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19世紀、日本をはじめ世界中に圧倒的影響を及ぼしたスペンサーは、20世紀に入ると、社会的ダーウィニズムを唱えた弱肉強食の冷酷な思想家として激しい批判にさらされ、忘却された。しかし、そうした理解は正当だろうか? 否。自由の意味を根源から問うたその議論は、いまこそ再評価されるべきである。本書では、彼の思想の核心を伝える論考を精選して収録。そこからは国家の強制による福祉ではなく、個人の自発的な意志に基づく協力の原理を探究し、社会的弱者への慈悲を説いた姿が浮かび上がる。国家を無視する権利まで容認する、その徹底した自由の理論を詳らかにする。文庫オリジナル編訳。
...続きを読むPosted by ブクログ 2019年01月28日
今こそ再評価のとき
読むことなしに不当なレッテルを貼られ、非難される思想家のランキングを作るとしたら、その首位は間違いなく、19世紀英国のハーバート・スペンサーだろう。
スペンサーは動物だけでなく人間についても「適者生存」という言葉を使ったために、弱肉強食を提唱する保守的な「社会的ダーウィニズム...続きを読む
Posted by ブクログ 2018年09月17日
確かにハーバート・スペンサーは評判が悪い。私も実際には著書を読んでこなかったものの、キーワード「適者生存」に基づいて社会進化論を押し進めた思想家として、あちこちで批判的に論及されており、そのイメージはすこぶる悪い。
そうした「読まず嫌い」はスペンサーに対する誤解によるものであり、彼は弱者への思いや...続きを読む
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