ジェリー・Z・ミュラーのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
パフォーマンスや品質を改善するには、データを集めて分析し、何が問題なのかを特定する必要がある。でも、測定結果を報酬や懲罰に関連付けて人々に改善を促そうとしたら、とても良くない事が起こるよ、という話。
幅広い業界の多くの事例が紹介されていて、興味深い。
で、失敗事例には共通点があって、
・評価対象の数字はただ測定しやすいだけで、本当に価値がある対象ではないかも知れない
・人々が測定対象の数字ばかりに注力し、数字に現れない価値に力を入れなくなる
・数字と報酬や懲罰が紐づくと、虚偽報告や改竄が行われやすくなり、実態を表さなくなる
みたいな感じ。
反対に、上手くいく事例も紹介されていて、
・現場の -
-
-
-
-
Posted by ブクログ
パフォーマンス評価の「あるある」集といったところで、読んで納得というか溜飲が下がる思いをする人は少なくないだろう。ただ著者も認めるように測定自体は有益というか多くの場合は必要不可欠ですらあり、ほとんどのケースは程度問題ということになって白黒割り切れるものではない。
本書では測定基準の副作用について数多くの例が挙げられているが、そのほとんどは測定基準をもとにしてインセンティブを与えたがために、対象となる人々の行動・動機や測定そのものを歪めてしまった例である。そういった意味でアメリカ的。
あと透明性が政治や外交交渉にとって妨げになるよね、なんてことも書いてあるが、近年の米国政治の二極分化なんか -
-
-
Posted by ブクログ
測定には良いところもあるが、負の側面もある。この負の側面を無視して数値指標を作り続けるような状態を「測定執着」と読んでいる。
様々な分野において、測定が成功した例と「測定執着」と思われる上手くいっていない実例を示した本。
数値化して管理する事により、数値化されなかったものが放っておかれる、数値をあげるために本末転倒な行動が起きてしまう、かけたコストに対して効果がない、などの例が満載。
結論のパートでは、測定すべきか否か、測定した項目をどう使うべきか自問するためのチェックリストを提案している。
数値目標の設定と達成を、仕事の「目的」ではなく「手段」として行いたい方々にお勧め。