寿木けいのレビュー一覧
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先ずタイトルに触れねば…。
閨=寝室。厨=厨房、台所。の意味。
このタイトルに惹かれ、中身をパラパラ。いかにも大手広告代理店の女性コピーライターが付けそうなケレン味溢れるタイトル。プロフィールを見ると編集者。見立てはそうズレてない。そんな第一印象を抱き、読み始めた。
この随筆には、著者の様々な貌(かお) が登場する。
妻の、母の、働く女の『貌』。
笑い、泣き、怒りの『貌』。
女同士だから見せる『貌』。
時間によって移ろう『貌』。
様々な貌に去来する思いを練達な文章で綴る。そこには書く上での『マイルール』を課しているかのような強い矜持を感じる。
独善的なポエムや情緒過多には強い恥じらい、 -
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Twitter界では有名な「きょうの140字ごはん」のアカウントの持ち主、寿木けいさんのエッセイ集。
元々は出版社に勤務されていた方で、料理がらみの本を数冊出されているほか、食や生活にまつわる連載もいくつかされている。
シンプルに、文章の雰囲気がとても好き。
本屋でパラパラめくってみた後、あまりにも文章が好きだったので全部読みたくなって購入。
夜にまつわる「夜の一篇」と朝にまつわる「朝の一篇」が交互に配されるかたちで、夜が10篇朝が10篇合計20篇のエッセイ。
閨(寝室)と厨(台所)というタイトルがとてもしっくり来る。
読み終えるのがとても惜しくて、なるべくゆっくり読んでしまった。
内容は、 -
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愛しい小酌
旬のものを、ちょっとだけ手を動かして、素敵な小皿を。
お酒と小皿のコンビプレーが、心を少し回復してくれる。仕事をよくする人は、お酒を美味しく飲む人だ。
もちろん、飲める人飲めない人、いると思うけれど、一皿をサラッと美味しく作れる人は、すごく魅力的だと思う。モロヘイヤとパクチーの豚しゃぶ、これは美味そうだ。お酒にも合いそう。面白いのは、ウォッカベースのお酒が紹介されてたりする。夏は、ウォッカとライムだよね、なんてメキシコ的な。ただ、家にウォッカを常備しているので、すごくよくわかる。グレープフルーツと組み合わせたパルマ、あとはマルガリータ、やっぱりどこか静けさと熱さがあるお酒。日本的な -
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最近、料理がもっとできるようになりたいなぁと思っていて、積読してあったものを手に取った。
私は母ではないけど、毎日料理にたっぷり時間をかけられるわけでもないので、きほんの10品が作れるようになれば色々できるようになる、という考え方はとてもいいなぁと思った。
料理のパートもよいし、好きなのはエッセイのパートだ。寿木さんの考えていることが率直に飾らない言葉で書いてあって、その「飾り気がないにも関わらずちゃんとしてる感」に少し前の自分なら意識低い人がこれ読んだらどう思うだろう、とかどこにいるんだか分からない他人に変なおもねり方をしたと思うけど、自分でも料理ができるようになりたいと思っている今は、寿木 -
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寿木けいさんのエッセイ。『泣いてちゃごはんに遅れるよ』『土を編む日々』、けいさんのエッセイをいろいろ読んできたが、遠矢山房という紹介制のゲストハウス?のような宿泊施設を開業し、ごはんも作っていて、そこでの暮らしのエッセイ。遠矢の様子もInstagramで検索してみたが、写真もとても美しく、一度行ってみたいと思えるものであった。遠矢のメニューも載っているのだが、そのメニューを見るだけで、季節を味わえる不思議。
『泣いてちゃ〜』『土を編む日々』のエッセイは刺さり好きなのだが、今回のはいつもの寿木さんと違うように感じた。が、最後の方に、夏休みのエピソードで、こどもと過ごす時間は短く、仕事をセーブし、 -
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他にはないレシピで人気のTwitterアカウント「きょうの140字ごはん」の中から、本当に美味しいと思った365レシピを紹介。
140字でまとめられた、四季折々のレシピ集(プラスちょっとだけエッセイ)。
季節感を大事にした、なんだかお洒落で真似してみたくなるようなレシピがいっぱい。
イラストが多く、カラー写真のページなんかもありぱらぱら眺めているだけでも楽しいです。
タイトルに「レシピとよぶほどのものでもない」とついているだけあって、詳細な作り方が紹介されているわけではないので、簡単そうに見えて、実際試してみるにはある程度料理に慣れた人向けかもしれません。