▼あらすじ
顔だけは超絶に整っている平々凡々な大学生・秋津比呂がホテルで目を覚ますと、そこには柏木と名乗るヤクザの組長がいた。全裸で。
逃げを決め込む比呂だったが、実に楽しげな柏木に先回りされその手に落ちてしまう。
悔しいほどに男前で、ヤクザのくせに笑うと意外に可愛いエロ親父。簡単に囁かれる愛の言葉
...続きを読むに流されそうになるが…。
大嘘つき・柏木の本当、何より自分の気持ちが知りたい――腹を括った比呂はタイムリミット二日間のゲーム「鬼ごっこ」を柏木に持ちかけ…?
柏木が比呂に「騎乗位」をねだる後日談も収録!
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ストーリーの完全度:普通
トーン:コミカル
エロ度:普通
萌え度:高い
総合評価:★4.0
作者さんデビュー作。元は電子書籍の方で連載していたそう。
読み始めて最初に思ったのは「めっちゃラノベっぽい(笑)」ということ。
受けの語り部形式で物語が進んでいくんでいくのですが、こういう完全一人称視点の作品って商業BLではなかなかお目にかかれないので読んでいて新鮮でしたし、受けの心情もダイレクトに伝わって来て面白かったです。
ただ、逃亡劇のくだりは何故か少し退屈に感じてしまった…。
作者さんが一番書きたかった部分ですし、力が入っているのは分かるのですが、一人称視点の物語の醍醐味であろう受けの心情よりも、いかに追手から逃げ回るかの方に重点が置かれてしまっていて、結果、受けの親友(+その従兄弟)にあっちこっち連れ回されてるだけといった印象が強くなってしまっているような気がするんですよね…。
攻めから逃げ回る展開は好みなんですが、逃亡中でももう少し受けの葛藤やら不安やらといった心情を描いてほしかったです。
あと、全体的にもう少しゆっくり物語を進めて欲しかったな、と。
攻めはまぁ、過去に一度受けと出会っているのでがっつく理由も分からなくはないのですが、受けはいくら情に流されやすいとはいえ絆されるのがちと早いんじゃないかなと…(^^;)
ストーリー重視派の自分としては、恋を自覚するのも攻めから逃げ回るのももっと後の方が説得力が増して良かったのにな、と思いました。
とはいえ時々ふふっと笑ってしまうくらいには楽しく読めましたし、ライトな雰囲気の作品なのでヤクザものが苦手な方でも問題なく楽しめると思います。
何より秋吉しま先生のイラストがとても美麗で萌えたので、評価は少しおまけして★4.0にしておきます。