雪白いちのレビュー一覧
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見えている表情からは想像できないほど、ニセモリ事件はイブに影響を残していたようで
触れてしまった人の悪意、目の前にした義兄弟への殺意、暴走した己の力…
普段のイブは言動はコミカルでも感情表現が豊かなのかといえばそうではなく。だからこそ内側に溜め込んだ感情は本人すら制御できない
そんな危うさを見守ってくれる年長者が傍にいる。イブは既にコネに恵まれているね
20話から始まる新たなエピソード。本作に登場する竜は群れないからこそ、他の竜との関係性が前面に出てくると珍しく思える
新登場した三の姉はかなりのブラコンだったね。それもヤベぇレベルの。鬱陶しいと言われて微笑ましく感じるのは末期を通り過ぎて -
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本作は親と子、保護者と被保護者の関係性を強く感じる話が多かったりするのだけど、あのユウルでさえも大叔父の保護を受ける立場というのは少し意外だったかも
13話前半の様子だけを見ると、ユウルは大叔父相手であっても普段通りの口調で容赦ない対応。けれど、描写が積み重ねられルドルフがユウルをどう案じているか、ユウルがルドルフをどう気遣っているか。双方の裏の感情が示される事でユウルへの印象すら変わってくるのは面白いね
彼もまだ保護者を心配させる子供だったわけだ
16話から始まるのは新たな新たな竜を巡る物語。ここに竜だけでなくサトモリやサトモリの守護にあやかる村人が描かれる事で話に広がりと意外性が生まれ -
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第1巻にて活動拠点と最低限のコネを手に入れたこともあって、続く第2巻ではコネという名の人脈を更に広げる様子が描かれているね
宿屋の主人であるユウルだけでなく、エルフさんも登場したことでイブの周囲がより華やかになった印象
エルフさんは良く言えば世渡りが上手い、悪く言えば他者を立ち入らせないタイプか。秘密主義的かと思いきや、そこには別れを哀しく思う感情が底流に有ったようで
それでも長生きするというイブの言葉を信じて名を明かしたエルフさん改めロゼ。二人の先行きの長い交流に期待膨らむ出会いとなったね
竜の卵に竜殺し。思わず心躍る単語から始まるドワーフ集落での騒動。イブを見守るネムが竜であり、イブ -
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雪白いち先生の作品を読むのは久しぶり。前作のヒロインである和泉と本作の主人公であるイブは表情の雰囲気が非常に似通っているけど、こちらはコミカル成分がマシマシになっている影響で作品全体も非常に賑やかになっている印象を受けるね
イブは屑篭の森に捨てられた身の上でありながら、ドラゴンのネムが与えた生き血を飲んでからは非常に逞しい性格と体力に
巨大なドラゴンに食事を要求するだけに留まらず、おやつまで要求してみせたイブの逞しさは一種の才能かも(笑)
一方でその逞しさが親代わりのネムを死後の世界から召喚してしまう事態へと至るのだけど
喚び出した理由が「やり残した事あるか訊きたくて」は斬新過ぎる(笑)
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不思議な力を持つ和泉さんと、そんな彼女が行う宝物返しを手伝うクラスメートの椎名くんの二人物語シリーズの初作である。
基本的には人と人との繋がり、宝物を保管していた和泉さんの祖母と人々の繋がりを一つ一つ辿っていく連作短編であるが、二話の「椎名くんの調子はやや狂いがち」で見られるように、それは必ずしもハートフルな物語ばかりではない。
合縁奇縁というが、そうした何かを見直していくボーイミーツガール系の物語となっていくのだろう。
ここではひとまず星四つ半相当と評価したい。
これからの物語も楽しみに待ちたいところだ。2巻は来春の発売と、少し先になってしまうのが残念ではあるが、七話収録であるか -
Posted by ブクログ
壊れてしまった杖、核の部分は生きているけど、これまでのような使い方は難しい
だから新しい杖を欲するのは当然なのだけど、これまでより良い品をと思うと各素材の入手難易度が上がり、製作に時間が掛かると
その中で驚きの要素となったのは芯にネムの骨を使う点か。既にネムの心臓結晶を使用している杖、これまでよりも貴重度が跳ね上がりそうだ
そうして再訪した屑篭の森では改めてあの空間の不思議さを感じさせる結果に
ネムの死骸が既に白骨化しているのが不思議なら、魂召喚した際の焼け跡が消えているのは何とも奇妙な。白骨化だけは竜の特性なのかな?
そういや、ネムが屑篭の森を終の棲家に決めた理由ってこれまで明示されてたっ -
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様々な人に宝物を返していくという筋書きなのだから、いくらでも続けられる作品だろうと思っていたらまさかの2巻で終わってしまった。
和泉と椎名の距離がゆっくりゆっくりと近づいていく様をもう少し見たかったのだけれど残念。
第二巻では和泉と椎名だけでなく真里さんが再登場し、更には甲斐田先輩も話に加わったことで第一巻よりも賑やかになった印象。
それでいて和泉の発言やふとした仕草に赤面してしまう椎名の様子もこれでもかと盛り込まれている
藍子さんの友達の発言で心を揺らし、宝物返しの先にある光景に気付き涙を流してしまった和泉。ここで椎名がこれからの和泉に必要な、恐らくは藍子さんの思惑に沿った言葉をきちんと