林泰広のレビュー一覧

  • 分かったで済むなら、名探偵はいらない

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    ネタバレ

    居酒屋「ロミオとジュリエット」にて繰り広げられる推理モノ。…推理モノ?
    終わった事件の答え合わせのパターンで短編が組み合わせてある訳だが。

    この居酒屋に訪れるお客さんはロミオとジュリエットに詳しい人が多いらしい。
    その各々の異なる解釈のロミオとジュリエットが一方的に披露されるが、これが面白い。多分この小説のメインはこっち。
    私は全くロミオとジュリエットを知らないので、自分の意見も無くとても興味深く読んだ。大人の都合に振り回された悲劇の恋の話なのかと思っていたら…。今のところ、ジュリエットの父親に同情している。
    事件の推理はこの小説に於いては贅沢なアクセントと捉えたがそれは作者に失礼だろうか。

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    2024年05月24日
  • 魔物が書いた理屈っぽいラヴレター

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    個人的に最初は「これはミステリーなのか?」「どういう世界観なのか?」という疑問が浮かんで、中盤からは一気にファンタジー色も強くなるので、ますますジャンルがわからなくなっていったが、ある一定の時点から途端にミステリーへと変わった。事前情報をあまり入れずに読んだので、このような展開になるのかと驚きがあり、その時点でも面白かったが、終盤にかけて加速するようにその面白さが増していった。

    タイトルからも読み取れる通り、恋愛小説の側面も兼ね備えており、様々なジャンルが入り交じってはいるが、主軸はミステリーであり、こういったパターンのミステリー小説は新鮮で、とても面白かった。

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    2022年11月07日
  • 分かったで済むなら、名探偵はいらない

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    ネタバレ

    「一段階目の謎解き-ロミオとジュリエットを援用した再解釈-最終判断」という構造は、全編にわたって継続する。論理クイズを思わせるところもあるが、そこはきちんとエンタテイメントになっている。“滅私奉公”の蘊蓄なども。
    (最終編の着地は、そこまでのキレは無いかもしれないが)
     この約束事を楽しめるかどうかで、作品の評価は変わろう。
     さて、ところで、名探偵の恋路は?

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    2020年03月21日
  • オレだけが名探偵を知っている

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    ネタバレ

    義兄と連絡が取れず、勤務先に問い合わせると外部と接触できない場所におり居場所を教えることもできないと言う。義兄の勤務先「ブッシュワーカー」本社の地下には巨大迷宮があると噂され、そこには会長の許可した者しか入れないらしい。警視庁捜査一課の秋山は天才ハッカー・ドッグスターに協力を依頼し、地下迷宮に侵入することに…。
    義兄を探して地下迷宮に侵入したところ、義兄を含む5人の遺体を発見。地下迷宮で何があったのか、5人を殺したのは誰なのか…という話なのだけれど。うーん…。感想がそれしか出てこない。
    内部にいたそれぞれの人間視点、外にいる人間視点など色々描かれていて何がどう進展したのかはわかりやすい。読んで

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    2024年10月08日
  • 魔物が書いた理屈っぽいラヴレター

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    瀕死の相棒をかかえて廃墟となった中世の城壁に身を隠すことになった”俺”。そこはかつて魔物が召喚されて棲んでいたという伝承があり、実際に魔物が現れる。いっしょに逃げ込んだ人々が殺されていく中で、相棒を助けようとした”俺”の決断とは…
    いきなりファンタジーで驚いたが、話の骨格はミステリー。伝承と実際目にした魔物の能力から、かつて何があったのか、いま何が起きたのかを推理する。瞬間異動の謎にそれほど驚きはなかったが、ラストで事態をポジティブに受け止める主人公たちが一番の驚きだったかも。

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    2023年04月06日
  • 魔物が書いた理屈っぽいラヴレター

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    急に本編始まった感じで世界観がよくわからないまま魔物登場。ミステリーというよりは状況を理解するための推理か。するする読めて面白かった。

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    2023年02月12日
  • 魔物が書いた理屈っぽいラヴレター

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    ネタバレ

    かつて「魔物」が召喚された中世の古城に隠された「空中牢獄」。そこに逃げ込んだ数名の男女。そこに現れる魔物。かつてそこではなにがあったのか?

    なかなか楽しめました。
    ボリューム的に中編くらいの文章量でしょうか。さらっと読んでしまいました。一種の特殊設定ミステリなんでしょうけども。。。キモは「魔物の瞬間移動」の謎なんじゃないかと思ったけど・・・あまり謎でもなかったかな。あからさまに「いやこれうつりかわってる」って初見で思えてしまったし。。。そこを除けばかなりベタなオーソドックスな謎しか残らない。
    でもまあそこはそれ、そういうものだと割り切ってこの特殊な世界観を楽しみましょう。さらっとすっきり読め

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    2023年01月17日
  • オレだけが名探偵を知っている

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    なんだか 井上真偽さんぽいと思いました。と言っても井上さんのもそんなに読んだことないけど、、、。
    なんかつかみどころのない探偵が登場し、つかみどころのない話が進んでいく感じがかな~
    これはシリーズものなのかしら??

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    2021年01月05日
  • オレだけが名探偵を知っている

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    主人公の妻の姉が怪我をして入院。夫に連絡をしようとしたが、音信不通。彼の勤めている会社に連絡しようにも需要なプロジェクトに関わっている為、外部との連絡は遮断しているとのこと。どうにかして、連絡しようと独自に調査し、場所を突き止めた。しかし、その中では殺人事件が発生。それも密室。いったい何が行われていたのか?

    帯での紹介文に惹かれて購入しましたが、読後感はスッキリせず、消化不良な感覚になりました。
    一つの怪我から迷宮の存在、はたまた密室殺人へと壮大に変化するので、唖然とするばかりでした。
    特にどう迷宮に侵入できるのかがハラハラドキドキ感がありました。

    また、破天荒な会長や度を超えた弱肉強食の

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    2020年07月04日
  • 分かったで済むなら、名探偵はいらない

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    恋人の父親を犯罪者として見抜いてしまったことを後悔する刑事は、今日も居酒屋「ロミオとジュリエット」で飲んでいる。そこに持ち込まれるさまざまな愚痴、相談、挑戦。問題解決のきっかけになるのはいつも、ロミオとジュリエットのあらゆる解釈だった。

    安楽椅子探偵的な連作短編集。アイディアは面白いし、一話一話の真相もなるほどと思わせるものもあるし、ロミジュリの解釈もそれぞれ面白かった。でもなんか……くどいというか、ちょっと疲れた。

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    2019年01月21日
  • 分かったで済むなら、名探偵はいらない

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    【収録作品】106は頑張ってる/バカにすんな!/Bプランでいこう/マリコさん、只今後悔中/ロザラインなんているもんか/陰謀ジジイの質問タイム/106は頑張っていた
     『ロミオとジュリエット』の多面的な解釈が楽しい。

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    2018年07月13日
  • 分かったで済むなら、名探偵はいらない

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    刑事なのに探偵? タイトルのイメージとは違う作品だった。謎解きプラス、ロミオとジュリエットの新解釈で興味深いけれど、だんだん疲れてきて両者の結び付きがよくわからなくなった。事件よりも居酒屋の客たちのほうが謎。

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    2018年05月26日
  • 分かったで済むなら、名探偵はいらない

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    居酒屋「ロミオとジュリエット」でいつも一人で飲んでいる刑事の”俺”の前に、酔っぱらいがやってきては悩みや愚痴を語りだし、”俺”は毎回酔客たちがさまざまな角度から語る「ロミオとジュリエット」の話をヒントに謎を解いていくという連作短編集。
    正直、客が語る実際の事件はパズル的だしちょっと息切れ感のあるものもあるが、ロミオとジュリエットの解釈がとても面白かった。ロザラインなんて知らなかったし。
    タイトルのセンスはいまいち謎だが、最初の「106は頑張ってる」と最終話「106は頑張っていた」の呼応はいい。

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    2018年04月10日