岡真理のレビュー一覧
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マンガ「ミステリと言う勿れ」の中で
整くんが言ってました。
“真実は人の数だけあるんですよ。でも事実はひとつです。”って。
わたしはこの本を読んでその言葉を強く思った。
ニュースで流れるその国の出来事を額面通り受け取り
事実だと認識していたけど、
もしかして違ってたのかも。
歪められた真実のうちの一つだったのかも、と思うと
ちまたで流れる報道や、うわさの類いまで、
いったいそれをどこまで信じていいんだろう?と憤ってしまう。
知識のないわたしにとって
ガザとは、パレスチナとは、イスラエルとは?
そしてそれよりもっと昔に起きた歴史の中の事実まで、いろいろ知ることができたのは良かった。
ここで -
Posted by ブクログ
パレスチナ問題によって、過酷な生活を強いられているガザの人々の様子が詳細に書かれている。
日本では当たり前に享有できる人権。占領という暴力によって、パレスチナ人はその権利が剥奪されている。
平和とは?正義とは?パレスチナ問題をとおして著者は我々に考え続けることを要求している。加えて、知らないことの罪深さ、そして無知によって(知らないうちに)加害者側に加担している可能性を指摘している。
パレスチナ問題の初心者向けの本ではないと思った。歴史事実の解説が本文にはほとんどないため、ある程度基礎知識を得た上で読む必要がありそう。だが、読み終わった時には理解がものすごく深まる気がする。多くの人に読んでも -
Posted by ブクログ
・国境と国境の間にどこでもない場所が存在し、そこに難民キャンプがあることもある
・イスラエルの占領は国際法違反
・イスラエルとパレスチナは圧倒的な力の差がある(これまでの日本の報道から互角なんだと思ってた)
・占領下で生きるとはどういうことなのか(イスラム教では自殺は罪だけどそれでも自爆することを選ぶのは未来への希望がないから)、難民として差別される(大学を出てもパレスチナ人は専門職につけない国がある)など、
具体的にどんな苦難があるのかよくわかった。
途中で難しい話が入ってきたり、時系列がバラバラだったりして分かりにくい箇所もあった。パレスチナのことを全く知らなかったので知れてよかった。で -
Posted by ブクログ
刊行された2018年に「人間の想像を絶すると思われたあの攻撃」として書かれている規模と、2024年現在のガザの惨状では想像もつかないほど深刻になっているとわかっているから、読んでいてとても苦しい
2018年の私はパレスチナの状況を全く知らなかった、「イスラム、テロ、アルカイダ」と同列のように感じる文字の並びだった
ハマスのキブツ奇襲作戦が私にパレスチナの存在を知らしめた 岡真理さんの著書に出会った
「ガザとは何か」は中東の歴史に無知な私にも伝わる丁寧であり、緊張感のある説明だったから、その後にこの作品を読めたので理解しやすかった
この作品が難しくて脱落された方は、ぜひ岡真理さんの「ガザとは -
Posted by ブクログ
イスラエルとパレスチナの関係を、この本によって初めて知った。
ホロコーストで家族や先祖を失ったユダヤ人たちが、先住民であるパレスチナ人を迫害し虐殺し、生きている人たちにも地獄の苦しみを与え続けている。絶望に満ち満ちた世界で、人間性を否定された日々の中で、人間であり続けるために冗談を言って、笑い合う。今この瞬間もそんな人たちが存在していることに気づかされた。反開発、構造的暴力、文化的暴力。どうしてそこまで残酷になれるのだろう。「今日を生き延びることが、明日、あるいは数年後に空爆で殺されるためでしかないような、そんな生活」これからは、パレスチナのニュースにアンテナを立てておこうと思う。 -
Posted by ブクログ
パレスチナ問題に造詣が深い(と思われる)、文学者であり思想家でもある岡真理氏による、23年末時点でのパレスチナの現状に関する講演内容をまとめた本。
イスラエルに関して詳しく書かれている本を読んだので、パレスチナのことももっと詳しく知りたくて手に取った。しかし、ガザの実情についてもっと体系的に情報整理して欲しかったのが正直な感想だ。この点、23年10月7日からの一連の事態を受けて、情報を素早く発信することに重きを置いた本であり、「緊急講義」と銘打たれていることを深く考えなかった私の責任だと思う。。
例えば、人口動態について、23年時点でガザ全人口の4割が14歳以下ということの背景が気になった -
Posted by ブクログ
本書はパレスチナ側から書いた書物だ。祖国解放のために戦ったと。ただそれは、長い目で見るとイスラエルも同じことだ。そもそもガザはユダヤ人の土地だと言っているのだから。
イスラエルがしていることを肯定するわけではないが、あまりにもパレスチナ側の主張のため、それはそれで本当にそうなの?って疑ってしまう
ハマース主導によるガザの戦士たちによる今回の越境奇襲攻撃というものが、そこに国際法上の戦争犯罪があったことを否定するものではないですが、イスラエルが喧伝しているような、血に飢えたテロリストによる残忍な民間人を狙った殺などではない、もっと別の姿として見えてくると思います。と筆者は書く。だが、国際法上の