【感想・ネタバレ】2060デジタル資本主義のレビュー

あらすじ

富の基盤が物的資産から無形資産へ変化した21世紀。世界のトップ企業の多くはGAFAをはじめとする非製造業です。ここでの無形資産とは「情報・技術+データを活かす力」であり、米国・スウェーデンでは既に無形資産投資が有形資産投資を上回っています。その一方で中国はデジタル障壁が高く、海外からの無形資産投資が妨げられ長期的に不利な状況となります。この無形資産投資が各国の明暗を分けることになるのです。
このまま無為無策では、日本の経済規模はドイツにも抜かれ、世界3位から米中印独に次いで5位を争う位置に転落してしまいます。成長率は恒常的にマイナスに陥り、国の経済が縮小を続ける事態です。さらに、貿易戦争で世界経済が大戦前のようにブロック化すれば、世界恐慌という悪夢のシナリオも現実味を帯びます。本書は、生産性向上に向けたデジタル化対応を加速する日本経済改革シナリオを提示します。
★改革シナリオ現在進行中の第4次産業革命に対応し、世界でデジタル化を加速させるための無形資産投資が進む。成長率を0.2~ 0.4 ポイント押し上げる効果があり、人口減の日本も0.3 ポイント押し上げられ、プラス成長を維持することが可能になる。
本書では、この改革シナリオを実現するための、プライバシー保護に配慮しつつも、自由なデータ流通を促す仕組み・制度づくりを提言。デジタル化が産業構造に及ぼす影響(脱製造業化、サービスの電子化、デジタル貿易の拡大)、CO2削減効果なども明らかにします。

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Posted by ブクログ

2020/12/22デジタル資本主義 岩田一政 ☆☆☆
「2060年までのデジタル国家戦略本」
バイブル 永久保存 時々読み返すと良い 体系整理
デジタル化を技術・商品・企業・産業から
社会体制=国家・世界へ適用を拡張している面白さ見識に脱帽
それをDataで試算している点が見事
「無形資産経済」経営管理が難しい
0.3つの変化
①デジタル化-無形資産とビジネスモデル、集中の問題
②長寿 社会保障負担 現役の貧困化
③地球温暖化 環境税=税制のグリーン化
1.DATA資本主義の時代
2060年①デジタル化②人口減・超高齢化③トランプ主義
「DATA」-他社DATA-顧客実像-システムと経営-ビジネスの構想
無形資産投資 ビジネスモデルへ投資 モノ+デジタル化
 ex自動運転クルマ1台=家庭5軒をカバー クルマ台数は2割へ!
2.無形資産投資の時代 知識や情報が価値を生む
人材+デザイン力 日本は不得手 画一的な中央集権体制
時価総額世界ランク IT企業が上位独占
無形資産戦略 ①情報②革新③競争力 →生産性引上げ
労働の二極化 高スキル人材の比率を高める
Data活用の仕組みづくり Dataバンク 医療予防アプリ
3.日本の低迷 人口減少 生産性の低迷
GDPは5位 1人当りは21位
無形資産投資により生産性向上を戦略的に実現
4.産業構造の変化・潮流
準デジタル産業の隆盛 ①情報通信②出版映像③金融④専門サービス
←ソフトウェア情報化投資 研究開発 人材教育 組織変革
デジタル輸出の強化拡大
日本は製造業重視 特に自動車産業Δ6割のショック
5.超長寿社会の設計
シニアの労働力活用 「長く働く」→制度設計 
雇用制度・学習制度
年金制度
6.財政問題 医療介護費50兆円→100兆円へ
増加する50兆円の負担をどこに求めるか 税・保険
政府債務の見通し
7.CO2問題 「パリ協定」
8.自国第一主義 トランプ主義 ⇔グローバル化への反発
AIのインパクト ①電子移民②サービス自動化③ホワイトカラー自動化
9.無形資産経済 社会問題・社会改革
ファイナンスの変革 「融資(デッド)」→「エクイティファイナンス」.
プラットフォームが世界の富を独占 格差の問題

0
2020年12月22日

Posted by ブクログ

2019年出版の書籍であるが、在宅勤務の未来などを的確に予測している。日本は何を目指して行けばよいのか。
コロナ禍前にも関わらず、世界はデジタル化が浸透し、場所と時間に制約されず、出勤して働くという行為も減っていくという未来を予測している。
私自身、コロナ以前はそんな未来が訪れるのは遠い先の事と思っていた。
そういう意味で人間とは、どこまで行っても現状維持バイアスがかかるものだと改めて感じてしまう。
変わりたくないという人が多数いる一方で、時間の流れは益々速くなり、変化が急激になっていくのは不思議な感覚である。
いずれにしても我々に残された時間は少ない。
本書では、ネガティブ・ポジティブのシナリオが用意されているが、答えは明白だ。
現状のままでは確実にネガティブシナリオに陥るだけだ。
急いで改革を行わなければ間に合わない。
国民全員が不幸になっていって、足の引っ張り合いをしていくことになるだけだ。
少子高齢化と人口減少は待った無しであるが、その中でも経済を伸ばしていかないと日本の未来はないのだ。
一人当たりが豊かになれば、年寄り国家であってもそれなりに生きていける。
そういう未来の日本をどうやってデザインしていくのか。
そのデザインをどうやって形にして実行していくか。
私自身も50代となり、現役世代の中でも上の方であるが、だからこそ我々が先陣を切って改革せねばいけない。
守りに入って、負の遺産を若い世代に残してはいけないのだ。
年寄りも若者も、一人当たりの豊かさを求めるのであれば、その方法はデジタル化しかありえない。
労働の効率を極限まで高めて、生産性を上げるという発想だ。
本書で記載されていた「情報銀行」は一つのアイディアと言える。
個人情報が莫大な価値を生むのは明白であるが、その情報が現在はGAFA含めた海外企業に独占されてしまっている。
やはりここは日本国内に留めておきたいところだ。
欧州のGDPRのように「ルールで守る」という考え方もあるが、やはりせっかく価値を生むものは積極的に活用した方がいい。
これを日本の中で抱え込んだ方がいいということなのだ。
コロナ禍もあって、ようやくマイナンバーやデジタル庁などが進み始めた。
本来は一気に加速したいところであるが、目指す方向性が本当に合っているのか、そこは慎重になっているのかもしれない。
様々な識者が集まって喧々諤々の議論をしてのデジタル庁なので、なんとか頑張ってほしいと思っている。
若者にとって未来に希望を持てる国にしたい。
綺麗事であるが、私は本当にそう思っている。
自身で出来ることがあれば、少しでも役立つことをやりたいと思う。
もし「情報銀行」がうまく行き、情報産業が活性化すれば、その未来では労働分配率が大きく下がっていく話になる。
現在の日本はまだまだ製造業メインだから、労働分配率は高め。
ここが大きく下がっていくという話なのだ。
労働分配率が下がれば、格差が生まれる。
これについても社会保障や税制で何とかする。
話の展開を聞くと多少無理を感じる部分もあるかもしれないが、結局何か一撃を放てば全てが解決するという必殺技は無いのだ。
「出来ることは全部やる」という姿勢が大切だろう。
本書で示す通り「2060年に我々はどうなっていたいのか?」と考えるところからが原点ではないか。
最初に未来の世界感を考えて、そこに向けて何か対策を講じていくのがセオリーだ。
余りにも未来を考えず、短期的かつ単視観的に対処してきたから、今こんな日本になってしまった。
(少子化などはいい例だと思う)
長期ビジョンは夢のような話かもしれないが、むしろ夢を見ないといけない。
「夢がなければ先の未来はない」
まさにそう感じるのだ。
(2022/10/27)

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2022年11月13日

Posted by ブクログ

2060年、今から四十年後のありようが書かれている。うん、納得できるが、イマイチ私では理解不能(笑) いかに将来を見据えた経営戦略が出来るか、技術より仕組みを、仕組みよりデータを、データがパワーかな。 40年後の社会情勢と政治をみすえた企業経営を。

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2020年08月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

デジタルレーニン主義、レーニンが聞いたらなんていうだろう。言いえて妙。
さて情報の個人への帰属とその売渡による情報銀行化が肝、というのだが。うーん。なんかそうなりそうに見えないところがなかなか。
貧乏になったら、ベーシックインカムに加えてデータ売渡を契約してお金もらって、ほとんどバーチャルで生きて、データ生成するものになるのかなあ。
でも私こう思う、が今ないのも事実。

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2020年08月13日

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