石塚由紀夫のレビュー一覧
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資生堂が働き方改革、特に子育て世代の女性を中心としたものの取り組みを紹介したもの。
女性活躍のことを本気で考えたいのであれば、ぜひ一度読んでもらうと良い本だと思いました。特に子育て支援制度だけでは女性活躍とはいえないということを痛感しました。
読むと考えさせられる部分が少なからず出てくるのではないかと思います。
女性活躍の施策というと、子育て支援制度になることが多いが、これはあくまでも女性が働き続けることができるのであって、社員のロイヤリティー(忠誠心)とエンゲージメント(帰属意識)を高めることもあるが、限定的である。ここに、やる気とモチベーションを高める施策が加わって、初めて女性活躍の舞台 -
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ネタバレ少し前の状況ですが、今でもまさにこんな感じの会社や組織は多そう。なぜ、女性活躍推進なのか、ダイバーシティって何、みたいな人におすすめ。
コロナで非正規雇用の女性は煽りを食らい、女性の自殺者の比率も上がってしまい、女性活躍推進は後退しているのが現実です。2018年刊のこの本の中にも、書かれていますが、形だけの女性活躍推進は意味がない。将来的に人手不足が予想され、その解消に女性活躍が必要で、企業のために役に立つ働き手になってほしいのだとしたら、そのように育てる環境やシステムを工夫しなければならない、という内容には、深く共感しました。
第6章で紹介している、ダイキン工業の女性活躍推進に関する取り組み -
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「正社員の女性の7割が、自分を”負け組”だと思っている」というデータがあるほど、実感が伴っていない日本の女性活躍推進。その原因と対策について、様々な状況の40人の女性たちの本音を取材し、対策を提言する1冊。
「資生堂インパクト」を書いた日経新聞の編集委員石塚由紀夫氏の2冊目の著書です。女性活躍を取材テーマとしている著者による当事者たちへの丹念な取材によるルポタージュです。
「女性活躍推進法」のもとでの軋轢、"外れている"と感じる専業主婦や非正規雇用の女性、、、立場や状況によって課題が一人一人異なることは、”ママ”として生活していれば日々経験したり、見聞することですが、非 -
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製造部も在宅勤務などと聞き、気になっていた「味の素」。改革の過程もきちんと記載してあり参考になった。ペーパーレス、フリーアドレスのよい面がわかった。
●残業を減らす、できるはずない壁をつきやぶるには、早い段階で労働実態を正確に把握すること。全員に行い、営業の削減すべきは移動と会議ということがわかった。
→移動の工夫、書類処理の簡易化、ネット会議システムの導入、サテライトオフィスの開設·活用
●残業が減らないのは、残りたいという気持ちがあるから→終業時間を16:30とした。夕方使える時間が増えた。
●フリーアドレス、テレワークが進まないのは、ペーパーレスにならないから。紙にすると、てにを -
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資生堂が、それまで早番勤務が基本であった美容部員(ビューティコンサルタント、BC)に対して、遅番や休日シフトにも入るように要請したことは、賛否両論を呼び、資生堂ショックとも呼ばれた。
本書は、そのあたりの経緯、および、広く資生堂の女性活躍推進策について触れた本。
冒頭の美容部員に対する会社の要請が、批判的な意見を呼んだのは、子育て中の女性に冷たいのではないか、とか、それまで女性活躍先進企業と言われた資生堂が、考え方を変えたのでは、といったものであった。
実情は、少し異なるようだ。
資生堂は、BCに対して、遅番や休日シフトに入ることを強制はしていない。一人一人の実情を、全て上司が面談で確認を -
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女性活躍に対して常にトップランナーとして国内を牽引する資生堂の意識&組織改革の流れを学ぶ。
社内で「女性リーダーシップ研修」なるものに参加したもののなぜ女性だけ…という思いは最後まで拭いきれず、経営陣は「これまで女性には適切な挑戦をさせてあげられずにいた反省があったから」などというもののやはりどこか腑に落ちない。
けれど資生堂のBCをめぐる働き方に大鉈を振るった際の
・不公平感平準化
・キャリアを諦めさせない
・組織(経営陣)も変わらなければ
といった労使双方の並々ならぬ覚悟を読むにつれほんのり涙が滲む瞬間も多々あり。
一方を立てれば他方が歪むという一筋縄ではいかない世界でそんな資生堂でもまだ