鴇澤亜妃子のレビュー一覧

  • 宝石鳥
    死んだ妻の魂を追い求める音楽家、消息を絶った恋人を探す少女の物語を二本の柱に、神の子である女王の継承の儀を主軸として、様々なエピソードが縺れ絡み合い、最後にするりと心地よく解けていく。まさしく宝石の羽根をまとう鳥のような、美しい小説でした。
    「ジェオウド」はジオード(晶洞)のもじりなのかな。だとする...続きを読む
  • 白き女神の肖像
    あまりにも美しい表紙と耽美な装丁に吸い寄せられて手に取った。

    「あなたは、誰?」

    この一文でこの幻想譚は始まる。
    1800年代後半から1900年代前半まで活躍した画家(もちろん架空の人物であろう)ショーンは、妻のディアーナをモデルに描いた「東方ノ乙女」という肖像画で、一躍時代の嬰児となった。ショ...続きを読む
  • 白き女神の肖像
    結末も詳細もよくわからなかったがストーリーは面白かった!表紙が綺麗!
    この世で最も美しい赤は文字で書いた赤→言葉一つにあらゆる赤が内装されていて、そのイメージは尽きることがない。
    これは分かるけど文字で書いた赤は赤なのか??
  • 飢え渇く神の地
    不思議な信仰。願いを叶える石。家族を探す青年。
    途中でわけがわからなくなり、戻って読み返すことたくさん。それでも、こんな感じ?程度にしか分からないのは読み方がせっかちだからかな。
  • 宝石鳥
    第2回創元ファンタジイ新人賞受賞作。現代とよく似た世界を舞台にした、喪失と再生の物語。説明過多な部分もあったけれど、作り込まれた設定と、幻想小説を思わせるような雰囲気が良かった。本自体の装丁も美しい。

    同新人賞の優秀賞を受賞した『ぬばたまおろち、しらたまおろち』もどのような作品か気になる。
  • 飢え渇く神の地
    現代風の設定とファンタジーの融合が珍しく、楽しく読めました。キャラの血縁関係の把握が難しかったです。
  • 飢え渇く神の地
    車やカメラがある時代のファンタジー。世界観的には19世紀ぐらいの印象だが、技術レベルはそれ以上な感じもする。

    私としてはかなり珍しいのだが、途中までは感想も書けないくらいで、評価が難しい。「面白い(?)んだけど・・なんだろう?」という感じで途中までは3点、最後まで読んで3.5点の作品。
    作者の2作...続きを読む
  • 白き女神の肖像
    美しき絵は、人を呑み込む。
    それはまるで、我が子を喰らうサトゥルヌスのように。
    凝った造りの装丁に胸がときめく。
    絵画と画家と、モデルたちの物語は、ファンタジーそのものだ。
    「天使派」と呼ばれる芸術家集団たちは、目に見えるものを、美の神の使者として、キャンバスに描く。
    しかし、その絵に描かれたのは、...続きを読む
  • 白き女神の肖像
    初読みの作家さん。東京創元社からのメールマガジンでタイトルと紹介文を読み、「これはおもしろそうだ」とサイン本(^o^)を予約した。うーん、一気に読んでしまったし、おもしろかったのだけれど、期待していたものとは違っていた。雰囲気で読ませるタイプの幻想譚、だろうか。結局なんだったのか、もやもやとした感じ...続きを読む
  • 飢え渇く神の地
    どういう文明、文化、時代なのか、自分自身いまいち固定できなくて、読んでて不安定でした。車あるの?とか、でんわなの携帯なのとか?

    読み進めていくと、いろいろな人物が交差してて面白かったです。実は血の繋がりがあっとか、同一人物だったとか、伏線を拾い集めていくのも面白かったです。
  • 宝石鳥
    話者の視点がわかりにくいこともあったが(意図的?)、予断を許さないストーリー展開に引き込まれた。文章も切れがあって好みです。時代を越え国を越えて物語が収斂していくのは気持ちよかった。
  • 宝石鳥
    音と色に溢れたお話だと思う。場面や視点がよく変わるので、入り込むまで少し時間がかかった。ファンタジー新人賞というのでどんなファンタジーかと思ったけれど、案外現代的て、古事記や聖書のような、伝承のお話。
    2018/2/19