温又柔のレビュー一覧

  • 来福の家

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    第33回すばる文学賞(2009年)佳作となった「好去好来歌」と「来福の家」の二編を収録。「好去好来歌」は著者自身の来歴を綴ったような一編。台湾生まれで3歳から日本で育った若い娘・楊縁珠(よう・えんじゅ)の言葉への思いと自己のアイデンティティーを探る物語だ。母語を持たない者の漠然とした心理的不安がよく描かれた一編。まさに著者のような立場の者ににしか書けない作品だ。このタイトルに使われている「好去好来歌」とは、本来、山上憶良が唐への出発を目前に控えた遣唐大使・多治比広成へ送った歌のことで、北京へ留学するボーイ・フレンド田中への惜別と縁珠からの励ましと受け止めた。「来福の家」は一転、明るいお話。前作同様、台湾から仕事のためにやって来た両親の元、幼いころから日本で育った二人姉妹、姉・歓歓と妹・笑笑の物語。それほど長くない物語の中に、言葉をめぐる日台中三か国の関係と、外国で暮らす人々の言葉の苦労などがよく組み込まれている。どちらかと言えば、肩肘張らない表題作の「来福の家」の方が好ましく思えた。

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    2011年07月16日
  • 来福の家

    Posted by ブクログ

    読み始めは取っつきにくさを感じましたが、読み進むうちに、だんだんと笑笑ちゃんの世界を理解することが出来るようになった様に感じてきました。小説を読んでいると自分の知らなかった世界を疑似体験したように感じるときがある。この本もそんな感じを抱かせてくれました。台湾で産まれて日本で育った笑笑ちゃんとその家族。その方々と知り合いになれたような感じです。

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    2011年07月16日