モートン・ハンセンのレビュー一覧
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10x(テンエクサー)型リーダーの特徴
1、狂信的規律
一貫した価値観、一貫した目標、一貫した評価基準、一貫した方法をはじめ、徹底した「行動の一貫性」をします。
長い時間を経ても行動がぶれない。
2、実証的想像力
不確定な状況に直面するとき、科学的に実証できる根拠を頼りにする。自らじかに観察し、実験を重ね、具体的な事実と向き合う。
実証的な基盤をしっかりと築くからこそ、大胆で創造的に行動できる。
3、建設的パラノイア
良いときでも悪いときでもガードを崩さない。潜在的脅威や環境変化がないか監視するため、常に高感度なアンテナを張っている。
警戒心や不安をテコに行動する。最悪な状況を想定して日頃から準備を怠らず、有事対応策を練り、衝撃緩和の仕組みをつくり、安全余裕率を高める。
4、レベルファイブ野心
1〜3を活性化させるのがやる気を起こす原動力「レベルファイブ野心」。
自己を超越した大義を達成したり、偉大な企業に育てたりするのに不可欠な情熱である。
狂信的規律(20マイル行進)
良い20マイル行進の特徴
①明確な工程表
②自制心
③企業ごとの独自仕様
④他力本願ではなく自力達成型
⑤ゴールディロックス時間。無理がかからないほどゆっくり進むが、厳しさを伴うほど速く進む
⑥企業が自らに課す規律
⑦並外れた一貫性
財務的指標である必要はない。良い行進の特徴を維持している限り、創造的行進、学力行進、サービス改善行進などの行進形態があってもいい。
20マイル行進は自信を生み出す。どんな突発的ショックに見舞われても、20マイル行進を徹底する。
こうすることで「成果を出せるかどうか決定づけるのは、自分が置かれた状況ではなく、自分が打ち出す行動」であると自ら証明できる。
20マイル行進を実践すると、自分ではどうにもならない制御不能な環境下でも自制できる。
Q.H&Gにとっての20マイル行進とは何か?
実証的想像力(銃撃に続いて大砲発射)
10x型成功の要因は「銃撃に続いて大砲発射」であり、飛躍的なイノベーションや天才的予測能力ではない。
銃撃とは「低コスト」「低リスク」「低ディストラクション(気の散ること)」の3条件を満たす実証的テストのこと。
実証的な有効性を確認した上で大砲を発射し、そこに経営資源を集中させる。このように大きな賭けに出ることで大きな成果を狙う。
10x型企業は標的に命中しない銃弾を大量に撃つ。どの銃弾が命中するのかは事前に分からないからだ。
精度調整をしたにもかかわらず砲撃に入らないでいると、平凡な結果しか出せない。重要なのは銃撃に続いて大砲を発射すること。銃弾か砲弾のどちらかを選ぶということではない。
難しいのは厳格な規律と創造力をうまく融合させること。そのことで並外れた一貫性を持ってイノベーションを展開できる。大きく賭けて創造的に飛躍するというのは神話に過ぎない。
Q.H&Gにとっての「十分な銃弾」とは何か?
建設的パラノイア(死線を避けるリーダーシップ)
①前もって突発的出来事と悪運に備えるために、十分な手元資金を積み上げ「バッファー」を用意する
②リスクを抑える
死線リスク
非対称リスク
制御不能リスク
③「ズームアウト」に続いて「ズームイン」。状況変化を察知し、効果的に対応するために徹頭徹尾用心深くなる
10x型リーダーはスピードに特別な思い入れを持っていない。リスクの性質(リスクプロファイル)が変わるまでの限られた時間を使って、用心深く厳格に判断する
Q.H&Gにとっての想定されるリスクとはどんなものがあるのか?
SMaCレシピ
具体的である(Specific)
整然としている(Methodical)
そして(and)
一貫している(Consistent)
SMaCレシピは永続性のある実践法一式であり、着実な成功を可能とする基盤になる。
レシピ内容は明確・具体的。
「何をやるべきか」「何をやってはならないのか」について明示しており、会社全体が一丸となって業務改善に取り組めるように作られている。
いったんSMaCレシピを手に入れたら、10x型k業はレシピをたまにしか変更しない。
Q.H&GにとってのSMaCレシピは何か。レシピ変更は必要か。 -
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『世界最悪の旅』というタイトルで新潮社ノンフィクション全集にも収められている、スコット隊とアムンゼン隊の南極探検の話が好きで、この本にもその比較の検討が載っていると知り、そこだけ読もうと思って読みはじめたんだけど、結局面白くて全部読んだ。
ビジョナリー・カンパニーは、1〜4まで刊行されていて、なにをもって「ビジョナリー」とするかは各刊毎にそれぞれ違っているという紹介が冒頭に出てくる。4では、『逆境で輝く』ということを "ビジョナリー" の1つの大きな特徴としている。
では、その「逆境で輝く」企業の条件とは何か?ということを、冒頭で上げた南極探検の2つの隊の比較をはじめ、多くのデータを用いて探っていくのが本書の内容となっている。
しかし、膨大なデータを集めて解析したものの、出てきた結論は結構当たり前のことをいっている。たとえば、「準備が本当によくしっかりとなされている」とか。
だから、この本の結論だけを読んでみると、「なんか当たり前のこと言ってるな」となるかもしれない。ただ、そこに至る経緯が面白い。
たとえば、冒頭であげた南極大陸の2つのチームの準備を比較すると、本当に、準備の練り具合が一目瞭然に違う、ということがわかったりする。
不幸にも帰還出来なかったスコット隊は、こうして後から客観的に書かれた読み物を読めば、誰でもわかるような致命的な準備不足を、しかも1つではなくいくつも重ねているし、南極に到達した上無事帰還したアムンゼン隊率いるアムンゼンは、準備に厳しく余念がないことが、やはり1点だけでなく多くの点にわたっていることが窺える。
他に、同時刻にエベレストの頂上を目指した複数のチームのうち、ゴールを達成したチームと不幸な結末を迎えることになってしまったチームとの比較分析もある。
また、九死に一生を得た人の体験を掘り下げ、分析し、個人においても「逆境で助かる」ことの条件を述べている。
こういった、本書の最終的な結論に至る "過程" に興味があれば、やや厚い本ですが、面白いと思う。
ただ、上述した南極探検やエベレスト登頂の悲劇について知りたい場合は、それぞれほかにも本がいろいろと出ているので、比較検討のうえ、どの本を読むか決めるのもよいと思う。 -
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運も含めて考察している部分が出色。3まで読んでいたので、ほぼ義務的に読んだが、引き続き面白かった。
いかにも学者本然としていなく、コンサルタントのエッセイ本っぽいが、よく指摘される通り巻末で示されるデータを見せられると、やはり立派な論文と思えてしまう。
10x型リーダーや二十マイル行進のようなフレーズも健在。造語・キャッチフレーズ化によって自分のペースで論旨を繰り広げるところは、もはや芸人の域だが、それらは的を得ていてイメージしやすいため、確実に本書の理解の助けになっている。ただし読んでいない人にこれらフレーズを説明しにくいのは難点か。 -
Posted by ブクログ
私の教科書の1つである『ビジョナリーカンパニー② 偉大な企業になる』の進化版が本書。
レベルファイブリーダーをさらに超えた永続的な成長をもたらすリーダーを”10X型リーダー”と定義し、その主要な行動パターンを洗い出していく。
10X型リーダーが見せる主要行動パターンは、
1. 「狂信的規律」
2. 「実証的創造力」
3. 「建設的パラノイア」
この3点セットに命を吹き込むやる気の原動力が「レベルファイブ(第5水準)野心」
と定義づける。
本稿の中で参考になった新たな概念が、”SMaC”という概念。
それは、具体的で整然とした一貫レシピのこと。
SMaCとは、"「具体的である (Specific)」「整然としている (Methodical)」「そして (and)」「一貫している (Consistent)」の頭文字を使った造語。不安定で刻々と変わり、情け容赦ない環境であればあるほどSMaCである必要がある" と、企業が拠るべき具体的な指標で、しつこく追跡されるべき目標数値なのである。
ただこれではまだやや抽象的。そこで役に立ったのが、サウスウェストのSMaCである。
(例)サウスウェストのSMaC *本稿より抜粋
1. 2時間以内の近距離路線に徹する。
2. 10~12年にわたって主力機として中型機ボーイング737を使い続ける。
3. 航空機稼働率を高く維持する。ゲートターンは迅速に、できれば10分以内にする。
4. 乗客は我々にとってナンバーワンの商品。航空貨物や郵便物は運ばない。利益率が高く取り扱いコストが低い小包は例外。
5. 引き続き航空運賃を低くし、できるだけ多くの運航便を維持する。
6. 機内食サービスは手掛けない。
7. 他社との乗り継ぎなし、発券・空港税・コンピューター関連コスト。我々の空港は独特であり、他社との乗り継ぎには適さない。
8. テキサスがナンバーワン市場。需要が大きい近距離路線市場がある場合に限って州外にも就航する。
9. 家族と人間を感じさせるサービスと共に、楽しさを感じさせる雰囲気を維持する。
10. できるだけシンプルで行く。航空券の代わりに売上伝票兼領収書を使う。搭乗口で出発10分前にキャンセル待ちの客を搭乗させる。単純なコンピューターシステムを使う。「エグゼクティブサービス」でソフトドリンクは無料提供、搭乗口でコーヒーとドーナッツは無料提供する。全席自由席にする。乗客名簿はテープ録音する。航空機と乗務員を毎晩ダラスに戻す。本拠地と整備工場施設は1つだけにする。
このSMaCに自らがたどり着くことが重要であり、さらに重要なのはそれをしつこく追い続けること。結果に残るかどうかは、行動し、それをしつこくフォローし続けること以外に、結局ないのかな、というのが学びである。 -
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ネタバレP.96 なぜ一定のペースで成長しなければならないのか
これは一貫性の問題なのか。不確実な状況下であるから一定の規律を維持することが、成功の確率を高めるということか。P.102の記述をみるとそうらしい。一定の定量的な目標は文化や規律を維持せしめる。つまり、狂信的規律を具体化したものが二十マイル更新である
若干ドルコスト平均法的な雰囲気がある
・そのうち内容をクイズレットに入れようと思う。
読んでいると、
失敗した企業も10exer 的な行動を避けるという意味で共通性が見出せる。
では、なぜ彼らはそのような意思決定をしたのか。
一定の合理性に基づいて行った判断が破滅へと繋がっている。
両者は自身の合理性に基づいているという意味では同じなのだろうか。
それとも、自身の規律を自身の合理性以外を事由に変えてしまったのだろうか。
なんとなく、モデル企業の経営者は頑固そうだから、後者が理由になりそうだが。
企業ではなく、経営者に焦点を当てた研究があっても面白いかもなぁ。
ただ、内容は文句なく面白い。
事例が多くするする読める。
★マイナス1は、目からウロコ感がなかったから。
結構普通のことをみんなやっている。
それが難しいということなんだろうが。
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Posted by ブクログ
ビジョナリーカンパニーの4冊目。3冊目がでたのが2年くらいまえなので、かなり早いスピードだな。3冊目のなかでもこの本の話しがあったので、同時並行でプロジェクトをやっていたんだろう。
それにしても、このシリーズのスゴさは、実証の方法論的なソフィスティケーションと徹底的な調査を踏まえつつ、事前の予想、当たり前の結論とはかなり違う答えを見つけ出す事だ。
これは驚くべき事で、通常、調査を徹底的にやると訳が分からなくなって、調べなくても分かっていることしか言えないことになることが多いからだ。
今回は、先行きが見えないなかで、企業はどうやって成長するか、というのがテーマ。これは今自分が直面している状況にぴったりフィット。とても参考になった。
この本の答えは、外部環境とは関係なく、人間の意志によって、未来は創れるということ。
くどいようだが、こういう結論が、徹底的に実証的な研究からでてくというのは本当にスゴいことだと思う。