荷見明子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
面白かった〜
まさかこんなラストだなんて。:゚(;´∩`;)゚:。
そして何より、読みやすいのが嬉しい。
海外ミステリーって、初心者の私にはちょっとハードル高めだったりするの。
でもこれは全く問題なし!
ブク友さん達のレビューから、絶対に読みたかった一冊。
もちろん私はピエール・ルメートル作品初読みです。
63歳の殺し屋マティルドは、体重78kgで厚化粧www
そして、認知症…
その症状に気付いたのは、マティルドに殺しを依頼しているアンリ、70歳。
二人は旧知の仲だ。
マティルドの暴走をなんとか止めようとするが…
作中何度も〝太った高齢女性〟の描写が出てくるが -
Posted by ブクログ
おもしろかった‼︎
主人公と同世代の私…思い当たること続々。
やったこと次々忘れる、前のことが思い出せない、まあいいか、と次へいく。
私の忘れるのは洗濯機に洗剤入れたかな?とか、炊いたご飯冷凍したかな?とか、かわいいものだけど、主人公は殺人の武器を始末したかな?とか、死体を処理したかな?とかなので、恐ろしい!
笑えるし、身震いするほど恐ろしい。さらに別の認知症患者が絡んできて、予測不能、まさに奇想天外な方向へと終盤なだれこむ。
私のような高齢読者には思い当たるところありありだし、若い人は若い人で、えっ?こうなるの?と驚きの連続だと思うし、唯一無二のここにしかないルメートルワールドです‼︎ -
Posted by ブクログ
63歳の現役凄腕の殺し屋マティルドに少しずつ認知症の兆しが見え始める。
覚えていないことが増え、殺しも必要以上に過激になっていく。
彼女に殺しを依頼しているアンリは危機感を抱くのだが、マティルドはかつて抱いていたアンリへの恋心が甦り、暴走は加速してゆく。
最初から最後までマティルドから目が離せない。
残酷すぎる殺しも躊躇わずに成し遂げるのは、やはり凄腕だからなのか…
冷酷さと殺しの技術を兼ね備えた彼女に誰も敵わないのか…
刑事すらものともせず、この暴走を止められる者はいるのか…と。
いた…死を恐れていない人間が、死の意味がわからない人間がいた。
ラストの惨劇は衝撃的であり喜劇ですらあった -
Posted by ブクログ
主人公のマティルドは63歳の未亡人で田舎で犬と悠々自適な生活を送っている。
職業は殺し屋。
若い頃はレジスタンスの美貌の闘士で、当時の司令官アンリから指示を受ける形で殺しを請け負っている。
そんな彼女に認知症の症状が現れ、殺し方が不必要に残虐になったり、ターゲットを勘違いしたり、組織との連絡方法や銃の処理を忘れたりと、任務に支障が出始めた。
マティルドを昔から密かに慕っていたアンリはそんな彼女の異常に気づき手を打とうとする…
歳をとってボケ始めた暗殺者のおばあちゃんというとコミカルな雰囲気だけど、思い込みが激しく感情も制御できず、生来の残虐さをあらわに暴走する凄腕の殺し屋ってところが怖すぎ -
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六十三歳にして現役の凄腕殺し屋マティルド。しかし老いは容赦なく忍び寄り、彼女は自覚しないうちに認知症の症状に侵されていた。少しずついろんなことを忘れ、忘れたことも忘れ、自分の異変に気付かないままに残酷な殺しをやり遂げるマティルド。彼女の行動に危惧を覚えた司令官のアンリは、やがて苦渋の決断をすることになる。スリリングでハードボイルド、さらにブラックなユーモアも魅力的な、これはまさに残酷な喜劇といいえて妙です。
部屋が片付かない。凶器の始末を忘れる。標的を間違える(この間違え方が酷い!)。いろいろやらかしながらも、殺しの腕自体はまったく鈍っていないがゆえに、マティルドの危険さがとんでもないです。彼 -
Posted by ブクログ
★5 認知症の症状が出始めた凄腕の女殺し屋… 純真無垢な彼女の恐ろしい犯罪小説 #邪悪なる大蛇
■あらすじ
63歳の女殺し屋であるマティルドは、かつては冷酷非道の凄腕であったが認知症の症状が出始めていた。昔ながらの上司アンリから指示を受けながら仕事を続けるも、徐々に捜査の手が及び始める。アンリはマティルドを心配するが、肝心の本人はアンリへかつて抱いていた恋心が蘇ってしまい…
■きっと読みたくなるレビュー
人間だれしも元気で健康的な生活を続けたと思ってる。しかしながら時間というのは残酷で平等、着実に老化や寿命はやってくるんです。社会の裏側で生きていた殺し屋が、認知症を患うとどうなってしまうの -
Posted by ブクログ
「僕が死んだあの森」で、筆を折ったと言われていたルメートルが、最後のミステリーとして出版した「邪悪なる大蛇」。ルメートルファンにとっては、涙が出るほどに嬉しいサプライズ!!
「現実の人生では理不尽なことが次々と起こるのに、なぜ小説家は手加減しなければならない?」と言うルメートル。そんな手加減なぞ俺様がするわけがない、とばかりに、この作品はカバーにあるとおり「アタマからラストまで、ひたすら加速する最悪と最速のスパイラル」だ。酸鼻の極みのルメートルミステリーでありながら、彼らしい喜劇性も含まれる。
あー、これで本当にルメートルミステリーとはお別れなのだな。たまらなく寂しい。
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Posted by ブクログ
著者の二作目をずっと待っていた。前作『ハリー・クバート事件』の面白さが忘れられなかった。待ってた甲斐があった今作。誰もが憧れるような伯父の電話から事態は始まり時間が前後しながら進む。裕福な伯父一家に羨望と嫉妬を覚えるマーカス。伯父の家族のヒレルとウッディ。三人の固い結びつきとアレクサンドラという女性の存在。青春小説の要素がとても鮮やかで、その輝きが増せば増すほどミステリー色が後半につれて強くなって様々な事件や悲劇を起こす。それぞれが守りたいものとすれ違いや誤解。過去にあった本当のこと。それを受け止めることの絶望感。たくさんの感情に揺さぶられっぱなしで結末まであっという間。多くの人に読んでもらい
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Posted by ブクログ
ピエール・ルメートルは「その女アレックス」以来で
どんなスタイルの作家だったか忘れてしまっていたんだけど、まあ〜おもしろかった!
ラストは痛快すぎて、声を出して笑ってしまったほど。
ありゃ、こんなこと書いたら不謹慎で物騒な人間だと思われるかも?
何せ全編通して残虐で残酷。だけど根底にはユーモアが漂っている。
認知症を発症した63歳の女殺し屋という設定が
最初は無茶過ぎない?と思ったけど、
その心配はいらなかった。
前に読んだ本のテーマがバイアスだったのだけど、
今回もまさしくそれと同じ。
老人だから何もわかってない、何も出来やしないだろうという偏見を、鼻で笑うかのごとく危機をかいくぐっていく