山本龍彦のレビュー一覧
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アテンションエコノミーという言葉をはじめて聞いたので衝撃となるほどがありました。
関心が取引されている、関心を得るためのアルゴリズムによって、人々の思考がコントロールされている、この点は納得できるものです。今に始まったことではないが、その量とアルゴリズムとsnsとが合わさりより深刻になっているのもその通りだと思いました。
一番衝撃だったのは、フェイクニュースに代表される情動的な情報は、後でデマだとわかっても効果が潜在意識に残ること、そして人は顕在意識よりも潜在意識に左右される傾向があるとことです。ファクトチェックを公開すれば改善できると思っていたのですが、これだけでは不十分だとわかりました。
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日常生活の中で意識せずに使用しているインターネット世界で起きている事象のうち、その仕組みを提供しているプラットフォーム企業の位置付けを明確にする試みが、著者とIT関連の学者や事業者との対話であからさまになってくる経験を与えてくれた.知らないうちに特定のサイトに誘導されたことは頻繁に経験しているが、アテンション・エコノミーとして改めて議論されていることを知り、このような事象を真剣に考察している人たちがいることに何故か安心感を得たのはなぜだろう.表現の自由の価値を再認識する機会を得た感じがしている.事実錯覚効果、匿名表現、プロミネンス政策、情報的健康、デジタル立憲主義、自由放任、適切関与、情動的共
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人間の判断や感情は操作できるものである。人間は常に深く考えることはできない。そのような新しい人間像を私たちは持って、それに基づいて民主主義をアップデートする必要があるし、市場原理にもなにかしら歯止めをかける仕組みが必要というのが基本的なメッセージ。法にはそもそもそういう考え方が全然なかったわけではなくて、あらかじめルールを作って人間の行動を制限しておくとか、フェイルセーフの仕組みを作っておくというものである。市場競争の中でそれをどうルール化するかが難しいところ。
教育によって、あらかじめ人間に免疫をつけさせていおく、ということもひとつの方法として提案されている。確かに教育は、ビジネスの影響を -
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インターネットをはじめとするITの隆盛により、全ての人間が自由に様々な情報にアクセスできるようになり、言論の自由が確保され、自主的な意思決定が可能となる民主主義にとって望ましい世界が実現する…とかいう牧歌的な理想論を信じる人間は既に存在せず、現実はアテンションエコノミーに支配され、フィルターバブルとエコーチェンバーにより、一方的で偏った情報に認知空間が支配され、行動が誘導される、そういったディストピアが実現してしまった。
そういったディストピアに対し、プラットフォーマーに対する法的な規制により対処していくことも当然考えられるが、著者らは情報的健康という概念を提唱し、健康診断と予防といったより -
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ネタバレ「アテンション・エコノミー」とは、GAFAに代表されるプラットフォーム企業が提供するSNSやコンテンツ産業を中心とした経済のことを指す。「アテンション・エコノミー」において我々は、サービスを利用するためにプラットフォーム企業に対して金銭を支払う代わりに、コンテンツの視聴を通して文字通り「アテンション(関心)」を提供している。プラットフォーム企業は、提供された「アテンション」を、ページビューやインプレッション、滞在時間などといった定量化されたデータとして広告主に売ることによってビジネスを成立させているわけだ。本書は、「アテンション・エコノミー」が抱える諸問題について、筆者である山本龍彦氏が行った
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アリスが落ちたラビット・ホール 底なし沼
p6 アテンションエコノミー このビジネスモデルの下では、ユーザのクリック=反射を得られるかどうかが至上命題になるため、内容のクオリティや信頼性はどうでもよい。そこでは当然ながら、丹念な取材をもとに書かれた退屈な真実よりも、「クリックを得られる刺激的で魅惑的な偽情報のほうが経済的な利益を生むのである
p7 人間は認知バイアスとして、繰り返し同じ情報に接触することでその情報を正しいと感じるようになるという、真実錯誤効果 illusory truth effectをもつ
p9 マイクロソフトの研究では、デジタル化の影響で、人間の注意持続時間が、集中力 -
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AIとビッグデータ、これはひとの仕事を置き換えるものと言う危機感程度しか持ち得なかったけど、憲法との対比は考えもしませんでした。
特にAIによるプロファイリングが就職や銀行ローンの審査だけでなく思想信条の様な個人の内面にも関わってくるのであれば、憲法もまた危機的な側面を持ってくるかもしれない。
個人情報における海外と日本の認識の違い。それが民主主義の根幹に関わると考えるアメリカ、西洋は憲法を第一に考えるが、日本は憲法9条を改変しようとするように、その時々の都合で動こうとするように見受けられる。
憲法13条の個人の尊重や14条の法の下の平等。久しぶりに憲法を考える機会になりました。