岡真理のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
一度読みかけて知らない単語が多すぎて断念したが、『ガザとは何か』を読んだ後、最初からすらすらと読めてしまった。
一気にとてつもない量の絶望と希望を受け取ってしまい、パンクしそう…
滔々と、パレスチナの人々の終わらない悲しみとわずかな希望を伝えられた。とても伝わった。
こんな状態の国で、祖国を取り戻すために希望を持って生きられる人の強さはとてつもないなと思ってしまう。
日本はやはり大国であり、パレスチナは距離もあるため、意識せずとも生きていけてしまうと思う。ただ、やはりこの問題を皆が理解し、いろんな立場から声をあげる人が増えることはまだまだ可能なのではないかと思った。
自分も誤解していた部分が多 -
Posted by ブクログ
怒りと困惑と悔しさで脳がバグりそう。これは読み切るのにかなりのエネルギーを要した。自分みたいな軟弱者には、途中でライトな本を挟まないと到底読み切ることができなかった。
ここに書かれていることは、パレスチナ人が国を追放されて以来受けてきた受難の歴史と現実である。(レバノン、ヨルダン川西岸地区、そしてガザ) 文字を追うごとに心が抉られ、セメントについた足跡みたいに深く食い込んだ。
しかしもっと情けないのは、ここまで感情を掻き乱して漸く関心を向けるようになった自分だ。日々のニュースでショックを受けていなかったわけではないけど、ショック以降の進展がなかったから。
3週間前に公開された映画『関心領域 -
Posted by ブクログ
ネタバレYouTubeにて「アラブ、祈りとしての文学」の著者がパレスチナを伝えているーーこの報せが、映像は(感情を揺さぶられすぎるために)見られない私にこの本を手に取らせた。
先日ネットニュース号外で拾い読んだばかりの、イスラエル側が「ハマスの拠点」と主張して攻撃した病院の名が、文章の中に載っていた。この本が書かれた時点では治療が、資源が払底しながらも行われていた場所だ。同名の病院でなければ、ここがいま爆撃され、襲撃され、侵入されている。
しかしその地獄は、パレスチナの人びとが1940年代から、残酷度をこれでもかというほど上塗りにされて受けさせられ続けているものだ。
ひと(いのち)を、想像の天秤におい -
Posted by ブクログ
ネタバレエッセイ、と括っていいのかわからないけれど。感覚的にはエッセイと学術本の間。辛かった、きつかった、それでも読ませる力があってあっという間に読んでしまった。順番は前後するが、『アラブ、祈りとしての文学』を次読もうと思う。
あまりにも知らないことが多すぎて、読めば読むほど、なぜこんなことが起きているのか?なぜこんなことを終わらせることができないのか?なぜ世界は沈黙しているのか?なぜ私は知らなかったのか?なぜ?という悲しみと怒りが溢れてきて、言葉を失う。
1948年、パレスチナに「ユダヤ国家」を掲げるイスラエルが建国された。その過程で、この地に住まっていたイスラーム教徒とキリスト教徒のパレスチナ -
Posted by ブクログ
もちろんガザ地区の事は知っていたし、パレスチナ問題だって関心が無いわけでは無かった。TVで流れる映像を見ていたし、中東の問題を書いた本だって読んでいた。
しかし僕は何も分かっていなかったし、知識としてさらりとなぞっただけで、同じ人間が苦しんでいると受け止めていなかった。
今ガザで生きている人々は最初から難民としてガザで生まれ、そして死んでいきます。将来に何の希望も無く、死ぬ為に殺される為に生きているような毎日。ようやく生活基盤が出来家族も増えてきた頃に、必ずやってくるイスラエルの大規模な軍事行動。それは戦争ですらなく民間人に向けられた一方的な虐殺でしかないのです。
彼らに40年間関わり続けた筆 -
Posted by ブクログ
子どもに「ガザって何?」「ハマスって何?」と聞かれたら恥ずかしいことに答えられる自信がなく本書を手に取りました。
私自身のためにも読んでよかったです。テレビやウェブから一方的に流されるニュースでは知りえない事実が多くありました。そして、それらのニュースを見聞きして得た認識には誤りがあることも分かりました。
多くのメディアで繰り返し使われる「暴力の連鎖」「憎しみの連鎖」という言葉に私もすっかり惑わされて、ニュースを見て胸を痛めることはあっても頭のどこかで他人事だと思ってしまっていたと思います。情けなく、恐ろしいことです。
この本が出版されたのは2年近く前ですが、残念ながら2025年の夏も何