山本龍彦のレビュー一覧

  • おそろしいビッグデータ 超類型化AI社会のリスク

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    ネタバレ

    最後の方で憲法との関わりに言及しているが、全体としては憲法の説明ではなく、AIの基礎となっているビッグデータが人間のプライバシーにどう関わるのかという説明である。
     非常にわかりやすいので、学生が読むとビッグデータの問題を考えるおすべになるであろう。

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    2025年10月09日
  • アテンション・エコノミーのジレンマ 〈関心〉を奪い合う世界に未来はあるか

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    ネット社会以降人間の注意持続時間は、
    短いことで有名な金魚を下回る
    という大変キャッチーな言葉から始まり、
    エコーチェンバーの話、広告と法の見通し、広告業界のクリエイティブ、認知心理学の観点からetc非常に幅広く網羅的に語られていて
    大変面白かった。はー面白かった。

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    2025年07月25日
  • アテンション・エコノミーのジレンマ 〈関心〉を奪い合う世界に未来はあるか

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    トランプ大統領、兵庫県知事など「なぜ?」と思うことのひとつの答え、問題の分析をしてくれたと思う。スマホへの粘着性を生むアルゴリズムはビビる。意識してスマホから遠ざかってみた。

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    2025年04月27日
  • アテンション・エコノミーのジレンマ 〈関心〉を奪い合う世界に未来はあるか

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    アメリカ大統領選挙や兵庫県知事選で話題のSNSによって作り出される世論。
    対談形式でそれぞれの専門分野から歴史も踏まえて解説してくれる。
    人の本能的な所にまで食い込んでいるアテンションエコノミーを前提にした社会システムを考える必要がある。

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    2024年12月08日
  • AIと憲法

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    AI技術を憲法の中でどのように解釈し、あるいはAIという人工物から人間個々人を保護しているか、あるいはAIそのものも権利の対象となるかなど非常にスリリングで、興味深いトピックが書かれている。

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    2022年05月25日
  • アテンション・エコノミーのジレンマ 〈関心〉を奪い合う世界に未来はあるか

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    人間の判断や感情は操作できるものである。人間は常に深く考えることはできない。そのような新しい人間像を私たちは持って、それに基づいて民主主義をアップデートする必要があるし、市場原理にもなにかしら歯止めをかける仕組みが必要というのが基本的なメッセージ。法にはそもそもそういう考え方が全然なかったわけではなくて、あらかじめルールを作って人間の行動を制限しておくとか、フェイルセーフの仕組みを作っておくというものである。市場競争の中でそれをどうルール化するかが難しいところ。

    教育によって、あらかじめ人間に免疫をつけさせていおく、ということもひとつの方法として提案されている。確かに教育は、ビジネスの影響を

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    2025年10月10日
  • デジタル空間とどう向き合うか 情報的健康の実現をめざして

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    インターネットをはじめとするITの隆盛により、全ての人間が自由に様々な情報にアクセスできるようになり、言論の自由が確保され、自主的な意思決定が可能となる民主主義にとって望ましい世界が実現する…とかいう牧歌的な理想論を信じる人間は既に存在せず、現実はアテンションエコノミーに支配され、フィルターバブルとエコーチェンバーにより、一方的で偏った情報に認知空間が支配され、行動が誘導される、そういったディストピアが実現してしまった。

    そういったディストピアに対し、プラットフォーマーに対する法的な規制により対処していくことも当然考えられるが、著者らは情報的健康という概念を提唱し、健康診断と予防といったより

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    2025年04月06日
  • アテンション・エコノミーのジレンマ 〈関心〉を奪い合う世界に未来はあるか

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    ネタバレ

    「アテンション・エコノミー」とは、GAFAに代表されるプラットフォーム企業が提供するSNSやコンテンツ産業を中心とした経済のことを指す。「アテンション・エコノミー」において我々は、サービスを利用するためにプラットフォーム企業に対して金銭を支払う代わりに、コンテンツの視聴を通して文字通り「アテンション(関心)」を提供している。プラットフォーム企業は、提供された「アテンション」を、ページビューやインプレッション、滞在時間などといった定量化されたデータとして広告主に売ることによってビジネスを成立させているわけだ。本書は、「アテンション・エコノミー」が抱える諸問題について、筆者である山本龍彦氏が行った

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    2024年12月20日
  • アテンション・エコノミーのジレンマ 〈関心〉を奪い合う世界に未来はあるか

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    アリスが落ちたラビット・ホール 底なし沼

    p6 アテンションエコノミー このビジネスモデルの下では、ユーザのクリック=反射を得られるかどうかが至上命題になるため、内容のクオリティや信頼性はどうでもよい。そこでは当然ながら、丹念な取材をもとに書かれた退屈な真実よりも、「クリックを得られる刺激的で魅惑的な偽情報のほうが経済的な利益を生むのである

    p7 人間は認知バイアスとして、繰り返し同じ情報に接触することでその情報を正しいと感じるようになるという、真実錯誤効果 illusory truth effectをもつ

    p9 マイクロソフトの研究では、デジタル化の影響で、人間の注意持続時間が、集中力

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    2024年10月25日
  • デジタル空間とどう向き合うか 情報的健康の実現をめざして

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    鳥海と山本の共著である。本文の部分はどこかで聞いたことがありそう珍しくもないような印象であるが、巻末付録の共同宣言がこの本で主要になる気がする。

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    2022年10月17日
  • おそろしいビッグデータ 超類型化AI社会のリスク

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    著者が講師の研修に参加予定なので予習のつもりで読んでみる

    ビックデータに基づく個別化マーケティングが消費行動に影響を与えたりすることや民主主義を崩壊させる危険があることは別の本やNetflixのプログラムで知らされていたが、日本国憲法と絡めて議論するのは野暮ったいと思いながら読み進めていた。
    しかし、最終章でその「野暮ったい」という自分の感覚も憲法を軽視する空気に染められた感覚であることを自覚する。

    3年前の本なので技術的にも法制度的にもアップデートする必要はあるが、研修直前にでも再読しよう。

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    2020年11月03日
  • AIと憲法

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    本書を読んで、仮面ライダーゼロワンの映画を思った。その映画にヒューマギアというのが出てくるが、このヒューマギアがヒトを支配する社会が描かれていた。人間の技術が生み出した光と闇の分野は多くあるが、このAIも使い方次第では闇の部分が多くなるのかもしれない。そうならないためにも、今から、他者になりかねないAIを見据え、権利・義務の主体である人格、人権享有主体である個人の位置づけ、統治構造について思考をめぐらせておくことが必要なのではないかと思った。論者により、読みやすさが異なったが、全般的に面白く読み通せた。

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    2020年07月24日
  • AIと憲法

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    最近気になるテーマのひとつ。AIによって精緻に最適化されると、人の不確かさに理由を付けていた諸々が色々困る。プライバシーとかレコメンドとか選挙とか。だがもっと難しいのは人権とは?というところ。サイボーグ、脳のアップロードとか今後できるとどうなるの?もうロボットにも人権認める社会になることしか想像できない。価値観が揺さぶられる

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    2019年08月06日
  • AIと憲法

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    AIを筆頭とした技術革新は本来は指数関数的な進歩ができるポテンシャルを持つはずなんだけど、法や規制が追いつかないからそこまで急速な革新はおきない、のだろうか。
    法そのものを書き換えるAIは想定してないけど、本当にその対策はあるんだろうか。
    シンギュラリティを考えさせられる一冊でした。

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    2018年12月25日
  • おそろしいビッグデータ 超類型化AI社会のリスク

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    バーチャルスラム問題
    ゴマ信用によって自動的に格付け、レッテルが貼られていく
    →人が変わるチャンスを奪うのではないか?
    「自らが選択、修正できない事柄で社会的に排除されるリスク」
    →「見えないセミナー会場」

    「国による民の調律」・・自由に生きることの否定?

    The Daily ME(日刊自分新聞)によって情報が閉塞していく

    Group Polarization・・集団の分極化。偶然の排除

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    2021年01月10日
  • おそろしいビッグデータ 超類型化AI社会のリスク

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    AIとビッグデータ、これはひとの仕事を置き換えるものと言う危機感程度しか持ち得なかったけど、憲法との対比は考えもしませんでした。

    特にAIによるプロファイリングが就職や銀行ローンの審査だけでなく思想信条の様な個人の内面にも関わってくるのであれば、憲法もまた危機的な側面を持ってくるかもしれない。

    個人情報における海外と日本の認識の違い。それが民主主義の根幹に関わると考えるアメリカ、西洋は憲法を第一に考えるが、日本は憲法9条を改変しようとするように、その時々の都合で動こうとするように見受けられる。

    憲法13条の個人の尊重や14条の法の下の平等。久しぶりに憲法を考える機会になりました。

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    2017年11月27日
  • デジタル空間とどう向き合うか 情報的健康の実現をめざして

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    エコーチェンバー現象などにより視野が狭くなり、自己の信条が強化され、フェイクニュースなどへの耐性が弱くなる世界。完全な自由報道、アテンションエコノミーに対する適切な規制などが提言されているが、政治的な視点が強く見えたので、効果があるのか疑問。情報に振り回される人がこの世界に疲れて、適度に情報から隔離されることの利点を再認識できるようにならないと難しいかも。ネットは無くても生きていける。ネット社会といい、AIの発達といい、放っておくとモノを考えない人間が増殖する。

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    2023年04月15日
  • デジタル空間とどう向き合うか 情報的健康の実現をめざして

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    これ↓実現したら面白いですね。

    「情報の出所や誰がどういう目的でその情報を流しているかを示すことができれば、真意を理解する手がかりになります。例えば『ポジショントーク度』といった数値を表示できれば、その情報に対して一定の距離を置いてみることができる」

    まあ、たいていの人は何らかのバイアスがかかっているし、ポジショントークになっていると思うんだけど。。。

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    2022年11月27日
  • AIと憲法

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    カナダのロースクールではすでに「AIと法」をテーマにしたカリキュラムとメソッドが確立しているらしい。曰く、法学徒だろうがとにかくまずは「R(統計に特化したプログラミング言語)」を勉強せよ、というところから始まるのだとか。

    例えば。
    自動運転自動車の事故責任を検証するには自動車の人工知能がどういう判断を下したのか。製造者責任該当性があるのかどうか。バグであるならそれは品質保証の範囲内か、外か。
    そういうプログラムの挙動を把握しなければ法的問題を解決できないような、法学者もプログラミングをやんないとお話にならない時代がもうすでに来ている。

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    2020年02月19日
  • おそろしいビッグデータ 超類型化AI社会のリスク

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    ・ビッグデータについての本だが、数学的要素が全くなかったので読みやすかった。
    ・法と絡めた考察は自分の中では新しく、新たな知見がたくさん得られたように思う。特に憲法を通してビッグデータについての考察しているところは興味深かった。
    ・自分の知らない(自覚していない)間に自分のような存在を作り上げてしまえる、ビッグデータを用いた広告の持つ力について人々はもっと自覚的になるべきだと感じた

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    2019年08月28日