岡真理のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ホロコースト、戦争、震災・・・<出来事>の他者と共有化は、様々なメディア(小説、映画、ルポ)を通じて常に「リアリティ」が重視された物語として「表象」されようとする。しかし、その「リアリティ」や「リアリズム」への傾斜によって表象される<出来事>の物語が、作り手の目論見通り「リアリティのある物語」として受容されるたびに、それは逆説的にも<出来事>の忘却へと繋がり、<出来事>の表象不可能性を露わにしてしまうというパラドックス。表象とはある出来事の側面を「可視化」をもたらすと同時に、別の側面の不可視化をもたらし忘却させ、総体としての出来事を見えなくしてしまう極めて暴力的な行為なのだ。
しかし、それでも -
Posted by ブクログ
なんでイランへの攻撃にイスラエルが参加したんだろう?なんとなくアラブとの確執があるからだよねとめちゃめちゃ軽い認識でいたがそんな確執とか軽い話ではなかった。
知らないことの罪を説いてくる本。
大量殺戮することだけではなく文化も破壊するということがジェノサイド。
凄惨さに読みながら自然と背筋を正して読み切ってしまった。ガザという監獄というか狩場というか、そう、地獄。地獄の中で生きるパレスチナの人たちのことを知ることから始めないといけない。
そして福音派が力を持つアメリカである以上この状況を止める事はものすごく難しいように思う。
すごく読みやすく理解の深まるみんな読んだ方が良い本。
手塚治虫 -
Posted by ブクログ
ネタバレパレスチナ周辺で現在起きている事柄を知る手助けとなる1冊。
ニュースなどで見てはいたものの、内容をよくわかっていなかったため、購入。
非常にわかりやすく説明していてためになる。
そもそもパレスチナやイスラエル、などは頭の中で「中東」ひとくくりで違いを説明することすらできなかったので、対立しているのかそうでないのかすら知らなかった。
この問題の大きな契機となったのはホロコースト以後発生したユダヤ系難民の受け入れ先の解決案だった。国際連合により決定されたのは、パレスチナという国の中に、ユダヤ系の国家を建設するというもの。これは国際憲章に違反しているとの声が上がったが、なぜかその案が違憲のまま通 -
Posted by ブクログ
パレスチナ問題の歴史がわかりやすく解説されており、この1冊で大まかな流れが理解できる。
ガザの視点で語られる本書は現地の惨状をつぶさに伝え、痛烈にイスラエルを批判している。著者の岡氏は「中立の立場でさえジェノサイドに加担している」と、かなり左翼に偏った発言を展開しており、最初は忌避感を抱いた。
しかし、これまでメディアで報道されたパレスチナ問題はハマス政権がイスラム過激派集団のように伝えられており、私自身も本書を読む前はそのような認識だった。つまり、イスラエル側の視点で伝えられるものが多かった。ともすれば、岡氏の過激な解説を聞くことはパレスチナ問題を考えるにはある意味フェアなのかもしれない。 -
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Posted by ブクログ
パレスチナ問題によって、過酷な生活を強いられているガザの人々の様子が詳細に書かれている。
日本では当たり前に享有できる人権。占領という暴力によって、パレスチナ人はその権利が剥奪されている。
平和とは?正義とは?パレスチナ問題をとおして著者は我々に考え続けることを要求している。加えて、知らないことの罪深さ、そして無知によって(知らないうちに)加害者側に加担している可能性を指摘している。
パレスチナ問題の初心者向けの本ではないと思った。歴史事実の解説が本文にはほとんどないため、ある程度基礎知識を得た上で読む必要がありそう。だが、読み終わった時には理解がものすごく深まる気がする。多くの人に読んでも -
Posted by ブクログ
・国境と国境の間にどこでもない場所が存在し、そこに難民キャンプがあることもある
・イスラエルの占領は国際法違反
・イスラエルとパレスチナは圧倒的な力の差がある(これまでの日本の報道から互角なんだと思ってた)
・占領下で生きるとはどういうことなのか(イスラム教では自殺は罪だけどそれでも自爆することを選ぶのは未来への希望がないから)、難民として差別される(大学を出てもパレスチナ人は専門職につけない国がある)など、
具体的にどんな苦難があるのかよくわかった。
途中で難しい話が入ってきたり、時系列がバラバラだったりして分かりにくい箇所もあった。パレスチナのことを全く知らなかったので知れてよかった。で -
Posted by ブクログ
刊行された2018年に「人間の想像を絶すると思われたあの攻撃」として書かれている規模と、2024年現在のガザの惨状では想像もつかないほど深刻になっているとわかっているから、読んでいてとても苦しい
2018年の私はパレスチナの状況を全く知らなかった、「イスラム、テロ、アルカイダ」と同列のように感じる文字の並びだった
ハマスのキブツ奇襲作戦が私にパレスチナの存在を知らしめた 岡真理さんの著書に出会った
「ガザとは何か」は中東の歴史に無知な私にも伝わる丁寧であり、緊張感のある説明だったから、その後にこの作品を読めたので理解しやすかった
この作品が難しくて脱落された方は、ぜひ岡真理さんの「ガザとは -
Posted by ブクログ
イスラエルとパレスチナの関係を、この本によって初めて知った。
ホロコーストで家族や先祖を失ったユダヤ人たちが、先住民であるパレスチナ人を迫害し虐殺し、生きている人たちにも地獄の苦しみを与え続けている。絶望に満ち満ちた世界で、人間性を否定された日々の中で、人間であり続けるために冗談を言って、笑い合う。今この瞬間もそんな人たちが存在していることに気づかされた。反開発、構造的暴力、文化的暴力。どうしてそこまで残酷になれるのだろう。「今日を生き延びることが、明日、あるいは数年後に空爆で殺されるためでしかないような、そんな生活」これからは、パレスチナのニュースにアンテナを立てておこうと思う。 -
Posted by ブクログ
岡 真理はアラブ文学研究者だが,ポストコロニアル・フェミニズムという,現代思想の流行のテーマを扱っているため,『現代思想』などにも寄稿していて,いくつか文章を読んだことはあったが,著作を読むのは初めて。
彼女の文章は少し不思議なところがある。もちろん,テーマ的にも難解な箇所があるのに,さらっと読めるのだ。まあ,それは小冊子で書き下ろしという,このシリーズものだからこそかもしれませんが,女性的なのかもしれません(などとフェミニストに対して書くのはどうかとも思いますが)。
本書の中心にはパレスチナ問題がある。はっきりいって私は戦後60年続いているこの問題について知るようになったのは,研究を始めて少