岩瀬徳子のレビュー一覧

  • 風に向かって

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    風と共に去りぬを読んだときのような壮大な読後感だった。
    アメリカで生き抜いていく母子の旅と生活。過酷なことも多いけど強い。

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    2025年11月12日
  • 風に向かって

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    こんなにも過酷な人生があるなんて。
    両親から愛されなかったエルサが、子供を産み愛を知り、子供達を守るため闘い続ける姿に最後は涙が止まらなかった。
    エルサと義母、エルサと娘の関係の描き方がとても良かった。
    自分の生きてきた土地を愛する姿が、風と共に去りぬを思わせるような、素晴らしい小説だった。

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    2025年10月17日
  • 風に向かって

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    アメリカ文学の王道ですね。ほぼ100年前の話を書かねばならぬという今の状況に暗澹たる思いを抱かざるを得ない。資本主義の賞味期限は何時なのか、あるいはマクドナルドのハンバーガーなのか。
    女性視点、強い少女の存在といった点でトレンドを押さえてはいるけどね。
    プロローグはロレイダに語らせた方がよかったかも……。

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    2025年07月10日
  • もうやってらんない

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    私の読み方が悪かったのか、アリックスがエミラに執着(恋?)しはじめるのが、急に思えた

    アリックスやケリーは、エミラをとても気に入っているし、黒人差別をしていると直接的には言い難い。
    しかし、本当に些細な、微妙なところで認識や行動に引っかかりを感じる。最後の方、アリックスは、自分のキャリアのためにエミラを利用しているように感じられたし、そもそも無断で動画をばら撒き、それでいてエミラのためを思ってのことだとその行為を正当化している時点で独りよがりであるのは間違いない。

    アリックスの過去のケリーに関する事実を曲げての正当化もそうだけど、自分の都合のいいように物事を解釈し、歪めていっている様がちょ

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    2024年06月08日
  • となりのブラックガール

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    ニューヨークではたらく女の子の生活感が伝わってくる
    ビヨンセ、チャカ・カーン等のブラックDIVAたちの実名がチラチラ出てきたり、実際に起きた事件や出来事にサラッと触れたりすることで、ぶっ飛んだ設定とストーリーの現実味を巧くつないでた印象
    最後の2行でゾッとさせて終わるのも良かった

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    2024年05月14日
  • となりのブラックガール

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    面白すぎた!ラスト2行で鳥肌がゾワッ!!

    というか導入部分から既に強めのフックに前のめり
    なのに徐々に不穏さと不安が増していきつつ
    奥行きが広がりだし、一体誰は信用に値するのかと
    疑心暗鬼の塊になってしまい読む事をやめられない

    上がっては下がり、また上がるがやはり再び下がる
    こんなの困る(嬉しい)しツラすぎる(楽しすぎる)
    もう見てられない(早く続き読みたい)と感情壊れる
    年末にきてド級に楽しませていただきました

    積ん山の皆さんを差し置いてまで先に読んで良かった

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    2023年12月16日
  • もうやってらんない

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    黒人のベビーシッター、エミラが、休みの日のパーティの夜に急遽ベビーシッターの要請で子供を預かって近くのマーケットへ連れて行った際、「白人の子供を連れた、派手な身なりの黒人」として警備員にしつこく追及されるところから話は始まります。
    その事件を中心に彼女の周囲の人間関係に変化が現れ、主人公の「もう私のことはほっといて!」という切なる願いも裏腹に、様々な事件が起きる話です。

    簡単に言うと「善意の差別」と言えばわかりやすいでしょうか?
    静かに暮らしたいだけのエミラに対し優しさを向けながらも、「かわいそうな黒人を私が助けてやってる」という型に当てはめた考え方で接する、当事者不在の「善行」が、たびたび

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    2022年06月14日
  • ピュリティ

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    記憶が定かでないのだが、すべての小説は探偵小説であるという意味の言葉をどこかで読んだ覚えがある。すべてかどうかは知らないが、たしかに面白い小説に探偵小説的興趣があるのはまちがいない。ページターナーと称される作品には、読者の前に必ず何らかの謎が提出されている。馬の鼻先に吊るされた人参のように。それを手にしようとして読者は我知らずページを繰らされるのだ。

    カリフォルニア州オークランドに住む若い女性ピップは、奨学ローンで苦しんでいた。母親はシングル・マザーでレジ係の職に就いているが、うつ気味でフェルトン郊外セコイアの森に建つキャビンに引きこもっている。ピップはときどき母の家を訪ねる。主人公の名前と

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    2019年05月12日
  • となりのブラックガール

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    アメリカの出版社で「黒人女性枠」で採用され微妙な気持ちもあるものの働いていた主人公の部署に後輩の同枠女性が採用されてきた

    求められる有色人種女性像と無意識に放たれる差別行動にモヤモヤ、そしてその希望どおりに振る舞う野心的な後輩にまたモヤ…

    アメリカ社会と歴史の複雑さの縮図を個人の物語として見る感じで興味深かったです

    色々考えさせられる

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    2025年11月22日
  • となりのブラックガール

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     アメリカの出版業界が舞台。前提知識が無かったが、描写が細かかったので、イメージしやすかった。最初主人公の黒人女性(ネラ)は思想が強い人という印象を受けたので、なかなか感情移入できなかった。むしろ新しい黒人の同僚(ヘイゼル)の方が上手く立ち回っていて、なかなか良いキャラだと思った。
     ただ、白人と黒人のあからさまな対立構造が無かったので、その分人種の壁の深さを感じた。なんだろうな。同僚の白人たちはちゃんと仕事仲間として接しているようにも思える。むしろ、ネラは気張り過ぎだ。だが、彼女に意見を聞いてる風でそこまで聞いてなかったり、いざ踏み込んだ意見を述べれば、差別主義的と言いたいのかと、作家と拗れ

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    2024年03月12日
  • となりのブラックガール

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    お仕事小説だが、白人の中で働く黒人女性の日常をきめ細かく描いてる。食事や美容に関する事、日々のぐちとか、私達には普通の事なのに、人種が違うと、、、学ばせて貰った作品。

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    2024年01月12日
  • もうやってらんない

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    舞台はアメリカのフィラデルフィア。
    ニューヨークから引っ越して来たばかりの裕福な共働き夫婦と3歳と0歳の娘。
    母親は執筆活動のために黒人の26歳ベビーシッターを雇う。
    父親の職場でのいざこざから自宅に警察が来ることに…
    長女を自宅から避難させたい夫婦は、深夜にも関わらずベビーシッターに連絡し、近くのスーパーマーケットまで行って来て欲しいと頼む。
    そこで、彼女は警備員に誘拐を疑われ、その事がこの夫婦とベビーシッター、更にはその時に出会う白人の男性(後にベビーシッターの恋人になるひと)との関係を複雑なものにして行く…

    まず、私は翻訳の本を読むのは少し苦手だ。
    翻訳家さんにもよるのだろうと思うけど

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    2023年09月18日
  • もうやってらんない

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    物語の序盤にフィラデルフィアのスーパーマーケットの近くを白人の子供ブライヤーと歩く黒人のベビーシッターのエミラ・タッカーに、警備員が誘拐を疑い声をかけるエピソードが描かれ、人種、特権階級、ジェンダーに対するマイクロアグレッション、無意識の偏見(unconscious bias)を体験させられる。雇い主である白人のアリックス・チェンバレンのように善意の持ち主だと信じる教養ある白人が最も多く行っている「自分でも気づいていない日常の家庭内偏見」(everyday domestic biases that we don’t even know we have.)が物語の各所に描かれる。

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    2023年06月01日
  • 最悪の館

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    主人公にとって、次々に最悪なことが起こる「最悪の館」。
    殺人事件に巻き込まれ、知り合ったばかりの人に自分の秘密や心の傷をえぐられ、夢遊病だと疑われ…
    主人公には申し訳ないけど、次々に最悪なことが起こるので、最後まで飽きずに読めました。

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    2022年11月16日
  • もうやってらんない

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    ネタバレ

    理解しきった感覚はないが、人種差別をそれぞれがどのように受け止めているのか、どんなバイアスがあるのか理解が進んだ

    またストーリー自体も少し入れ違いになるところが凝っていてものが自体も純水に面白い

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    2022年09月19日
  • 最悪の館

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    ネタバレ

    面白かったですね。
    純粋に謎解きを楽しみました。
    そして、眠ったものを起こしてはいけないなと思ったりもしました。
    楽しい時間を過ごしました(^^)

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    2020年08月28日
  • アイリーンはもういない

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    良かったよ。アメリカの土臭い生臭い感じがよく出てて。作者はイランとクロアチアのハーフですって。わかる気がする。当たり前に都会で健康的に生きてきた人間には、土地の空気やら情景やらかぎ分けられないのよ。
    話。アイリーンと言う名の24歳の女性。アル中で退職した父親が家にいる。両親が毒親で、姉は奔放に狡猾に自由に生き、次女は女性が興味を持つ事柄に目を伏せ、街を出ることを生きる上での希望にしている。街の名前がXヴィル。ああリアル。リア充なんてほんとに少数だよ。仕事でくる腐女子マンガ、萌えマンガの多いこと!

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    2019年02月03日
  • アイリーンはもういない

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    めちゃくちゃ面白かった!アイリーン、いわゆる拗らせ喪女なわけだけど自分との共通点が多くて吐きそうになった。(例:氷柱が落ちてきて刺さって死ぬ情景を何度も何度も夢想するところとか)
    物語は三回転くらいするから先が読めないしミステリ?ぽさもあってぐんぐん読んじゃった。
    主人公のイタい部分やズルい部分を赤裸々に描く感じ、若干のミランダジュライみを感じる。でもこっちの方が「今はそんなこと、ないけどね(ツン)」な態度を描いてるのでそこが私はあんまり好きではないかな。でもえぐられます。

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    2018年02月10日
  • 偽者【フェイクアカウント】

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    物語全体がフェイクに溢れていて、皆が流れるように嘘を発し続ける、今の時代ならではの空気感。読んでる方は何を軸に読んだら良いのか終始定まらず不穏な気持ちのまま物語は進み続ける…おそらく作者の狙い通りなのだが、読者としては足場の固まっていないその場限りの設定や、やり取りををひたすら読み続けることになり、特に、本当になにも起こらない(…が大量のフェイクは積み上がっていく)中盤は読むのが辛かった…

    長い目で見て、この時代の空気を振り返る物語として読むのは良さそう。

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    2025年02月20日
  • となりのブラックガール

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    場面が行ったり来たりするのと内面や背景が説明されないまま名前が出てくる人物が何人か出てきて読みにくさを感じたしリアリティラインが飲み込みにくい設定があって気になった。
    あと「人種差別と闘う」的な話が出るたびに「白人が黒人を差別することとしか闘ってないじゃん」と思ってしまう自分がいた。

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    2024年03月11日