二宮磬のレビュー一覧
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ネタバレとっても面白かった。舞台は『推定無罪』の20年後。もちろん、主人公はラスティ・サビッチ。前作では、不倫の末不倫相手を殺害した容疑で起訴されてしまった検察官だ。
そして、今作では、妻であるバーバラが突然死んでしまったことから、それがラスティによる殺人容疑として再び起訴されることとなってしまう。
今作は、視点がラスティや、ラスティを起訴することに決めた前作でも登場したモルト検事、ラスティの息子であるナットなど様々に描かれており楽しめた。
また、物語もスピーディーで、読み進めるにつれてラスティが今回は本当に殺してしまったのだろうか、や、懲りずにまた不倫をしているラスティだから、その不倫相手がバー -
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ネタバレとっても面白かった。舞台は『推定無罪』の20年後。もちろん、主人公はラスティ・サビッチ。前作では、不倫の末不倫相手を殺害した容疑で起訴されてしまった検察官だ。
そして、今作では、妻であるバーバラが突然死んでしまったことから、それがラスティによる殺人容疑として再び起訴されることとなってしまう。
今作は、視点がラスティや、ラスティを起訴することに決めた前作でも登場したモルト検事、ラスティの息子であるナットなど様々に描かれており楽しめた。
また、物語もスピーディーで、読み進めるにつれてラスティが今回は本当に殺してしまったのだろうか、や、懲りずにまた不倫をしているラスティだから、その不倫相手がバー -
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さて、訴追されたラスティはスターンの助けを得ながら、後輩検事であるトミー・モルトの追求を受けていくことになる。読者としては、ラスティがバーバラを殺していないことを完全には確信できないまま、それでも違うよね、信じていいよねという息子ナットの思いに大いに寄り添いつつスリリングな法廷戦術の記述に、本を置くことは不可能というものだ。
終局、モルトの決断と、ラスティの口から語られる真実に感銘を受けざるを得ない展開となって読者としての私はかなり浅はかだったことを知る羽目となった。
こんな感じだろ?とわかったような気になる人は最後まで大いに楽しみにしていいだろうと思う。
さて、本書の中で、とても良いなと -
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推定無罪の続きである。かの主人公ラスティ・サビッチは60歳。それにもかかわらず、また過ちを犯したという書評を読んで久々に読んでみるかと。
私にとって、サビッチの顔は、映画「推定無罪」で演じたハリソン・フォード。サビッチの表情や、不倫中の映像は頭の中でハリソン・フォードが常に思い浮かぶ。また妻は当然ボニー・ベデニアだし、敏腕弁護士のサンディ・スターンはラウル・ジュリアが思い浮かぶ。ラウルが54歳で急死していたとは先ほど知ってちょっと悲しい。
さて、今回の話は、妻バーバラの死から始まる。サビッチが24時間も妻の傍でどこにも連絡せずに過ごし、息子のナットに促されるまで警察に連絡しなかったことから -
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あの傑作リーガル・サスペンス『推定無罪』の20年後を描いた続編である。全体が二部構成になっており、現在と十八ヶ月前から描かれる過去が複数の登場人物の視点で描かれ、少しずつ現在と過去がオーバーラップする面白い構成になっている。
60歳になったラスティ・サビッチが再び不倫をし、今度は変死した妻バーバラ殺害の容疑をかけられる…と、簡単にあらすじを書くと前作の焼き直しのように思えるのだが、今回の物語はさらに複雑である。事件にはサビッチの息子のナットが絡み、おまけにバーバラ殺害だけでなく、前作の女性検事補キャロリン殺害容疑まで蒸し返される事になるのだ。
前作で不倫の恐ろしさを味わったはずのサビッチは -
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エルロイ、LA4部作の2作目にあたる作品の上巻
LA市警と検事局によるハリウッドに広がった共産主義の赤狩りを目的とした大陪審がメインとなり、エルロイお得意のマフィア、市警、保安官事務所、検事局、ハリウッド、共産主義者たちの謀略戦が始まります
今回の主人公は3人
LA市警、元風紀課で第2次世界大戦の兵役経験もあるマルコム・コンシディーン、出世と離婚問題を優位に進めたい為、今回の大陪審の捜査チームに参加
次がバズ・ミークス、映画王と名高いハリウッドの重鎮にして、世界の富の半分を持つ男と呼ばれるハワード・ヒューズのポン引き
ヒューズの警備主任をやる前は市警の汚職警官、金の為に赤狩りを目的とした大陪審 -
Posted by ブクログ
集積回路におけるムーアの法則を思わせるのが、フィクションにおける残酷描写の暴走ぶりです。
特に映画はVFXの飛躍的な進歩によって、ショッキングシーンの歯止めが無くなった感があります。
そんなフィクションに親しんでいる我々ですから、今さらいくら暗黒シリーズと言っても、20年以上前の小説に過度の刺激はないだろう、と思ったんですが、なんの。
後半の盛り上がりぶりは、人間性の奈落に向って、読者の襟首掴んで暴力的に覗かせるような迫力です。
巧いなあ、と感じたのが、鼬の使い方で、その凶暴な生態の描写が非常に巧み暗喩となって小説全体の基調低音となっている。
最終章でのアメリカン・ヒーロー物(というかアン