桜井成夫のレビュー一覧
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難解な書 「群衆とは何か」の問いに答える書。
自分なりにくみ取った主旨とは次の3つです
①群衆とは個人の集合体ではない 個性、理性は消え失せて、本能的な人間、野蛮人と化す。
②群衆を支配するのは、群衆の想像力を刺戟する能力をもつ指導者のみである。感情に訴えるものであって、決して理性に訴えるもので...続きを読むPosted by ブクログ -
人々に同じ意見をもって、それに合意して動いてもらわないと組織は力を発揮できない
インパクトがあり、わかりやすいメッセージでないと多くの人は受け入れないし、耳を貸さない
ややこしくわかりにくいことは、聞き手でなく話し手の問題とされがちで、結果として「聞き手が聞きたいこと(幻想)」を話す人が、組織で...続きを読むPosted by ブクログ -
具体的にフランス革命時の例をとって、群衆(ここでは目的意識や地位などがバラバラな人たちがひと所に集まった状態)になった時にどのように行動するのか、そしてそれはどのような意識に基づいて行われるのかを説明する。
なるほどなあ、確かになぁ、今でもそうだなぁ、と思う。烏合の衆となった時、我々は平易に動かされ...続きを読むPosted by ブクログ -
NHKの番組で紹介されていたので読んでみた。
群衆心理、そこには知識や正答などに基づくものではなく、断言や反復で人の心にするりと入り込んだ言葉で作用する。結局、人間一人一人は弱く、影響を受けやすく、そして集団になると個人の弱さは置き去りになって強くなる錯覚を起こすのかな。
ネットで正論を吐いて、いい...続きを読むPosted by ブクログ -
哲学書にある難解な言い回しが少なく、現代にも通じる内容なので、頭に入ってきやすかったのもあるが、かなり読みやすく感じた。
改めて人間の本質は時を経てもあまり変化していないということなのだろう。
難解な議論や理屈はほぼ効果がなく、断言、反復などによる感情と心象を想起させ、揺さぶりをかけることによる...続きを読むPosted by ブクログ -
100分de名著の今月の本。読んでみたら、いろんな意味で面白かった!ヒトラーがこの本を読んでいたことも納得。現代の私が読むといやいや、偏見が過ぎると思う描写も多いけれど、それも含めてこの本が書かれた時代感。自分も群衆であることを自覚したい。それを知っているだけでも、同じ過ちを繰り返さずに済むかもしれ...続きを読むPosted by ブクログ
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近くの書店の店頭で平積みにされていて、何気に購入したものですが、最近読んだなかでは白眉の内容です。
集団における人間の性質や指導者の関わりなど、類書では「自由からの逃走」「大衆の反逆」「自発的隷従論」などがあると思いますが、冷徹な洞察という点で、この「群集心理」も勝るとも劣らないと思います。断片的...続きを読むPosted by ブクログ -
群集という言葉、その心理について初めて分析した本。
優れた政治家は群衆精神を的確に知っていた。ナポレオンはフランス群集心理を看破していたが、ロシアはしていなかった。
群衆は保守的本能を持っている。
群衆を説得するのに必要なのは感情。群衆を活気づけている感情を理解して、自分もその感情を共にしているふう...続きを読むPosted by ブクログ -
マーケティングでよく言うのは「単純明快繰り返し」ですが、宣伝や販促の売り文句は誰でもわかる簡単な短い言葉でまとめ、いたるところで繰り返すのが肝要ということ。繰り返して言っていると、聞いている人は嘘でも段々と信じ始めるから、と…。
「指導者たちは主として次の三つの手段に頼る。すなわち、断言と反復と感...続きを読むPosted by ブクログ -
集団心理の状況を丁寧に考察してあり、時代背景は違っても、現代にも通じる精神心理がうまく描かれています。
指導者の行動手段は、「断言と反覆」そして感染が暗示を与える最上の手段とか書かれていたのは、とても納得できました。
「内容てはなく、言い切る力!」そして「繰り返し言い続ける力!」が暗示を与えるみたい...続きを読むPosted by ブクログ -
フランス革命により起きた大転換を中心に社会を動かす中心は何かを考察した古典的名著。
書かれたのは1895年と古いものではあるが、その内容は恐ろしくも現代にも当てはまる。
群衆とは、ただ人が集まったものでなく、ある指向された思想の元に集まり、個人個人の考えや思想とは別に群相ともいうべき思考様式が発現...続きを読むPosted by ブクログ -
読みながら最近の事件を思い起こすことがめちゃくちゃ多かった。自らも群衆になり得るということに自覚的でありたいと思った。SNSの発達でより群衆化しやすい社会になっているとも思う。群衆を動かす方法も書いてあるのでマーケティングやらマネジメントやらにもちゃんと使えそう。
断言と反覆と感染
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論議...続きを読むPosted by ブクログ -
群衆心理
19世末にフランスの心理学者ギュスターヴ・ル・ボン氏が、心理学者の視点で群衆の心理を考察した著書です。
群衆の中で生じる心理、群衆を操る方法などが論じられ、ヒトラーの愛読書でもあったという逸話もある名著です。
【本書で学べること・考えること】
- 心理学的な群衆の定義
- 群衆心理の特...続きを読むPosted by ブクログ -
群衆の性質について史実の考察は、現代にも当てはまることから、人の本質的な性質なのだろうと思う。
著者の知識には本書で紹介されない膨大な事例があり、それらも踏まえた考察であろうと思うが、挙げられた例だけで納得してよいのかは疑問だった。Posted by ブクログ -
哲学書?の割には固くなくて読みやすかった。また、世界史の知識があったので筆者の挙げる例がわかりやすかった。結局、群衆は理論ではなく感情に左右され、そこには種族の特徴が大きく影響し、群衆を引っ張るには威厳が必要であるということが繰り返し述べられていたのでそれが結論なのだろうと思う。Posted by ブクログ
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訳本も半世紀以上たっているので、現代では違和感があるところもあるが、群衆とそれを構成する個人のギャップを見事に分析しているところは名著の価値がある。民主主義が揺らいでいる現代に再度注目すべきい一冊であろう。
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雑に言うと基本的には群衆をボロクソに言っている本だが、なぜ群衆がそのようになるのかを分析しているし、逆に群衆を動かすには?という点にも言及。
現代だとマスコミやSNS、インターネットがあるので、物理的に集まらずとも群衆になり得て、様々な影響出てるよなあというのを照らしながら読んでいた。
理論ではな...続きを読むPosted by ブクログ -
p.21
例えば、かりに立法者が新たな税をもうけようとする場合に、(中略)間接税は、たとえ法外なものであろうとも、群衆には必ず承認されるであろう。
→昨今の消費増税
p.60
群衆の強烈な感情は、(中略)責任能力を欠いているために、さらに極端となる。
→炎上
p.70
一身上の利害関係ということ...続きを読むPosted by ブクログ -
・群衆心理が働く要因は3つ、①個人を抑制する責任観念の消滅、②精神的感染、③被暗示性。
・理性の力を失った人々の激しい感情が高ぶれば高ぶるほど批判精神を欠き、物事を極度に信じやすくなる。
・群衆の感情は誇張的で単純。微妙なニュアンスを精査できず、物事の推移の過程を知らない。誇張的であればあるほど群衆...続きを読むPosted by ブクログ -
100分de名著
講談社学術文庫
ルボン 「群衆心理」 群衆心理を研究した本。読むのは 二度目だが、読むたびに凄さと怖さを感じる
群衆の中に入った個人は、集団の中の暗示や感染を通して、感情や観念が同一化していき、一つの有機体としての群衆が出来上がるという論調
群衆の中に入った各個人の感情...続きを読むPosted by ブクログ