しんで読みました。

    合間合間に小休止という雰囲気で、日常に即して考えやすい例が挟まるので、これはありがたかったですね。頭がパンクしそうなところに、助け舟のように内容を簡略化もしくは内容に補足して教えてくれるので、なるほどそう

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    2024年06月09日
  • 正義とは何か

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    整理され過ぎていて難しい。
    前に書かれていたことを十分に斟酌しないまま先に進むと段々と内容について行けなくなる。

    一回読み終えたので、間を見て最初から読み直してみたいと思う。
    また、その価値がある本だと思う。

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    2024年02月10日
  • 正義とは何か

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    古代から現代の正義論オムニバスだが、薄っぺらく書かれているわけではなく、しっかりした読み応えがあった。いかんせん浅学なもので、いくつか、分かったような分からないような記述もあったけれど、これは著者が悪いのではなく自分の知識が乏しかったせいかと思う。他の倫理学の本を読む傍らの、要覧的な使い方が出来れば助かる。

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    2024年02月03日
  • 法哲学講義

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    法理学に関するパート(ケルゼン、ハート、ドゥオーキン)は面白く読んだ。正義論とメタ倫理学は(私の関心から離れることもあり)正直、用語法追うのも覚束なかった。
    全体的にフェアネスを貫徹した客観的教科書ではなく、森村先生の批評的視点が一貫しており、それが逆に読みやすく感じた。

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    2023年11月23日
  • 幸福とは何か ──思考実験で学ぶ倫理学入門

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    『理由と人格』に挫折していたので、翻訳者が書いたこちらを読んでみた。パーフィットが読める気がしてきたぞ!

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    2023年01月23日
  • 幸福とは何か ──思考実験で学ぶ倫理学入門

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    今まで幸福論にあまり興味がなかったけれど、多分福祉を考える上でも人の生き方という点においても重要なのかもしれないと思った。

    2章(p80)
    人が最初から欲求を諦めていれば欲求の非実現をなくせるし、欲求の水準を下げておけば欲求を実現しやすくなるが、そのことは当人のウェルビーイングを高めることにはならない
    「適応的選好形成adaptive preference formation」
    ノルウェー出身の社会学者ヤン・エルスター

    単純に幸福度だけでは判断てきないということ。欲求を諦めて選択できる範囲内での実現だけを幸福といっていいのか。

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    2022年05月13日
  • 法哲学講義

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    法実証主義とは法と道徳の繋がりを否定する思想であり、自然法主義と対置される。
    前者は西洋近代的思想であり、後者は西洋古代的思想である。
    古代ローマ以来、西洋においては法と道徳が区別されず、法の中にプラスの要素が読み込まれる傾向にあった。
    西洋における法は私法が中心であったのに対し、東洋における法は刑法が中心であった。
    ケルゼンは法規範の根拠としてあらゆる規範の上位に根本規範があるとするが、内容が不明確であり、現在はあまり支持されていない。ケルゼンの純粋法学は独創的ではあるが、社会的現実や道徳的価値との齟齬がある。
    ハートは法と道徳を峻別しつつ、法の解釈論において道徳を加味する立場であり、ソフト

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    2022年01月09日
  • 幸福とは何か ──思考実験で学ぶ倫理学入門

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    快楽説/欲求実現説/客観的リスト説/折衷説から展開される思考実験を通して、哲学的に考えるとはどういうことかを学ぶ。自他の不幸を望まない以上、幸福というテーマは果てしなく長い時間を費やしてでも考える意義があると思う一方、誰かに「あなたが幸福(不幸)とは認められない」と説かれても、心情的には受け入れがたい。誰もが納得できる論拠を示すことは、非常に大がかりな仕事だと痛感しました。

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    2020年09月18日
  • 幸福とは何か ──思考実験で学ぶ倫理学入門

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     幸福とは何か。その定義は難しい。幸福はひと時の感情でもあるし、ある程度の時間の積み重ねの中で生まれるものでもある。同じ経験をしてもそれに幸福を感じるかどうかは人によっても、時間によっても、また周囲の環境によっても変わってしまう。だから、科学的に幸福度を定量化することはかなり困難だ。
     一方で幸福はしばしば比較される。誰より誰の方が幸福だとか不幸だとかいう表現は日常的に繰り返されている。でもそれが何を基準にしているのかと問われると主観であると答えるしかなくなる。
     本書はこの問題に哲学的な思考をもって答えようとする。そしてそこには思考実験が提案されている。これは積極的仮説とでもいうべきもので現

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    2020年08月07日
  • 「表現の自由」入門

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     ジョン・スチュアート・ミルを始めとした思想家の先達たちの言説を引用しながら、表現の自由が民主国家と文化の進歩にとっていかに重要かを定義したのち、自由に対する制限の可能性を検討していく内容。

     個々のトピックについて結論をだしていくというよりは、両論を併記させて論点を洗い出すスタイルのため、読み進めていくのは大変歯がゆく感じてしまう。しかし、この歯がゆさは、最終章の筆者の結論にある「言論の自由に制限があるのがなぜかについて、われわれは明確である必要がある」という記述でその目的を果たしているのではないだろうか。
     ヘイトスピーチのように時代の変遷で変わっていく倫理観や、インターネット上での表現

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    2020年06月11日
  • 「表現の自由」入門

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    基礎からジョン・スチュアート・ミロの『自由論』、ポルノ、宗教、芸術との関係における表現/言論の自由について。裁判例や具体例なども多く、課題の基礎整理には良い入門書。
    マスメディアにチェックがかかっているという点や、子供に対する加害可能性ゆえに幼児ポルノの規制を許容する辺りには、少し考える。

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    2024年09月16日
  • 幸福とは何か ──思考実験で学ぶ倫理学入門

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    日頃、幸福について考えることが多いので、題に興味を持ち、読んだ。
    比較的最初の方で、自分は幸せを定義することについては興味がないことがわかってしまったが、せっかく途中まで読んだのだからと思い、読み続けた。途中、疲れている時に読んでいたからかもしれないが、言葉が頭をすり抜けてしまい、内容が頭に入ってこない状態が続き、苦痛に感じることもあったが、思考実験を多く用いていたことや、興味を持って読むことができた部分もあり(特に、最終章の幸福と時間についての記述は大変興味深かった)最後まで読めた。
    本書を読んで、幸福を定義する様々な考えを知ることができた。また、幸福を正確に定義するのは難しいことなのだとわ

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    2022年06月13日
  • 「表現の自由」入門

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    全く法律と関係ない勉強をしてる自分にとってこの本は面白かった。ミルの自由論は考えは素敵だしある程度的を得てるようにも感じるけど今の時代にそぐわないところもあるよな~と本を読んで思った、

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    2022年01月25日