岡本浩のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
勉強用。
岡本家の電力事情と、よくブレーカーを落としてしまう話が面白かった。
生成AIについては、現状でかなり米国企業が主導権を握っている。ただ、その裏には途上国の労働問題が潜んでいる可能性については存じ上げなかった。別の本で、「日本は固有の文明」と書かれており、確かに東アジアと括っても括りきれない違和感を感じていたが、やはり言語的な部分は大きいのかなと感じた。確かに、英語の方が圧倒的に情報量も多いし、学習するのに適した文献も多い。
一方で、英語にできない日本語も多数あり、日本には日本の言葉に適した学習が必要なんだろうという考え方も納得感がある。その中でNHKが登場するのは当然の流れなのだろう。NHKによって、日本語の文化ができる限り正確に、相当量保存されており、教師データとしての適性がありそうであるとイメージできた。
また、松尾先生の言葉にも勇気づけられた。追いついてはいないけれど、離されているわけでもない。着実にやることをやっていれば、どこかで機が熟す。まさに熟柿・・・
モビリティの話があまり多くはなかったきがする。特に過疎地域のモビリティとの融合は人口減少社会の中で重要課題の一つである。もう少し勉強したい。
個人的に「晴耕雨読」という考え方が好きで、もっと世界は天気に連動すればいいと思っている。最近Uberなどがある意味で天気連動のような価格設定になっているようで興味深い。雨の日クーポンという考え方もあるが、雨の日はクーポン出さずにお店を休みにするという考え方があってもいいような気がする。それとこの本の中にあるエネルギー利用のシフトの話はサイクルは異なれどすごく似ているきがする。 -
Posted by ブクログ
仕事用に読んだ本。数年前の本だから今と状況は変わっているが、電力の複雑性やバランスの難しさの部分は概ね変わっておらず、改めて頭の整理ができた。
モノ売りからコト売りへ、と言われて久しいが、こと電力業界にこの言葉を当てはめるのは難しい。どのような形式でできた電力であれ、需要家の手に届くころには同じ電気なのだから。電気の出自を気にして電気を選べる人はどのくらいいるのだろうか。もし選んだところで、それがどれだけの価値をうめるのだろうか。
再エネ利用の推進はしていく必要があるものの、バランスの観点を考えると、再エネばかりに投資するわけにはいかない。再エネで全てが賄えればもちろんいいけれど、例えば太陽の出ていない時間帯の電気を賄うためには、他の電力源が必要なのが実情である。一方で、需要が相対的に減るからこそバランスをとってくれる側の電力減は投資対効果が取れなくなる。バランスが徐々に崩れていく。だからこそバランスを取るための投資やお金が回る仕組みをみんなが必死に考えている状況なんだ。
電力源として何がいいかは、別の論として、安定した電力供給がいかに難しいかを整理して学べる本だった。
ここからは、全く関係のない、最近考えたことについて。
昨今電力需要が増えているのは生成AIに起因するデータセンター需要とも言われる。電力需要を落とせば、これ以上エネルギー消費を増やす必要はない。けれど、データセンターのような事業への投資を止めることは、資本主義社会の中で成長の遅れをとることになる。
なんか、お受験論争みたいだ。子どもの教育、お受験が必要なのか無駄なのかについての議論とちょっと似てる。これ以上エネルギーを利用することが本当に幸せなのかはもはやわからない。でも周りがやっているから、自分もやらないと置いていかれる。なんか、似てるな。
いい大学に入ることが幸せだなんて全く思わないけれど、今の世界では、いい大学に入ることが、一番確率が高い気もする。
いい悪いはわからないけど、同じ形をしている気がした。 -
Posted by ブクログ
知りたかったことがわかりやすく解説されている。
・電力系統:発電、流通、消費の3つの要素から構成される電力システム
・周波数を10秒程度で一定に保つ必要性
パワープールに蓄えられている慣性エネルギー(タービンの回転力として蓄えられているエネルギー)が放出される時間に相当
・系統全体の需給バランスが10%崩れると、周波数は2%(50Hz系統なら1Hz)変動、周波数が4%変動すると多くの発電機は運転停止
→常時の変動の範囲を±0.2Hz(0.4%)以内に収めるよう運用
・ロードカーブ(日負荷曲線)
夏の昼間、冬の夕方(最近は省エネ浸透、太陽光発電の普及で冬の夕方の方がピークが立つケースが多くなっている)
・蓄電池と電力量の関係例
テスラモデル3:75kWh
日本の乗用車6,000万台以上、半分で22.5億kWh
平均家庭1日電力量10kWh、日本全体の1日の電力量25億kWh
・連系:発電所や変電所を送電ルートで結ぶこと
・放射状(1ルート)とループ・メッシュ(複数ルート・迂回あり)が基本
・放射状は、ループフローが生じにくく潮流の管理がしやすい一方、安定度の問題が生じやすい(ループは逆)
地域間連系
・直流設備:周波数変換所、直流海底ケーブル等
→電圧が一定で送電線の絶縁設計が有利
→系統の独立性を保ったまま連携ができる
・交流設備
電気の3つの価値
・kWh価値:実際に発電される電気:卸電力市場(スポット市場、ベースロード市場など)
・kW価値:発電することができる能力:容量市場
・ΔkW価値:短時間で需給調整できる能力:調整力公募→需給調整市場
→電力自由化で電力システムへの参加者が増える中、それぞれの取引における認識の違いで市場に混乱が生じないよう、「電気の価値」ごとに3つの市場を設置
+非化石価値:非化石価値取引市場
・発電事業者、小売電気事業者(バランシンググループ):発電計画、受容計画を前日に提出、当日30分単位での実需給開始1時間前(ゲートクローズGC)までに当日計画を提出
・系統運用者:瞬時の需給のズレの調整→発電設備の所有者、アグリゲーターなどからの公募、契約によって調整力確保
・限界費用:メリットオーダーで並べて需要を満たす発電設備の中で最も高い燃料費単価
・需給調整市場の商品
一次調整力:系統運用者からの指令を待たず自端で発動できるもの、応答時間10秒以内、継続時間5分以上、可変速揚水発電、変電所設置の大型蓄電池など
二次調整力①(系統への並列必須):専用線での監視、5分以内応答、30分以上継続
二次調整力②(系統への並列任意):〃
三次調整力①(15分以内応答):3時間以上継続
三次調整力②(45分以内応答):〃
・ネッティング:広域エリアでまとめて調整することで必要となる調整力を減らす
◯再生可能エネルギー
3つの課題
①発電と需要の時間ギャップをどう埋めるか→フレキシビリティ
・短い時間でのフレキシビリティ
→揚水発電等
再エネ側に出力制御機能や擬似慣性力を付加
蓄電池やEVによるデマンドレスポンス
ERAB(エネルギー・リソース・アグリゲーション・ビジネス)
短周期変動問題:1日〜数時間・数秒単位
北海道ー本州間の連系線を通じて東電PGの調整力を提供
・長い時間でのフレキシビリティ
→現時点では他の発電技術によるバックアップが必要
長周期変動問題:年間・月間〜1日単位
再エネにも周波数調整機能を
◯日本の系統連系規程
・電力品質確保に係る系統連系技術要件ガイドライン
・系統連系規程
・系統連系技術要件(託送供給等約款別冊)
・系統アクセスルール
②発電と需要の空間ギャップをどう埋めるか
→日本版コネクト&マネージ
・想定潮流の合理化:全電源がフル稼働した前提ではなく実際の利用に近い想定で算定する方法
・N-1電源制限:緊急時用に空けておいた送電容量の一部を、事故時には瞬時に遮断する条件で平常時に活用する方法
・ノンファーム型接続:送電線の混雑時には出力を制御する条件で、新規電源の接続を認める方法
N-1電源制限により全国で4,000万kW以上の接続可能量が拡大
③発電コストをどう下げるか
◯レジリエンス
・ブラックスタート電源:電圧調整機能も必要
・N-1基準:(発電、送電、変圧等の)設備総数N個のうち、1個欠けたとしても残りの設備で電力供給を継続できる -
Posted by ブクログ
内容としては少々物足りないものの、エネルギーにまつわる産業の現状及び将来図を描いた良書である。特に、kWh・kW・ΔkW価値(DER化に伴い、kWとΔkWh価値向上)や託送料金に関するデススパイラル問題、電気自動車の市場参入等は分かりやすくまとめられており、なるほどと感じた。需要家目線では普段気にすることはほとんどないが、日本における電力制度設計は複雑であり、これらの課題に対応すべく柔軟に変更していく必要があるのだろう。
ただし、太陽光や風力発電等の再生可能エネルギーや蓄電池の指数関数的価格破壊が起こりうる、そうなった場合には冒頭のストーリーのように電気代という概念がなくなる、といった記載があったが、現状からは到底想像もつかないため夢物語であると感じてしまった。そのような未来が到来する日がくるとよいが、、、 -
Posted by ブクログ
著者の岡本氏は東電PGの役員であり、電気システムの権威である。
ニュースで太陽光発電がじゃぶじゃぶに入っていて、出力抑制されることが多いということをたまーに聞くけれど、それってどうゆうこと?と思った人は本書をオススメしたい。
電気って当たり前に使えるけれど、実は安定して(=高品質な)電気を供給するって非常に難しいことなのです。
ガソリンなんかはタンクに貯めておくことができるけれど、電気は作ったら光の速さで進み、それをちょうど同じ分だけ消費する必要があるのです。
今、スマホの充電を開始したら、どこかの発電所はその分だけ今すぐに発電をさせないといけない。
とは言え、タイムラグってあるよね、と思うけれど、それは同期発電機の慣性力で補っているのです。
太陽光発電(や風力発電)のように直流から交流に変換する機器(パワーコンディショナーという)はこの慣性力を持たない。つまり、太陽光発電がじゃぶじゃぶに入ってくると系統が不安定になるのです。
電気って目に見えないモノ(現象)だけれど、本書は(よくあるように)水路とのアナロジーで解説している。
電流が水で慣性力は池、水路が電線みたいな。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ電力ビジネスの今と未来について書いた本。素人にも分かりやすい言葉で書かれている上に、内容がコンパクトにまとまっているので時間をかけずに読むことができた。
原発事故でも感じたが、電気は私たちにとって当たり前にある一方で、電力ビジネスは想像以上に複雑である。電気を使うことイコール本書で言うところのKWh価値を買うと一般的には思われているが、KW価値、ΔKW価値というユニバーサルサービス的なものがあっての電力市場だということはほとんどの人は知らないのではないだろうか。そうでなければこんな無邪気にSDGsとか言っていられないだろう。
現状KW価値、ΔKW価値をKWhに対する料金で賄っているということだが、再エネ普及でKWh価値がほぼ0になった場合は、電気代というのはどうなるのだろうか。すぐに思いつくのはNHKのようにユニバーサルサービス料金を一律で徴収し、KWh価値からはほぼ徴収しないまたは接続機器の個数やら電力量で課金していくような形だろう。
KWh価値であれば、余剰電力をビットコインマイニングなどの電気をそのまま換金するようなビジネスでペイできるかもしれないが、KW価値やΔKW価値はやはり公共とする、または電池に活躍いただくくらいしか素人には思いつかない。まあ、このような悩みは再エネが順調に普及するシナリオでの悩みなので、そのレベルにまで再エネを普及させられるかの方がハードルが高いだろう(むしろその長い道のりのなかで、KW価値、ΔKW価値問題解決の糸口が見つかりそうだが)