ジェリー・Z・ミュラーのレビュー一覧

  • 測りすぎ――なぜパフォーマンス評価は失敗するのか?
    評価のための計測が結果的に教育のレベルを下げてしまったりといった、計測の悪い部分をかなり明瞭に説明した本。成功した医療の分野の話にも触れていてバランスも取れているが、一貫して計測を悪とみなす観点に貫かれている。
  • 測りすぎ――なぜパフォーマンス評価は失敗するのか?
    組織の目標設定を継続的に考えるにあたり、参考にするため読みました。「計測できないものは制御できない」という思想に偏りがちだったことを自覚できました。定量目標がダメなわけではなく、測定執着がダメ。測定はその対象に影響を及ぼすし、利害関係が生じると歪む。測定自体のコストがそのメリットを上回る。本当に達成...続きを読む
  • 測りすぎ――なぜパフォーマンス評価は失敗するのか?
    表紙の「業績評価が組織をダメにする根本原因を分析」という文句に惹かれて購入.
    データを集め,分析し,カイゼン,というループは今では当たり前の行為なのだが,その行き過ぎに警鐘を鳴らす.
    我が大学も,まさにそうで,学部別の就職率の順位をつけて予算配分したりする.ただそのリストをよく見てみると,みんな進学...続きを読む
  • 測りすぎ――なぜパフォーマンス評価は失敗するのか?
    エビデンス至上主義、計測指標至上主義の弊害をわかりやすくまとめた論考。簡単に短期で測れるものへの歪みや対象者選別などは目に浮かぶ。ただ、この本を頼みに成果計測を忌避するのも違う。問題は「至上主義」や人事評価やインセンティブとの連動にあるということをきちんと読み取る必要がある。NPOにおいて自組織の達...続きを読む
  • 測りすぎ――なぜパフォーマンス評価は失敗するのか?
    なんでもかんでも分析し管理したくなる。完璧を目指すうちに物足りなくなり、少しでも気になったポイントがあれば、あらゆるデータが欲しくなるし、あらゆる側面から管理したくなる。そうしているうちに、データと管理の沼に足を取られ、本質を見失っていく…

    データ分析は繊細な作業なので、没頭してしまうと、いつの間...続きを読む
  • 測りすぎ――なぜパフォーマンス評価は失敗するのか?
    成果主義の名の下に成果の測定を求められることが、営利企業はもとより役所や学校・病院など非営利組織でも一般的になっている。しかし、測定するという行為は組織が本来やるべき業務を妨げ、意図せざる副作用をもたらしてしまうことがある。例えば、医師の成績を手術の成功率で測ると、難病の患者は手術してもらえなくなり...続きを読む
  • 測りすぎ――なぜパフォーマンス評価は失敗するのか?
    世界中の経営者、管理者の必読本にすべき名著。「測れるものは改竄できる」といった原理原則が、昨今の不祥事につながっていることをもっと危惧すべきだ。
  • 測りすぎ――なぜパフォーマンス評価は失敗するのか?
    本書で取り上げられている国は、米国や英国などの欧米諸国中心ですが、様々な実績評価が企業だけでなく病院や学校、軍隊など幅広い領域に拡大し、それがある種の機能不全や弊害をもたらしている、という指摘になります。なかでも一番わかりやすい指摘は、実績評価(計測)に費やされる時間とコストがばかにならず、肝心の本...続きを読む
  • 資本主義の思想史―市場をめぐる近代ヨーロッパ300年の知の系譜
    資本主義の思想史
     はじめに

     第1章 歴史的背景 権利、正義、徳

     第2章 ヴォルテール 「高貴な出自の商人」
      知識人の興隆
      交換と寛容についての政治的議論
      知的な投機
      奢侈の擁護
      貪欲とユダヤ人 啓蒙の限界

     第3章 アダム・スミス 道徳哲学と経済学
      スミスの生涯と...続きを読む
  • 測りすぎ――なぜパフォーマンス評価は失敗するのか?
    論文形式で、主張が明確。

    数値データを絶対視し、それを用いる事で組織に説明責任を果たす事、更に、そこから能力給や評判、ランキングを得る事を信念とする「測定執着」思想の危うさについて、指摘する。

    まず、測定行為自体に限界がある。例えば、簡単に測定できるものしか対象としない。また、数字を良くするため...続きを読む
  • 測りすぎ――なぜパフォーマンス評価は失敗するのか?


    測りすぎの背景にある大きな要因は以下の2つのように思います。

    ・透明性/客観性の問題
    ・統制性(コントロールの欲望)の問題

    透明性/客観性の問題は本書でも論じられていますが(pp.162-167),コントロールの欲望については十分に論じられていません。

    そして,実はこの「コントロー...続きを読む
  • 測りすぎ――なぜパフォーマンス評価は失敗するのか?
    事例はそこまでおもしろいと感じませんでしたが、結論としているものには心当たりのある項目が山ほどあり、大いなる共感を覚えています。日本の生産性の低さの一端を説明している感じがしました。
  • 測りすぎ――なぜパフォーマンス評価は失敗するのか?
    ■測定執着というパワーワード
    この本は、世の中のあらゆる組織にはびこる実績評価のための「数値測定」がもたらす弊害について、実例を用いて詳細に分析、解説された本です。
    組織を管理する有能マネージャー(自称)は、部下の売り上げ数、部下が出した不具合の数、部下の残業時間、部下の技能熟練度を数値化したスキル...続きを読む
  • 測りすぎ――なぜパフォーマンス評価は失敗するのか?
    KPIの設定について議論すると、経営者の経営センスや部門運営者の運営センスが如実に表れるが、本書はその言語化が難しい「センスの善し悪し」を具体的事例を多数研究して「数値目標」という切り口から見事にあぶり出している。
    みんな一様に可視化、見える化、KPIと叫ぶが、現場感覚なくダッシュボードを眺めたり、...続きを読む
  • 測りすぎ――なぜパフォーマンス評価は失敗するのか?

    給料によるモチベーション

    測定に力を入れすぎる、見かけ上の目標達成を目指してしまうと、本質を見失い、損失がうまれるという内容。
    ビジネス以外の事例が豊富。

    測定可能な数値による外的動機付け(給料)は、内的動機付け(仕事内容からくるモチベーション)を損なわせる。そして、特に学校、病院といった非営利組織において、組織とし...続きを読む
  • 測りすぎ――なぜパフォーマンス評価は失敗するのか?
    証拠ベースの政策決定。アカウンタビリティ(説明責任)。PDCAサイクル。それらのためにはまずは測定することが第一歩。ということで何でもかんでもまずは数値化という昨今。本書は、測る仕事ばかりが無意味に増えて頭にきた大学教授が専門外の文献を読んでまとめた論文の形になっている。測ること自体が問題だと批判し...続きを読む
  • 測りすぎ――なぜパフォーマンス評価は失敗するのか?
    測定が生み出す様々な弊害がまとめられた本。仕事などで定量的評価をする際の害がわかって良い反面、どうすれば良いかという対策に関して考えるには不十分な内容。さりとて定量的評価を今更捨てられはしないし…みたいな。
  • 測りすぎ――なぜパフォーマンス評価は失敗するのか?
    データをもとに国の政策や企業経営、従業員の報酬体系がが決められていくというのは、当然のことだし、科学的で良いことと思われている。しかし筆者は、測定に執着しすぎることには多くの悪い側面があるという。本書では、「測りすぎた結果かえって悪くなった」例がいくつか紹介されているが、ここではアメリカの学校の事例...続きを読む
  • 測りすぎ――なぜパフォーマンス評価は失敗するのか?
    良かった。簡潔に様々な事例が散りばめられていて、読みやすくわかりやすい。そして嬉しくないことだが、非常に共感することが多い。測ることの信頼性、妥当性、測ったものの使われ方について、もっと我々は体系立てて理解し、常識として共有しないといけない。官僚主義が進むことによる疎外の問題、と考えれば社会学者や社...続きを読む
  • 測りすぎ――なぜパフォーマンス評価は失敗するのか?
    徹底して可視化や透明性など、昨今の大学に求められる測定主義の落とし穴について批判的に論じている。本書を書くきっかけも、著者が大学の執行部にいる時にアクレディテーションに疑義を感じたことであるとのこと。色々考えさせられた。