岩政大樹のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ワールドカップをより楽しく見るために読み始めたが、サッカーの見方だけでなく、チームマネジメントの教科書としても素晴らしい。
原則ー判断・能力ー現象
原則はサッカーの「こうなればこうなる」。例「ボールを受けるときに、正面からアプローチを受けない」
原則をもとに、状況が相手の動きに応じて判断し、選手の能力によりそのアクションの成否が決まり、結果としての現象となる。
現象だけを見て結果論で語っても、改善にはつながらない。
強いチームは、原則を知った上で、外してくる。
原則はチーム全体で共有する。スペインでは小学校から練習を通して体で覚えている。
判断は選手の特権。選手を観察し理解し信頼して、ゆだねる。
最終的なプレー時では、ゾーン状態のような無心状態で最高の結果が出る。そのための選択肢、土台を身体化しておく。
サッカーという、ボールの止まらない、正解のない、判断の連続のスポーツにおいて、自立した選手がピッチで思考し対話し、答えを見つけていく必要がある。
言語化の必要な場所とそうでない場所。
強いチームには、監督に哲学、戦術に明確な絵がある。それは言語化されて、深く練られている必要がある。
現場への落とし込みの際は安易な言語化は禁物。必要な言葉を見極めて定義する。シンプルに。
哲学や戦術を伝えるのは、言葉や映像を尽くして同じ絵を再現しようとすることではない。言葉が選手を縛り、自立性を奪う。
オシム監督の「せざるを得ない」練習のオーガナイズ。
言葉を使わず、具体的な練習メニューで選手に自然と浸透させる。
「走れ」とは言われたことない、走らざるを得ない練習を通して、走ることが意識に刷り込まれる。練習のテーマは言われないが、内容から感じ取れるものになっている。
習得の段階によって、「ただ走る」練習から「どう走る」にシフトしていく。よく練られた練習。
岩政監督:重要だと考えるコツを言葉=コンセプトワードを伝え、練習の随所にちりばめて落とし込んでいく。選手のプレーや反応を見て言葉を追加する。(5レーン→相手からずらす→トライアングル、ダイヤモンド)
もう一つ上の段階で、抽象的で漠然としたスローガンを決めておく「Proactive football」。コンセプトワードを体現した結果、出来上がるチームのイメージ。具体的にしないことで、判断、思考、選択の余地を選手たちに残しておく。 -
Posted by ブクログ
これだけ言語化に長けている岩政さんが、言語化しすぎることの弊害を語っているのは意外だったけれど、そこはすごく合点がいった。欧州で生まれたパワーワード(5レーンや偽SB)を一人歩きさせず、それは効率的にゴールを目指そうとする結果現れる現象であるべきというのはすごく共感。
また、「ロストフの14秒」を例題に、「原則」か「判断」か「能力」かの話はすごく腑に落ちた。たしかにプロのゲーム観てて、「結局これは選手がそうできると判断したんだから解説が後から文句つけてもな」と思うシーンってある。そういうことだったのか。これを理解して仕分けして見ることで事象が正しく見える。これ分かってるだけでもサッカーがまた違った視点で見れそう。
原則は頭に入れて、とりあえず「2つの選択肢持つ」ことからやってみよう。今日から。 -
Posted by ブクログ
近くのサッカーを観る人、指導する人、プレーする人、全てに配りたいくらいおすすめ。
ヨーロッパのトップレベルのサッカーは面白い。Jリーグでもそれに近い試合を観れるときはあるが、プレミアリーグと較べたら物足りなさを感じる。代表の試合になるとなおさらだ。
この日本サッカーと世界との差ってなんなの?原因は何?どうしたらこの差は縮まるの?という疑問に対して答えてくれるのがこの本だ。
サッカーには相手が「こうしたらこう」という原則があり、それをチーム全体で共有することでチーム全体の絵が生まれる、という大枠はなんとなくわかっていたが、
「じゃあその原則ってどういうもの?」「観る側は何を基準にしてピッチで起きる現象を見ればいいの?」「指導者は選手にどう落とし込むの?」という中身の部分をよくわかっておらず、曖昧だった。そのもやもやしてる部分をどんどん言語化していってくれる岩政さん。読んでいて気持ちよかった。
読んでてハッとさせられた部分は、
原則の選手への落とし込み方。言語化は必要だが弊害もあるとのこと。ポステコグルーやオシムなど、論理的に見えるチームを作る監督ほど、選手たちに落とし込むときに言語化していない。言わなくても分かるよう、工夫して伝える。サッカーに限らず、教える側に立つときに意識したいことだと思った。
どんなものでも、背景や理論がわかれば魅力的になる。サッカーも自分なりに論理的に解釈できれば、魅力をより感じられるだろう。そういう見方ができる指導者やサポーターが増えれば、日本のサッカーももっと楽しくなるだろうなと期待させてくれる本だった。 -
Posted by ブクログ
元鹿島アントラーズ、ファジアーノ岡山、そして数学免許取得の岩政大樹氏の連載をまとめた本。
サッカー本大賞2018、「大賞」と「読者賞」を頂いた歩運だそうで、ど田舎で育った著者が劣等感をもちながら、論理的思考を持ち合わせつつ、サッカー選手として登りつめていく岩政氏の人生そのものや、人生観がわかる良い本であった。
内容は、1.サッカーと言葉、2.勝敗の分かれ目、3.判断と創造力、4.戦略と対応、5.技術と心構え、6.成長の仕方、7.持つべき思考 の7章に分かれているがそれぞれが密接にかかわっているのですべてが絡んでいると思う。
岩政氏の考えがすべて正しいとは思わないが実直そのものであるということが書籍から伝わってくる本であった。 -
Posted by ブクログ
現役でサッカーを続けている岩政大樹選手による、サッカーをピッチからの視点で解釈し、語ったコラム集である。
どうも元はネットでの連載だったようだが、そちらに大幅な加筆を加えて書籍化した本書は、各章ごとにテーマを設け、それぞれの話題について詳述した大変興味深い一冊である。
例えば、考察1の「「崩された失点ではない」に潜む選手の心理」などは試合後の選手のコメントについてメスを入れたものであるが、サッカー界で使われている単語や考え方にメスを入れるコラムが本当に多かった。
また、自身の鹿島での、タイでの、岡山での経験を踏まえた意見にせよ、あるいはサッカー選手としての視点で見たピッチ上での現象(考察15では16-17シーズンのCLのハイライトだろうバルサ×PSGの大逆転劇に触れている)にせよ、選手ならではの意見が多く見られたのも特徴的である。
総じて、大変興味深いコラム集であった。岩政さんのロジカルな思考は、読者のサッカーへの視点を一段高く引き上げてくれるような教導の巧みさがある。
文句なしに星五つで評価したい。サッカーファンならばぜひにとお勧めしたい一冊である。 -
Posted by ブクログ
ピッチレベル、フットボールインテリジェンスに続けて拝読したが、3冊目ともなると、岩政さんのスタンスの一貫性がインストールされてくる。
「相手を見てサッカーをする」「原則を共有した上で、判断、技術と切り分けて語る」といったことは、これまでにも耳にタコができるくらい、刷り込んで頂いた感がある。
これらは、ある種、基本とも言えることだろうが、サッカーの現場では意外と語られていないため、岩政さんのサッカー界への貢献は大きい。(監督、コーチは全員読んでほしい。読んでなくてもいいから、知っていてほしいし、現場で、プレーヤーにシェアしてあげてほしい。でないと、サッカーにおける教育格差にすらなりそう)
今回、登場しているゲストたちもとても有益なことを共有してくれてる。鎌田さんの絶妙なポジショニング、内田さんのスペース作り、柴崎さんの遠近把握と相手を見た最適な一手など。
原則が9つ出てきたが、自分が自然とやっていたけど、言語化までしてなかったものもあれば、曖昧だったものもある。
例えば、ゾーンでマークの受け渡しをしていたから、FWの斜めのランに背後のやつが付いていくという原則にはやりきれていなかった。守備の5人目も、シフトさせていたが、追いついてなかったり。相手のボランチに誰が行くのかも決めてはおらず、甘かった。
けっこう地味に衝撃だったのは、今思えば基本のような、「相手を自分に引きつけてから、パスを出す」というのが慌ててしまっていたりで不十分だったなと。それをスペインでは7歳で教えられているなんて。。
この本の1番のメッセージは、原則を共有すること。
そして、判断は選手に委ね、練習でその判断を磨く機会を多く持つこと。それが、選手にとっても、チームにとっても、資産になっていく。
サッカーチームにとって本質的に重要なことって、会社経営に通ずるから、サッカー好きはもちろん、ビジネスマンにとっても読み甲斐のある本になっていると思う。
以下、個人的な見返しメモ↓
・「バリエーション」ができると、相手の動きに対して、次の展開を設計できる。逆をつける強さになる。
・「中途半端」は「徹底」に分が悪く、「徹底」は「バリエーション」に分が悪い。
◎現象がなぜ起きたのか?原則?判断?能力?
・日本において、サッカーの原則について語られることが少な過ぎる。
・ロストフの14秒で気になったのは、どういう判断をしたか、どういう能力の差があったかではなく、そもそも「サッカーの原則」が頭にあったかどうか。
◎数的不利の状況で3人で守るとき、ペナルティエリア5m前まで下がる。(ミドルシュートと裏のスペースをケアできるため)【原則1】
◎相手の背中側で対応できる後ろの選手がマークする。(ラインブレイクを狙うFWの斜めラン)【原則2】
◎判断について指導してしまうとそのチームが成長しない。躍動感がなくなる。
・スペインでは2対1で引きつけて出すというのは7歳で学ぶ
◎各エリアで数的優位を作る。引きつけて出すのを繰り返せば、全体が崩れていく。
・「自分で考える」。そのために教えない。あるいは真逆のアプローチ、全てを教える。どちらかに振り切れてしまっている指導者は多い。
◎指導者が与えるものは原則。選手に考えさせるところは判断。
◎ボールを受ける前に、ゴールと結んだ線上にディフェンダーが立とうとするならば、そこから外れる。(ベクトルがズレ、逆をつきやすくなる)【原則3】
◎『攻』から『守』を早くするためには、相手の横にいない。(カウンタースペースを与えるリスク)【原則4】
◎横幅68mは4人では守れない(どのエリアを5にしようとしているのかを見る)【原則5】
◎低い位置の守備の5人目が誰かを決める(中盤なら逆サイドを捨てる)【原則6】
◎高い位置の守備は、ボランチに誰がいくのか決める(あらゆる選択肢が生まれる場所をつぶす)【原則7】
◎ボールを受ける時に、角度をつける。(真っ直ぐ寄るとプレスを受けやすい。スペースを失う)【原則8】
◎近くと遠くに選択肢を持つ【原則9】
・ブンデスではバックパスがプレッシャーのスイッチになる。
・鎌田「わりとこの辺が空いてるな」というのが頭の中にある。「このフォーメーションでこのタイミングだから、ここが空く」というのはある。
◎裏へ抜けると、ボランチが付いてくるか、ディフェンスが付くか、曖昧になる。足が速くないなら、ここで勝つ。
◎相手のボランチとかディフェンスが「なんか嫌だな」と思うポジション取りをする
・いい位置にいれば、相手がどんなに良い選手でも戦い方はいろいろある。
・同じ方向を向くには理念。アントラーズは「すべてはかつために」。ファジアーノでは「子どもたちに夢を」。
◎名詞ベースの「パスサッカー」「ポゼッションサッカー」「カウンターサッカー」などのような具体的なものは必要ない。選手たちの頭を固定させてしまう。
・自分が出したいプレーを開示する。それを仲間も理解する。
・「やり直す」はいけなかったから止めるというネガティブな印象を含む。既存の言葉を疑いながら伝える努力をする。
・5レーンの原理は、相手の間に立つことが原点にある。ボールをもらうとき、相手とズレることだけを考える。
・マーカーから少しズレていれば、出しては最後にも
出せるし、ケアすれば、縦方向にパスを出せる。
◎多くの人が安易に言葉を選び過ぎている。特に「いい〇〇」はマジックワード。「いいサッカー」「いいシュート」「いい距離感」「いい崩し」「いいパス」「いいポジション」。
◎内田「ボールを持ったとき、基本的には、味方も含めて全員邪魔。適当でもいいから動き出してほしい。」
まずは裏。下げさせる。不用意に味方に近づいてほしくない。
◎柴崎「練習ではいろんなことをめちゃくちゃ意識しないとダメ。試合は自分を解放する場所。」「決め打ちすることはない。相手に反応する。」
◎選択肢はつねに1つだが、それがどんどん変わっていく。あえて言うなら、「遠いところと近いところ」に選択肢
を作っておく。
◎指導者が伝えるべきは、判断に必要な「判断基準」
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Posted by ブクログ
こんな先輩やコーチがいたら、自分の成長が加速されてたんだろうなと思わされる。
思考がサッカー選手の多くとは異なるタイプであることがこの本の良さだと思うし、内容にも、ポジション取りに拘り、「自分だからこそ」を大切にしてるとあるだけにその通りだなと。
サッカーで具体的に実践できることも多々盛り込まれているが、誰にでも転用可能な重要なメッセージとしては、
・よく言われる言葉の解像度を高めてみる
(例: 崩された失点、ラインが高い、自分たちのサッカー)
・日常の習慣や隙が大切なところに出る
・選択肢を複数持って、相手を見て、判断する
・経験で差はつかず、経験の解釈が差になる
・頂上が明確でなければ判断基準を持つ
(「〇〇だからこそできること」を選ぶ)
このあたり。特に、「崩された失点ではない(運が悪かった)」意識は、成長を止めてしまう。その注意喚起の価値は大きい。本にも書いてあるように、岩政さんが元々、プロになれるなんて思ってなかったとのことで、身体は大きかったとはいえ、真似ることが可能なマインドセットの部分が大きいように思えるだけに、サッカーだけでなく、人間として成長したいと思ってる人にも推せる良書。
以下、個人的読み返し用メモ↓
◎そもそも「崩された失点」がどれくらいあるかに疑問。事故のような形の失点がはるかに多く、「崩された失点」は実は少ない。
・隙を与えてくれないなら、常識を逆手に取ればチャンスはある。
・ほんの少しの隙が事故を起こす。
・ラインが高い(低い)と一概に言い切ることに違和感。状況によって判断が変わる。
・身体能力のない選手は受動的では負ける。判断を先回りする。
・90分の中で1人の選手がボールを持つ時間はたったの3分程度。
・デュエルは、ヨーイドンで始まるわけではない。スタート場所もタイミングも自分で決めれる。
・ボールが来る前にポールポジション(優位)をとり、適切な判断をする。
・「自分たちのサッカー」はマジックワード。守秘義務は守れる。勝つという目的のための手段であるが、自分たちのサッカーをする為のプレーになってしまうことがある。
・流れで勝敗が決まるわけではない。ラインが高く、ボールをキープし、相手を押し込むことがてきているときは、肝に銘じる。
◎ほんのちょっとの日常の隙が勝負を分ける。勝負の神様は日常に在る。
◎相手に一度主導権を渡しながら、徐々に勝ち筋を見つけていくスタイル。自分たちの良い時のスタイルに固執しない潔さがあった。
◎「自分たちのスタイル」と呼べるものに、「表」と「裏」を用意しておくことが大切。
・多様性を持たせておくと、理想的な展開にならないときでも、慌てることなく勝ち筋を見つけることができる。
・勝負強くあるためには、戦い方にプライドを持つことより、勝つことこそがプライドであることが大事。
・そことき体が反応するのは、自分が取り組んできた日常。いつも可能性を信じてこぼれ球に詰め続ける習慣を身につける。
・自分が試合に出ることをチームメイトたちが納得しなくてはいけない。それを示すのは練習。
◎レベルの高い選手は頭の中をアニメのように回し続けているのに対し、低い人は漫画のように捉えてしまっている。「スピードが違う」とはこのこと。
◎「サッカーを知っている」とは「相手を知っている」と置き換えれる。味方に限らず、相手の動きや心理までも。つまり、相手が嫌がることができる。
◎判断(複数の選択肢)を持って選択されたプレーなら、どんなプレーも間違いにはならない。
・相反するように見えるものが処方箋になる。「攻撃のために守備を」「メンタルのためにフィジカルを」「サッカーのために勉強を」という感覚が適切。
・予兆がない方が奇跡は起こりやすい。情熱の中に、冷静が同居しているとき。
・「大柄で経験豊富な選手に体を当ててはいけない」。ブレないし、位置を感じ取らせるだけで、逆にプレーしやすくさせてしまう。
・ゴール前はシュートを打つだけの時間と空間を作ればいい。それは、フィジカルに頼らずとも、わかっていても止められない動きを想像することからも作れる。
・ゴール前の一瞬に妥協を許さない。
・シュート相手に対して、キーパーとビジョンを共有する。不運で片付けないような役割分担をする。
・攻撃は思い切りよく、守備は緻密に。
・「危険察知能力」とは「いつも危険に備える能力」。いつも愚直さを試されている。
・少ないタッチでシュートを打つ意識。キックフェイントは相手を見て判断を変えているだけ。ストライカーは一番ゴールの確率が高い判断をまず選択し、その上で相手を見てプレーを変えている。
・大怪我の回避は、危ないと思った瞬間に踏ん張らずに力を抜くこと。
・怪我は怪我をした箇所に問題があるのではなく、本当の問題は違うところにある。
・「選ばれない」という経験も1つの経験。
・何を経験するかではなく、その経験をどのように生かすかが大切。
・「崩された失点ではない」を不運と受け流すこともできる。
◎同じ経験をしたとしても、そこから何を考えるかによって、その後の選手像は大きく変わる。「経験したもの」では差は生まれない。経験をあらゆる角度から考えてみることが大切。
◎頂上が明確でなければ、方位磁針(自分なりの判断基準)が必要。
①「〇〇だからこそできること」を選ぶ。(自分。今。ある出来事が起こった。)
②「めんどくさいこと」を選ぶ。
③「人のためになること」を選ぶ。
⇨行動に移すときのスタート地点には注意。例えば、叱るとき、自分の感情をぶつけたくなってないか。
・変わるとすれば、「変える」のではなく、彼らが「変わる」。自分の姿勢は崩さず、そこにフォロワーが1人でもいると、全体に伝わる可能性が高まる。 -
Posted by ブクログ
意外と、サッカーのシステムについての全体像を上手くまとめられた本って見かけないから、本書を出版した岩政さんのサッカー界への貢献は大きいと思う。
全員がシステムを理解できているのが理想ではあるけど、現実は程遠いため、せめて、チームに1人で良いから、チームメイトを集めて話せる人がいると、サッカーのレベルが1ランク上がるように思う。監督、コーチは当然知ってて欲しい。
システムは共通言語として、分かり易さのための概念と捉えておいて、実際の運用はシステムから考えるよりも、結局のところ、以下のような思考が大切になるなぁと。
・全選手の個性を把握し、チームとして最大化する
・目的を共有する(どこを捨て、どこを取るのか)
・攻守のバランスを見て可変する柔軟性を持つ
勝利を目指した経営においては「組織は戦略に従う」が正しいが、現実的に、多くのチームにとっては、「戦略(システム)は“構成員”に従う」しか選択肢がない。特にこのシステム論の本質は、今いるメンバーの特徴を最大効率でチーム力に換えることをいかに上手くやるかが腕の見せ所となる。
その為には、監督の「こんなサッカーがしたい!このシステムに拘りたい!」という欲望は不合理を生むため、「このメンバーを活かして勝つためには、どんなサッカーが良いだろうか?どんなシステムが適切だろうか?」と考える必要があり、それはシステムの全体像、基本を理解していないと適用できない。
個人的にはやはり、安定性、柔軟性を考慮すると、4-2-3-1が好きだし、自分も現役の時はお世話になったシステム。これに、前線のプレスで相手のシステムに応じて可変(4-4-2 or 4-3-3)させるのと、「5人目の原則」でボランチorセンターバックシフトを決め事とすれば、基本対応としては良さそう。
システムに限らず、セットプレーにも言及されてて、特にコーナーキックに関しては、背中を押してくれてありがとうな感じ。マンツーマンって何気に捕まえきるの難しかったり、人員配置が相手主導で気持ち悪かったけど、岩政さん自身がゾーンで主体的にやりたいと仰っていたのがとても良い。そこは価値観やリスク許容度の話。
以下、個人的な見返し用メモ書き↓
・システムは4つの基本形で捉える
①4バック、2ボランチ
⇨攻守のバランスが良く、柔軟性がある
②4バック、1ボランチ
⇨ピッチを広くカバー
③3バック、2ボランチ
⇨スペースを効率良く埋める
④3バック、1ボランチ
⇨全然の厚みでアグレッシブに
・システムはあくまでも初期配置でしかない。ある瞬間を切り取ったもの。
・日本は育成年代を含めてシステムの特性が浸透していない
◎現代では、攻守で可変システムとして運用することが珍しくない
◎攻守の切り替えで起きる瞬間的な問題はプロレベルでしか問題にならない。アマチュアではそこをつくほどの精度はなく、それほど問題にならない。
・敵陣の深いところをアタッキングサード、真ん中をミドルサード、自陣の深いところをディフェンシブサードといい、自陣から順にZONE1、ZONE2、ZONE3と呼ぶ。
・守備はチームの決まりごとで整理され、個人判断は、ボール奪取の局面のみ
・ZONE3ではマンツーマンで人を潰し、ZONE2ではゾーンで構える。ZONE1、特にペナルティエリア内では人を捕まえ、クロスはゾーンで構える。
◎4-4-2
⇨選手間距離が均等でバランスが良い。コンパクトにできる。チャレンジ&カバーを徹底。組織で守りやすい。ハイプレスをかけると、ボランチとセンターバックが空きやすい。2トップの脇に起点を作られがち。サイドハーフの走力がカギ。相手ボランチから展開させないために、ボランチ1枚を出し、FW1人をプレスバックさせる。2トップ脇はボランチが出て、他のMFでスライド。
ZONE1では4人では守りきれない横幅を「5人目の原則」をどう行うかが課題。(育成年代ではこれを定めてないチームが多い)
サイドバックを引き出されたとき、センターバックとの距離が空く。センターバックはゴール前を安易に飛び出せない。しかし、チームとしての決め事が必要。
①ボランチが空いたスペースに入る
②サイドハーフが空いたスペースに下がる
③センターバックがスライドしてボランチが下がる
④ディフェンススライド、逆サイドハーフが下がる
⑤サイドバックは出ず、サイドハーフくいさがる
両サイドハーフが高い位置のプレッシングに行く場合は、最終ラインをカバーする役割は期待できない。
①か③のボランチが妥当。ボランチが前に出る時も同様に下がれない。ZONE間の守備のつながりを考えないと間に合わない。戦術の欠陥。ベースをどこに置き、何を捨てるのか明確に共有する。
堅守速攻に向くシステム。
ビルドアップを取り入れるなら、攻撃時には、ボランチ1枚を上げ、FW1枚を下げて、4-1-4-1の可変システムとすれば、斜めのパスを繋ぎやすくなる。
・4-3-3
⇨斜めの角度を作りやすく、ビルドアップに向いている、攻撃的なチームに好まれることが多いシステム。
ウイングの仕掛け力が不足していると、その選手を高い位置に固定するメリットが薄くなり、使う意味のないシステム。中盤で奪ったとき、3トップがショートカウンターを仕掛けやすい。相手サイドバックを低い位置に留める効果もある。前線と横幅をどう守るか?逆サイドのウイングが大外を捨てて、相手センターバックへのプレスに加勢する。中盤両サイドに空くスペースのため、中盤の運動量が求められる。
ZONE3ではハイプレス機会をうかがいつつも、ZONE2に運ばれたら、ウイングを下げて4-1-4-1に変形して構えることが多い。全体をコンパクトにし、隙間を縮めて対応する。
ZONE2の守備を破綻させないため、ボールサイドのウイングが下がって中盤に入り、4-4-2に近い体系を取る。
ウイングは外切りプレスで中へ誘導して、相手ボランチに襲いかかる。
・3-4-3
⇨後方のビルドアップのため。2トップに対して1枚空く。かみ合う場合は、ウイングバックへ。形が固定されるため、相手のプレスに捕まりやすい。攻撃での「3人目の動き」は有効。人の顔が変わらなければ、相手も慣れてくる。流動性に欠ける。守備はウイングバックを含めれば、思い切ってチャレンジしやすい。あえて浮かせる相手を決めるのもアリ。5-4-1になると安定するが、カウンターにエネルギーを要するため、ボールが収まるトップ、走力のあるMFを揃えたい。
・3-1-4-2
⇨攻守のアクションを能動的に。ウイングバックのクロスに5人が飛び込める。インサイドハーフの個性や役割により、システムのメリットが変化する。(相手中央を崩すシャドーや、下がって、ビルドアップサポートやカウンターのリスクマネジメントなど)
センターバックが3枚いるため、カウンターは遅らせ、中盤の戻りで対応は可能。
相手の4-2-3-1など、中央4人を捕まえるメリットは大きい。ポゼッションを重視するチームなら特に有効。ワンボランチの脇は急所だが、前線からの厚いプレスのメリットを重視した積極的な考え。ハイプレスが前提にあるシステム。スピードに自信がある3バックでの対応が理想で5バック化を避ける。ウイングバックでアシンメトリーな対応で負担を軽減することも有効。
・ゲームの流動性にはシステムではなくタスクで対応する。判断基準を整理し、目的を共有して動く。
・4バックは流動性が高い。3バックはタスクが限定される。
◎4-2-3-1が多く採用されるのは、バランスの良さ。相手がどんなシステムでも、ベースとなる守備をそれほど変えずに対応できる。相手が4バックなら、FWとセカンドトップが横関係気味になれば、かみあってプレスに行ける。相手が3バックなら、縦関係で、FWと両サイドハーフの3枚でプレスをかけ、相手ボランチをセカンドトップで抑える。
サイドハーフはドリブラーでも、パサーでも、クロッサーでもOK。個性を当てはめて、誰も漏らすことなくチーム作り可能。
4-4-2にも、4-3-3にも変化できる。
◎システムのかみ合わせは、球際が強いチームに対してはずらす戦い方で、足元でつなぐ組織的なチームにはかみ合わせて球際で飲み込みに行く。
・かみ合わせても、ゴールキーパーがビルドアップに参戦するとかみ合わない。
◎あえて浮かせる守備として、下手なほうのセンターバックに持たせたり、ボールの奪いどころとする。トップ下、ボランチ、センターバックが縦方向に連動してプレスのスイッチを入れる。
・最後、守り切る際は、FWやサイドハーフなど、プレッシングの中心的な選手をフレッシュな選手に交代する。ZONE1で5バックで構えるのも有効。
・フリーキックは浅いならゾーン対応にする(マンツーマンはラインが乱れる)。キッカー2枚なら、壁も2枚でショートに対応する。
・低いラインなら、ヘディングできる選手が何人いるか?高いラインなら、背後への飛び出しにケアできる選手がいふのか、ゴールキーパーの守備範囲は広いか?
・2019年のルール改正で、壁から1mは離れることに。
◎コーナーキックはゾーンとマンツーマンの併用。
1-4-3-2は基本対応。
ニア1、ゴールエリア4枚がゾーン、その前に3枚が相手をブロック、さらに前にこぼれ球に2人。
ニアはコーナーキック後すぐにオフサイドラインを意識して前へ。
・コーナーキックはマンツーマンで守るチームが多く、アマチュアは特にそう。
◎マンツーマンでは相手に動かされてしまう。カウンターの人員やこぼれ球対応を考え、主体的に試合を進めるなら、ゾーンを選ぶ。 -
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本書で紹介されていたプリンシパルを一言で表するなら「原則をチームで共有した上で個別判断に任せる」ということになる。
これはサッカーに限らず、仕事も同じ。もちろん、私生活も同様だ。個人的には自分の家族には「7つの習慣」を必ず読んでもらうことにしている。何か悩みを相談されると、コヴィー氏の原則である「7つの習慣」ではどのように考えると良いと説いているだろう?と一緒に読み解き、考えることにしている。
本書に話を戻そう。岩政さんは原則をチームに浸透させることが日頃のチーム練習の目的であり、その手段として理想的な連携プレーを切り出して反復練習し、本番で無意識でできるようになることを目指すという。
その結果として、そのチームらしさが宿るんだろうなぁ。そこまでサッカーを理解できると観戦の楽しさの深みに手が届くんだろうなぁ。体験してみたい。 -
サッカー守備解剖図鑑
- カート
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試し読み
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サッカー守備解剖図鑑
- カート
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試し読み