小松貴のレビュー一覧

  • フィールドの生物学14 裏山の奇人 野にたゆたう博物学

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    昆虫学者としての凄まじいフィールドワークに驚くとともに、好きな事にここまで夢中になれる姿に憧れます。
    ペルーへ行っても、マチュピチュには見たい虫がいないからそんな場所は魅力ない、とブレない価値観を感じます。

    専門のアリヅカコオロギだけでなく、虫以外の生物へのアプローチも野性味と知恵を駆使していて面白いです。
    四大奇人の一人として後世では語り継がれている方だと思います。

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    2025年08月26日
  • フィールドの生物学14 裏山の奇人 野にたゆたう博物学

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    2014年出版。筆者が32歳の時に出版された初作。「フィールドの生物学」と有るが、固くない。固い部分もあるが、ベースが無頼な感じで楽しい。文章が固くないし、人付き合いが苦手な事、18禁ゲームの2次元キャラを愛でている事、食えなくて辛く不安定な事なども盛り沢山。子供の少ない(ほぼいない)環境で幼少を過ごし、虫に強く惹かれた事と相まって、ひたすら虫と戯れ・経験値を上げ、2歳の時点で虫取りのコツを習得してるとか並じゃない。
    多くの博物的な書籍は、個人的に好きだけど大抵は眠くなる。が、この本では全く睡魔が寄り付かなかった。
    この本は筆者32歳で出版されているが、現在は43歳。2022年以降は研究職のポ

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    2025年05月12日
  • 昆虫学者はやめられない(新潮文庫)

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    昆虫の生態に関する記述を通して、「人間もまた生物の一種である」という視点を意識させられた。
    メスがフェロモンを放出してオスを呼び寄せる場面で、「人間のオスも同じように、知らぬ間に“呼び寄せられている”のかもしれない」と気づかされる。なのに、オスは自分の魅力でメスを引き寄せていると思い込んでいる様子に滑稽さを感じた。

    昆虫の話を面白く感じられるのは、それぞれの生態に込められた「エッセンス」があるからであり、自分の仕事の話もこうした視点で丁寧に切り取って積み上げていけば、面白く語れるのではないかとも感じた。

    昆虫の「暗いところが好き」「湿ったところが心地いい」といった、生まれ持った性質に従って

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    2025年04月05日
  • 絶滅危惧の地味な虫たち ──失われる自然を求めて

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    ネタバレ

    著者の小松貴博士が、自身の研究やプライベート?の中で見つけることが出来た節足動物の発見記がベースとなっている。
    ただ単に対象生物の特徴や珍しさを記載するだけでなく、その生活史や発見記録からどのような生態なのかを想像し、戦略的に見つけるための方法を記載している点が、他の書籍とは一線を画する点であり、非常に面白いと感じる。
    また、著者は生物多様性を意識した環境保全について本気で考えており、書籍の中でも環境関連の問題提起や、読者に対してどうしてほしいか、といった注意喚起もあり、好感を持っている。
    あと、書籍中に記載されている節足動物に関する知識が非常に興味深いものが多い。

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    2024年12月31日
  • 昆虫学者はやめられない(新潮文庫)

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    虫の知識と採集や研究の苦労話のバランスがすごく良くて読みたかったのはこれだー!ってなった
    語り口も軽妙だけど軽すぎずでこれも読んでて心地良い
    カラスの話が一番おもしろかった(虫は!?)

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    2024年06月28日
  • 昆虫学者はやめられない(新潮文庫)

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    研究者がどんな考えを持っているのかを探れる本。そういう意味でとても興味深かった。
    出てくる昆虫は正直知らなかったが、ものすごく昆虫が好きというわけでなくても楽しめる。

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    2023年12月22日
  • 怪虫ざんまい―昆虫学者は今日も挙動不審―

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    読んだら絶対に小松先生ワールドに引き込まれ、ファンになる!
    これほどまでにひとつこと(昆虫)に魅せられて没頭できる人は幸せだと思う。そして、それを全面的に理解し支えてくれる奥様に、ありがとう!とぜひ伝えたい。だってそのような奥様がいるおかげで私たちは小松先生ワールドを楽しめるのだから。
    どんな世界でも一流になるにはそれぞれの世界で半端ない努力を重ねないとならないものである、というのは特にスポーツ界では言うだけ野暮だけど、この本を読めば昆虫研究の世界でも(想像しがたいことではあるけれど)同様だといいうことがよくわかる。

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    2023年07月11日
  • ハカセは見た!! 学校では教えてくれない生きもののひみつ ~生きものの知られざる素顔~ マルいアタマをもっとマルく! 日能研クエスト

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    生き物オタクの生き物採集の話が面白かった。成功談も失敗談もあり、話に山場がある。子供に読み聞かせしたい、と思う臨場感あふれる採集経験談。

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    2023年01月23日
  • フィールドの生物学14 裏山の奇人 野にたゆたう博物学

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    著者の子ども時代、すげえなあ。小さい時から虫に取りつかれている。こうでなくっちゃ、虫博士にはなれんよなあ。虫についての著者の奮闘、すさまじく面白い。はああ、って感心、茫然って感じ。内容、豊富で濃密、すごいよすごいよ。日本学術振興会のお仕事の後の勤め先が見つかることを祈っています。

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    2019年09月24日
  • 絶滅危惧の地味な虫たち ──失われる自然を求めて

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    多くの地味な虫たちがどんどんいなくなっているんだろうなぁ…というのはなんとなく感じていたけれど、それを1つ1つ追跡調査しているところがこの本の凄さです。人間はホントに罪深い。

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    2018年10月09日
  • フィールドの生物学14 裏山の奇人 野にたゆたう博物学

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    いやー,面白い本だった。
    著者は,「好蟻性昆虫」を主な研究対象としているようだけど,本書の題材は,その研究に付随しながら,著者の好奇心のおもむくまま,もっと多岐にわたる。
    で,そんなマイナーな研究をちびちびとやっている話かというと,そうじゃない。
    文章が上手だからなのか,「研究が大好きだ」と言うことが伝わるのからなのかは知らないが,この極めてピンポイントでしかない話題を,たのしくドキドキしながら読ませる力がある。
    文章力があるんだろうなあと思う。研究者然としない文体は,とても好感が持てて,「おれも研究者になりたかったなあ」って思ったりもした。
    著者の小さい頃を知っている知り合いの話では,その頃

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    2015年08月31日
  • フィールドの生物学14 裏山の奇人 野にたゆたう博物学

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    ネタバレ

    『裏山の奇人』ということで(一体どんな奇人なのかしら///)とゲスなときめきを抱いて読む。

    腐心してカラスの仲間になることに成功し、心満たされた翌日にはカラスに攻撃されたくなり攻撃対象になるように努力したりと、奇人といえば奇人なのかなと思う。
    でも文中のそこかしこに(こんなことするオレって奇人だろ?)っぽい雰囲気が漂っていてそこが個人的に残念です。

    真性の奇人かどうかはさておいて、昆虫や動物に対する愛情のほとばしり方が素晴らしいです。
    私も幼い頃に野生動物にちょっかいを出しては玉砕し続けた過去があるので、著者の忍耐力には脱帽しました。到底かないません。
    動物や虫の習性を逆手にとって観察・推

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    2014年12月04日
  • フィールドの生物学14 裏山の奇人 野にたゆたう博物学

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    昆虫研究者である小松貴氏の著書、彼の専門はアリに寄生する生き物「好蟻性生物」なのだそうだ。多くの生物学者と同じく、小松氏も子供の頃から生き物好きだったらしい。しかも二歳の頃にアリの巣に住み着くコオロギを発見するなど、好奇心だけではない鋭い観察眼の持ち主だったようだ。

    今でも小松氏が研究対象としているアリヅカコオロギにはいろいろな種がいて、アリから直接餌を受け取るスペシャリスト型や、アリに嫌われながらもアリの巣に住み続けるジェネラリスト型など、見た目はほとんど変わらないのに非常に興味深い生態である。

    近年、外来生物による生態系の破壊が問題になっているが、小松氏が解説するところによると生態系が

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    2014年11月01日
  • フィールドの生物学14 裏山の奇人 野にたゆたう博物学

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    バードウォッチングや植物観察のような比較的知名度の高い自然観察でも、普通?の人から見ると、「鳥を見てどうするの」といわれることも多い。道ばたの石をひっくり返して蟻の巣の中に同居している生きものたちに夢中になっていれば更に変な人あつかいされるのは、同類項としてよくわかる。でも研究者でなくても、世界中のどこにいても、当たり前と思われている生き物を眺めていても楽しめる人はしあわせだと思う。変人バンザイ。

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    2025年07月27日
  • フィールドの生物学14 裏山の奇人 野にたゆたう博物学

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    好蟻性生物の研究者である著者が幼少から研究者になるまで、裏山をベースに出会った生き物たちや起こった出来事のエピソードを語る。

    アリの巣の中にいろんな虫が住んでいることや、アリの力を借りたり騙したりして生きている生物が色々といるのは知っていたけど、そうしたジャンルを好蟻性生物と呼ぶのは知らなかったし、意識もしなかった。生き物の世界は何でもそうだと思うけど、奥深くてユニークで面白い世界だ。その、小さくて狭くてい世界を存分に深掘りしてくれて、とても興味深い生き物たちの生態やエピソードがとても面白い。
    また、社会不適合者で生き物マニアで変態(褒めている)の著者が、自分の生活の場からほどない自然を舞台

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    2025年11月30日
  • 昆虫学者はやめられない(新潮文庫)

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    蜻蛉の幼虫を研究していらっしゃるので
    車の中には網、バケツ、パッド、胴長靴、
    その他一式をいつも用意されておられる
    虫博士の友だち、
    野山の道を歩く、それもじっくり観て歩かれる
    ので、1メートルを30分は優にかけた観察者になってしまう森の案内人、
    そんな素敵な方たちと友達付き合いをしていると
    自ずとこの手のタイトルがついた本には手が出てしまう。
    そんな友だちに教えてもらったのは
    この世の中は不思議に満ち溢れているぞ、
    と言うこと。
    小松貴さんの周りにいらしゃる方たちも
    きっと このことには同意してくださる
    と思います。

    そうそう、最後の「この裏山の片隅で」の中で小松さんがそこにいるはずの無い

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    2025年07月08日
  • 昆虫学者はやめられない(新潮文庫)

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    昆虫学者に分類学者、その道を究めている人たちって本当に尊敬します。新種の章がすごく興味深く、パリの博物館まで標本を見に行くとか、許可があれば郵送で借りることもできるとか、それも専門家として業績をあげて先方からの信用を得なければならないとか。図鑑に載ってる昆虫さんたちの生態等、先人や今なお研究に励んでくださっている方たちのただならぬ熱意と執念の塊なんだなと思いました。私もカラスと仲良くなったりケンカ(著者のはもっと壮絶)をしてみたい!カエルと合唱なんて、唄の世界だけの話しだと思っていたら、現実にやっている人がいるなんて!
    “自然を大切に“の根拠のような本だと思いました。

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    2025年01月21日
  • 昆虫学者はやめられない(新潮文庫)

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     小学生のころ、夏休みにカブトやクワガタ、セミを採るのに熱中した時期はあったが、いつの間にかその熱は冷めてしまった。多くの人はそんなものだと思う。しかし、著者がすごいと思うのは、虫を発見、収集すべく、極寒の夜中に何時間も待ち受けたり、交通の不便なところや海外の危ないところにまで出向いたりと、その辛さを嘆きつつも、実に楽しそうに虫を探しているところ。一つのことに熱中するというのは本当にすごい。

     確かに本書の口絵写真を見ると、美しいなとかすごいなと思えるような昆虫もいるが、紹介されているように何ミリしかないようなムシを一生懸命探すというのはやはり相当に好きでなければできないことだ。著者は昆虫学

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    2023年12月11日
  • 怪虫ざんまい―昆虫学者は今日も挙動不審―

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    本書でも注意しろと書いてあったが、子供の頃アメンボウのことをミズスマシと言う人が沢山いて、しばらく間違えて覚えていた。
    本当のミズスマシは見たことがないか、見ても単に「虫」としか思わなかったのだろう。

    小さい頃は東京の住宅街である中野区に住んでいたが、今と違って自然がたくさん残っていた。
    近所のキャベツ畑にはモンシロチョウの幼虫がいて沢山家に持ち帰ったもんだ。
    人が入れる土管があった空き地の草むらにはイトトンボがいた。
    哲学堂公園の沼ではヤゴをつかまえて、トンボになるまで観察したこともいい思い出だ。

    家の周りの木にはクワガタやカブトムシがいたし、あの奇麗なタマムシも見たことがある。
    ミノム

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    2022年09月23日
  • 怪虫ざんまい―昆虫学者は今日も挙動不審―

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    昆虫学者の本音ダダ漏れで面白い。世の中、こんな虫がいるんだなーと驚くばかり。虫の研究者もこのコロナ禍でかなり痛手を負っていたり、筋肉痛と戦いながら井戸を漕いでいたりとお疲れ様です。政府や虫マニアに毒づきながらも今まで知ることのなかった虫やその驚愕な生態を楽しめた一冊でした。またこの方の本を読みたい。

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    2022年07月12日