日本経済研究センターのレビュー一覧
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ネタバレ2050年カーボンニュートラル実現に向けた脱炭素シナリオとそのシナリオが実現した場合の社会や産業への影響を定量的かつ分かりやすく論じている。
本テーマについて断片的かつ漠とした理解しかなかったが、脱炭素に向けて、世界そして日本が過去どのような議論をしてきて現状があるか、そして日本の実態が整理されており大変勉強になった。
炭素税を導入することで経済成長を毀損するという経済界からの意見があるが、経済成長の足かせにはならない。特定業界の視点ではなく、国家単位で考える必要あり。またそもそも、外部不経済を考慮に入れた議論が必要。
メモ
・日本の脱炭素の実現には、DXとCCSとCarbon Pricing(CP)が不可欠。
CCSとくの組み合わせで1.2万円/t-CO2の炭素税でCNが可能。
・CPには炭素税と排出権取引があり。世界共通の指標を作ることが理想的。
・産業連関表にて特定業界への影響が全業界にどのように派生しているかを試算
・外部不経済を見越した供給曲線を描くことで、将来の社会的損失を抑えることができるという考え方(需給曲線での図解) -
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2020/12/22デジタル資本主義 岩田一政 ☆☆☆
「2060年までのデジタル国家戦略本」
バイブル 永久保存 時々読み返すと良い 体系整理
デジタル化を技術・商品・企業・産業から
社会体制=国家・世界へ適用を拡張している面白さ見識に脱帽
それをDataで試算している点が見事
「無形資産経済」経営管理が難しい
0.3つの変化
①デジタル化-無形資産とビジネスモデル、集中の問題
②長寿 社会保障負担 現役の貧困化
③地球温暖化 環境税=税制のグリーン化
1.DATA資本主義の時代
2060年①デジタル化②人口減・超高齢化③トランプ主義
「DATA」-他社DATA-顧客実像-システムと経営-ビジネスの構想
無形資産投資 ビジネスモデルへ投資 モノ+デジタル化
ex自動運転クルマ1台=家庭5軒をカバー クルマ台数は2割へ!
2.無形資産投資の時代 知識や情報が価値を生む
人材+デザイン力 日本は不得手 画一的な中央集権体制
時価総額世界ランク IT企業が上位独占
無形資産戦略 ①情報②革新③競争力 →生産性引上げ
労働の二極化 高スキル人材の比率を高める
Data活用の仕組みづくり Dataバンク 医療予防アプリ
3.日本の低迷 人口減少 生産性の低迷
GDPは5位 1人当りは21位
無形資産投資により生産性向上を戦略的に実現
4.産業構造の変化・潮流
準デジタル産業の隆盛 ①情報通信②出版映像③金融④専門サービス
←ソフトウェア情報化投資 研究開発 人材教育 組織変革
デジタル輸出の強化拡大
日本は製造業重視 特に自動車産業Δ6割のショック
5.超長寿社会の設計
シニアの労働力活用 「長く働く」→制度設計
雇用制度・学習制度
年金制度
6.財政問題 医療介護費50兆円→100兆円へ
増加する50兆円の負担をどこに求めるか 税・保険
政府債務の見通し
7.CO2問題 「パリ協定」
8.自国第一主義 トランプ主義 ⇔グローバル化への反発
AIのインパクト ①電子移民②サービス自動化③ホワイトカラー自動化
9.無形資産経済 社会問題・社会改革
ファイナンスの変革 「融資(デッド)」→「エクイティファイナンス」.
プラットフォームが世界の富を独占 格差の問題 -
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ネタバレ「戦前・戦時期の金融市場」「日本経済のマクロ分析」と過去の経緯を知ったうえで、金融政策として何をしてきたのか?を総合的に補完する為に本書を読みました。
結果、金本位制から脱却した「信用」に基づいた現代貨幣のなかで、中央銀行が答えのない中で様々な手を打ってきたことが歴史とマクロ観点でまとめられた良書。
下手なwebメディアで中途半端に歪められた情報をあさるくらいなら、本書を読んだ方がいいでしょう。
興味深かったのが、日銀がETF・REITや長期債券まで買ってることで、出口戦略でほぼ確定している損失をどのように補填するのか?ってとこですね。ここらへんは法制度含め明確な会計の仕方や対応方法が決まっていないことから、政府機関が大きく財政出動できない足枷になってるように感じました。ランダルレイのMMT現代貨幣理論入門では議論展開しきれていない領域が、多分にある感じでしたね。
本書の問題提起として「すでに出口戦略に舵を切ったFRB,もうじき出口戦略を始めるECB、で、日銀は?」だったのですが、コロナショックでFRBは無制限QE級な対応してしまってるので、現状を加味した新版を期待したい。
あと、自然利子率とシャドーレートの話は面白かった。
まぁ債券や中央銀行のオペレーションは相変わらず3割ぐらい理解できてませんがꉂꉂ(ˊᗜˋ*) -
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マイナス金利政策を導入した当時の様々なエコノミストによる、同政策と当時から現在まで行われてる量的質的金融緩和に対する評価が主に著されています。リフレ派以外のエコノミストの意見は金融緩和を否定している人が多かったのですが、その他の誤謬を自分の分かる範囲で、以下に記しました。
河野龍太郎:この人に至っては、疑問点が多すぎて書ききれません。若田部さんが討 論でも言っているように完全雇用にあるならば、アベノミクスは成功で しょう。それに、この人は現在では少子化で人手不足のため若い正規社 員が雇えず、雇用が増えたのは高齢者や女性の非正規雇用が増えただけ と言っていますが、それで完全雇用になっているというのは余りにも無 理が過ぎないかと思います。
山口泰 :消費増税を行った後、CPIが2.8%上昇したことをインフレ目標達 成だと言っています。 -
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各国が導入していたが、日銀は導入しないと言われていた、非伝統的金融政策である「マイナス金利政策」
本書では、その導入の意図と背景、その効果について、様々な経済学の識者が持論を展開する。導入のための背景・現状分析が誤っているのではないかという意見や、現状の金融政策の延長であるという意見や、今後ヘリコプターマネーである、いや、今後導入すべきだという意見がいろいろとあった。
自分は経済学を修めた訳ではないので、斜め読みの感が強いが、それでも対談などを通じて、思っていたほどの効果がない現実は感じることができた。
個人的には、46ページ、1938年 全米経済学会長だったアルヴィン・ハンセンが、「元祖長期停滞論」がフロンティの欠如、イノベーションがない、人口減少によって、長期停滞は不可避であるという論考が面白かった。現実には、第二次世界大戦により、財政支出と財政需要が生み出されるという歴史があるのですが。
以下に章ごとの目次を載せたい。
1 マイナス金利政策について
2 自然利子率を低下させるマイナス金利政策―金融政策の「サプライズ」にも大きな弊害
3 対論 マイナス金利政策(河野龍太郎vs若田部昌澄)
4 量的・質的緩和政策:若干の基礎的考察
5 金融政策とデフレーション
6 アベノミクスとマイナス金利政策
7 非伝統的金融政策に限界はあるか、マイナス金利を中心として
8 討論 マイナス金利下で市場はどう動く?
9 実験的金融政策の評価と課題
10 変容する量的・質的金融緩和
11 混乱からの出口はあるか
12 マイナス金利付き量的・質的金融緩和と日本経済 -
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2019年出版の書籍であるが、在宅勤務の未来などを的確に予測している。日本は何を目指して行けばよいのか。
コロナ禍前にも関わらず、世界はデジタル化が浸透し、場所と時間に制約されず、出勤して働くという行為も減っていくという未来を予測している。
私自身、コロナ以前はそんな未来が訪れるのは遠い先の事と思っていた。
そういう意味で人間とは、どこまで行っても現状維持バイアスがかかるものだと改めて感じてしまう。
変わりたくないという人が多数いる一方で、時間の流れは益々速くなり、変化が急激になっていくのは不思議な感覚である。
いずれにしても我々に残された時間は少ない。
本書では、ネガティブ・ポジティブのシナリオが用意されているが、答えは明白だ。
現状のままでは確実にネガティブシナリオに陥るだけだ。
急いで改革を行わなければ間に合わない。
国民全員が不幸になっていって、足の引っ張り合いをしていくことになるだけだ。
少子高齢化と人口減少は待った無しであるが、その中でも経済を伸ばしていかないと日本の未来はないのだ。
一人当たりが豊かになれば、年寄り国家であってもそれなりに生きていける。
そういう未来の日本をどうやってデザインしていくのか。
そのデザインをどうやって形にして実行していくか。
私自身も50代となり、現役世代の中でも上の方であるが、だからこそ我々が先陣を切って改革せねばいけない。
守りに入って、負の遺産を若い世代に残してはいけないのだ。
年寄りも若者も、一人当たりの豊かさを求めるのであれば、その方法はデジタル化しかありえない。
労働の効率を極限まで高めて、生産性を上げるという発想だ。
本書で記載されていた「情報銀行」は一つのアイディアと言える。
個人情報が莫大な価値を生むのは明白であるが、その情報が現在はGAFA含めた海外企業に独占されてしまっている。
やはりここは日本国内に留めておきたいところだ。
欧州のGDPRのように「ルールで守る」という考え方もあるが、やはりせっかく価値を生むものは積極的に活用した方がいい。
これを日本の中で抱え込んだ方がいいということなのだ。
コロナ禍もあって、ようやくマイナンバーやデジタル庁などが進み始めた。
本来は一気に加速したいところであるが、目指す方向性が本当に合っているのか、そこは慎重になっているのかもしれない。
様々な識者が集まって喧々諤々の議論をしてのデジタル庁なので、なんとか頑張ってほしいと思っている。
若者にとって未来に希望を持てる国にしたい。
綺麗事であるが、私は本当にそう思っている。
自身で出来ることがあれば、少しでも役立つことをやりたいと思う。
もし「情報銀行」がうまく行き、情報産業が活性化すれば、その未来では労働分配率が大きく下がっていく話になる。
現在の日本はまだまだ製造業メインだから、労働分配率は高め。
ここが大きく下がっていくという話なのだ。
労働分配率が下がれば、格差が生まれる。
これについても社会保障や税制で何とかする。
話の展開を聞くと多少無理を感じる部分もあるかもしれないが、結局何か一撃を放てば全てが解決するという必殺技は無いのだ。
「出来ることは全部やる」という姿勢が大切だろう。
本書で示す通り「2060年に我々はどうなっていたいのか?」と考えるところからが原点ではないか。
最初に未来の世界感を考えて、そこに向けて何か対策を講じていくのがセオリーだ。
余りにも未来を考えず、短期的かつ単視観的に対処してきたから、今こんな日本になってしまった。
(少子化などはいい例だと思う)
長期ビジョンは夢のような話かもしれないが、むしろ夢を見ないといけない。
「夢がなければ先の未来はない」
まさにそう感じるのだ。
(2022/10/27) -
Posted by ブクログ
アメリカは、量的緩和を利子に換算した影の利子率によると、2014年からすでに引き締めだった。
期待インフレ率が2%で長期金利を0%にできるのは、実質均衡利子率(自然利子率)が―2%の場合だけ。
スイスは1%でもデフレを防げると考えていたが、その後十分でなかったことがわかった。1%のインフレ目標は常にデフレ圧力にさらされることになる。
日本はフィリップス曲線の傾きが小さい=失業率と物価賃金の相関性が低い。バブル時代も物価は安定していた。
日銀は、銀行が保有する株をマクロプルーデンス政策のために購入した経験がある。現在のように巨額のETFを買うことを宣言しているのは異例。
長期国債の買い入れは、YCCによって、ステルステーパリングが可能だった。ETFは出口がない。
今はTOPIX連動型のほうが多い。
株式全体に対しては日銀保有は3%程度。しかし浮動株に占める割合は70%以上になる株もある。
JREATは、都市部の地価上昇の原因になっている可能性がある。
日銀の買い入れは、後場の価格維持になっている。
物価上昇率が安定的に2%になった場合、実質金利を高めに誘導する必要がある。
金融正常化の過程で、日銀は債務超過になる可能性がある。新興国の実績では、中央銀行の債務超過は高インフレを引き起こす。チェコ、イスラエル、チリでは、緊縮財政が組まれたため大きな問題が起きなかった。
日銀相手に信用リスクは心配しないから、債務超過でも問題ないとする説もある。
日銀と政府を合わせた統合政府でみると、政府が日銀に国債金利を払い、それを納付金で還元している。
自然利子率は潜在成長率に一致する。潜在成長率は労働人口に影響されるから自然利子率は上がらないのではないか。とすると日銀は実質金利を上げなくてもいいが、物価は上昇しないのではないか。円安による輸入物価、原油の上昇以外の要因はなにか。
人口減少は、負の資本希釈化効果により、自然利子率を低下させる。労働者一人当たりの資本量が増加するので、追加資本による利益は減る=負の資本希釈化効果。
20250609再読ーーーーーーーーーーーーーーーー
ストックビュー=ストック効果が働き、より少ない買い入れで同じ金利水準を実現できる。
カナダは、1935年から1975年まで国債の直接引き受けをおこなったが、ハイパーインフレにはつながらなかった。
オイルショック後にインフレ率が10%を上回り、国債を放出して引き締めた。
女性や高齢者の労働供給によって、賃金上昇が抑えられた。その結果インフレにならなかった。
バブル期も物価上昇率は安定していた。フィリップス曲線の勾配が緩い。
家賃は本来下落するもの(経年劣化によって)。アメリカではヘドニック法で調整している。
日本の公共料金は上がりにくい。大学授業料も上がらない。
オンラインショップのほうが価格競争が激しい。
日銀のETF購入によって、株価の価格発見機能が低下、浮動株の減少で流動性が低下、企業のガバナンスの低下、日銀の財務健全性のリスク、などがある。
YCCへの転換によって、日銀は長期戦に出た。
当座預金の付利で金融機関の収益を確保し、金融仲介機能を守る狙いがある。
中央銀行が債務超過に陥ると、解消のために多額の通貨発行益が必要になり、高率ないんふれが必要になる。バランスシートの棄損は中央銀行の独立性の危機になる。
シニョレッジは、マネタリーシニョレッジ、機会費用シニョレッジ(利息によるもの)、インフレ税シニョレッジがあり、どれも同じ金額になる。
中央銀行の一時的な債務超過は破綻には直結しない。
人口減少は自然利子率の低下につながる。負の資本希釈化効果。