矢部太郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ教え子の中学生が、お父さんに買ってもらった本らしい。童話探偵のブルースが、正義の反対は悪ではなく、もう一つの正義、をコンセプトに、勧善懲悪の寓話として読まれがちな様々な童話を、別の正義の物語として読み直していく物語。
文学のような解釈学を勉強していると、そもそも作品の違った解釈を考える意味は何なのかと問われることは多い。童話の世界で「悪役」とされるキャラクターたちにも、それなりの事情があったのではないか、と想像することで、「現代に生きる解釈」=教訓を見つけるというのが、とても分かりやすくてよかった。
個人的に面白かったのが、それまでブルースの読み解きを聞くだけだった助手のシナモンが、最後の読み解きを自分一人でするシーン。ブルースの読み解きを繰り返し聞いてきたシナモンは、ブルースだったら、何て言うかを考えることで、「梨売りと仙人」の物語を解釈する。
物語を読むことって、こういう風に次の世代に繋がっていくのだなあ、ということを感じるワンシーンだった。シナモンは、ブルースに君だったらどう考えるかを、繰り返し繰り返し問う。そして、返ってきた答えに対して、その考えが、いかに間違っているかを、優しく諭す。シナモンは、そうした経験を通して、ブルースだったら、何て言うだろうか、と考えるようになり、最後には、ブルースすら思いつかなかった読み解きにたどりつく。
少し残念なのは、ブルースの読み解きが、割と常識的であった点。タイトルにも「10歳からの」とあるので、まあ、こんなものかとも思うが、もう少し悪を悪のまま、尖った正義を語ってほしいという気持ちもあった。
ただ、子どもも読みやすい物語で、逆の立場だったらどうなるだろう、という想像力を働かせる。物語を解釈することの意味を教えてくれる本として、よい本だと思った。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「生きていれば、大勢の人との出会いがある。気の合わない人もいるし、傷つけられることもある。まずはそれを知っておくことだ。そして心の中で『自分には、この人が知らないすてきなところがたくさんある』とつぶやこう。そうすれば、人になにを言われようが不思議と気にならなくなるものだよ」
「正義の反対は、もうひとつの正義なんだよ」
「これからは、世界中の人とコミュニケーションをとり、どんどん自分の世界をひろげていける時代だ。見た目なんかで人を判断していると、取りのこされるのは自分自身。大切なのは、その人の本質を見極める力!それを身につけるべし!」
「人は、しあわせになるために生きていると言っても過言ではない。一方で人は、しあわせに慣れてしまいやすいものなんだ。たとえば君がずっとほしかった洋服を手に入れたら、最初のうちはうれしくてしかたないだろう?けど、何回か着れば、その服を持っていることがふつうになってしまわないかい?人は、自分の望みがかなって気持ちが満たされると、それが当たり前になって、いつも注意していたことがおろそかになりがちなんだ。」
「自分のものさしに当てはまらない人は、それはそれはたくさんいる。むしろ、そういう人のほうが多いくらいさ。そのことをよく理解したうえで、その人の個性としてみとめる習慣を身につけなければならないんだ」
「『伝わっているだろう』ではダメ!
『結果さえのこせばいい』でおダメ!
自分の想いは、言葉にして伝える努力をすべし。
でないと、ときに誤解され、いやな思いをすることがある。」
「人をきらう心というものは、イライラしたり口に出したりしているうちに、実際より、大きく、かんたんにふくらんだしまうんだ」
「生きていれば、ときには予期せぬことや、悪い出来事がおきる。そよときは、まず自分でその問題について。なにができるかを考える。自分だけではどうにもならなければ、すすんで人の手を借りるべきだ。それを繰り返していくうちに、トラブルを解決する能力がそなわっていく。」
「思いやりのある人は思いやりのある人にかこまれてるし、人をおとしれるような悪い人のまわりには、やはり悪い人がいる」
「人は目の前の一部分だけを、見て、どちらがただしいか、ただしくないかを決めてしまうことがある。しかし、だれもが日々。いろんなできごとをつみかさねて、今がある。見に見えるモノは、その人のホンの一部。目に見えないモノこそを想像してみよう。それこそが思いやりであり、人と人とが、本当に理解し合える方法なのだ!」 -
Posted by ブクログ
家族もの、続くなぁ。
意図して選んでたわけじゃないんだけど。
お父さんが絵本作家さんで、ということをプロフィールで知ってから、何となく想像してた....以上の「ザ アーティスト」な父だった(笑)。
これはドラマになっちゃうかもねぇ。
家族のことを扱った作品は沢山出ているけど、どれを読んでも『家族って不思議だなぁ』とつくづく思う。
父さんと母さん、特に喧嘩もせず季節行事や時々みんなで旅行したりして、ごく一般的な家族です。
って、いわゆるステレオタイプな家族像を当たり前のものとして較べたりするけど...他人同士が同じ空間に永年暮らしてその形に見えるのなら、それは当たり前の事じゃないのかもなぁ
そんなことを思わせるほどユニークな矢部家の姿でした。