小松貴のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
昆虫学者に分類学者、その道を究めている人たちって本当に尊敬します。新種の章がすごく興味深く、パリの博物館まで標本を見に行くとか、許可があれば郵送で借りることもできるとか、それも専門家として業績をあげて先方からの信用を得なければならないとか。図鑑に載ってる昆虫さんたちの生態等、先人や今なお研究に励んでくださっている方たちのただならぬ熱意と執念の塊なんだなと思いました。私もカラスと仲良くなったりケンカ(著者のはもっと壮絶)をしてみたい!カエルと合唱なんて、唄の世界だけの話しだと思っていたら、現実にやっている人がいるなんて!
“自然を大切に“の根拠のような本だと思いました。 -
Posted by ブクログ
小学生のころ、夏休みにカブトやクワガタ、セミを採るのに熱中した時期はあったが、いつの間にかその熱は冷めてしまった。多くの人はそんなものだと思う。しかし、著者がすごいと思うのは、虫を発見、収集すべく、極寒の夜中に何時間も待ち受けたり、交通の不便なところや海外の危ないところにまで出向いたりと、その辛さを嘆きつつも、実に楽しそうに虫を探しているところ。一つのことに熱中するというのは本当にすごい。
確かに本書の口絵写真を見ると、美しいなとかすごいなと思えるような昆虫もいるが、紹介されているように何ミリしかないようなムシを一生懸命探すというのはやはり相当に好きでなければできないことだ。著者は昆虫学者であるから専門の研究分野の昆虫がいる訳だが(アリの巣のなかに一緒に住むアリヅカコオロギらしい)、その狭い範囲だけでないのがすごい。
そして、今までほとんど聞いたことのない昆虫の生態や、見つけ方、採取方法のノウハウ(?)を詳しく教えてもらえる。
おそらく世の中からはちょっと変わった人と受け取られているのだろうが、自らの好きだと思う道を進んでいく著者の生き方は素敵だ。
新潮文庫からは鳥類学者の川上和人さんの本も刊行されているが、特殊な分野のことを一般読者にも読みやすく、面白く書いてもらえるのは本当にありがたい。 -
Posted by ブクログ
先日、NHKのラジオ聞き逃しサービスで、著者の話を聴く機会があった。
前の職場の先輩が昆虫博士だったこともあり、勤務していた施設に来館された折、会釈したことを覚えている。その時は、今までみたこともないアリの巣に寄生する土壌昆虫の写真をみて、こんな写真どうやって撮るんだろう?とボンヤリ想ったぐらいだった。しかしラジオ番組を聴いていて、すっかりその語り口に魅せられ、どうやったらこのような虫博士が誕生するのかしら?と、生まれ育った背景や昆虫博士になる契機となった出来事がいよいよ知りたくなって、手に取ったのがこの本である。
元同僚であり先輩であったN博士がいなければ、この本を手にしていなかっただろう。また昆虫や自然に対する考え方や知識も得られなかった。N博士には非常に感謝している。 -
Posted by ブクログ
アウトドアマンや猟師、隠遁者を描いた話が好きなので、タイトルに惹かれて手に取る。
本を開いたら、口絵にいきなり「シジュウカラの雛に寄生するハエ」とかの写真が出て来て、あ、やっちまった(いけない本を開いてしまった)・・・と思ったのが第一印象。
著者は昆虫学者(博物学者)で、「アリヅカコオロギ」を中心に、日本の裏山にいるような(と言うとありふれたつまらないものと最初は思うわけで)虫たちの生態や苦心の発見譚をめんめんと綴る。学術書ともエッセイ集ともつかない。まさに裏山の奇人(著者自身のこと)の書である。
学名や詳細な参考文献リストが載った本でありながら、「どういうことですかバアサン」とか「マルヤマ? 誰だそいつ(と共同研究者をつかまえて言う)」とか「虫採りの楽しさを知らない人間には、逆立ちしたって一生わかるまい」とかざっくばらんな表現が躍っていて、サイコーに楽しかった。
研究者になる(である)ためには、そのテーマが三度の飯より好き、ってのがないとダメなんだろうなあというのがサイコーに伝わってくる。ところどころに登場する「美少女ゲーム」より好きかどうかはともかく。
「アリヅカコオロギ」に関心がなくても、最後まで一気に読ませられた本であった。