電力ビジネスの今と未来について書いた本。素人にも分かりやすい言葉で書かれている上に、内容がコンパクトにまとまっているので時間をかけずに読むことができた。
原発事故でも感じたが、電気は私たちにとって当たり前にある一方で、電力ビジネスは想像以上に複雑である。電気を使うことイコール本書で言うところのKW
...続きを読むh価値を買うと一般的には思われているが、KW価値、ΔKW価値というユニバーサルサービス的なものがあっての電力市場だということはほとんどの人は知らないのではないだろうか。そうでなければこんな無邪気にSDGsとか言っていられないだろう。
現状KW価値、ΔKW価値をKWhに対する料金で賄っているということだが、再エネ普及でKWh価値がほぼ0になった場合は、電気代というのはどうなるのだろうか。すぐに思いつくのはNHKのようにユニバーサルサービス料金を一律で徴収し、KWh価値からはほぼ徴収しないまたは接続機器の個数やら電力量で課金していくような形だろう。
KWh価値であれば、余剰電力をビットコインマイニングなどの電気をそのまま換金するようなビジネスでペイできるかもしれないが、KW価値やΔKW価値はやはり公共とする、または電池に活躍いただくくらいしか素人には思いつかない。まあ、このような悩みは再エネが順調に普及するシナリオでの悩みなので、そのレベルにまで再エネを普及させられるかの方がハードルが高いだろう(むしろその長い道のりのなかで、KW価値、ΔKW価値問題解決の糸口が見つかりそうだが)