ボストンテランのレビュー一覧

  • 音もなく少女は
    クソみたいな世界で、クソみたいな奴らに追い回されて、クソみたいな幼少期。でもそこには天使のように優しくて神様みたいに高潔な人間や魂もあるんだ。
  • 音もなく少女は
    2011年「このミステリーがすごい!」第2位の作品。貧しい家庭に生まれた耳の聞こえない娘イヴ。家庭内暴力をふるう父親と、ほとんど反抗しない母親。母親とイヴが教会で出会った、神を信じないフラン。その時から、彼女たちは運命に対して立ち向かうようになる。

    この作品は、ミステリーという範疇を超えて、人生を...続きを読む
  • 音もなく少女は
    これってミステリの範疇に入るの?が第一印象。
    聾者イブの過酷なまでの半世紀、母や保護者フランの辛い運命。
    そして対極にある男たち。環境。
    とにかく面白いと言えば語弊があるので、これはもう文学ですと言いたい。
    タイトルに惹かれた人、映画『レオン』が好きな人必読をお勧めします。
  • 音もなく少女は
    読み始めてからえらい時間がたってしまった……。

    聾者の少女イヴの過酷で残酷な運命。その周囲をとりまく女性たちの戦い。
  • 神は銃弾
     本当は感想を公開する場ではこう書くのを憚られるのだが、この作品はいい。なぜ「いい」と書くのを憚られるのかというと、この種の小説に接したことのない読者が安易に手を出すと非常に危険だと思える作品だからだ。日本だったら馳星周や花村萬月の作品を思い出すが、本書はそれらよりはるかに心ねじれた悪意と残虐さを秘...続きを読む
  • 神は銃弾
    訳が私の好きな田口俊樹さん。乾いているのに湿っている感じで非常に良いです。
    ストーリーの疾走感もたまらない。
  • 神は銃弾
    このあいだ読んだウィンズロウの『失踪』も、さらわれた女の子を探すプロットは一緒だった。主人公コンビの凸凹ぶりはドラゴンタトゥー(1巻しか読んでいないけれど)みたい

    評判になったのも成程と思わせる出来だが、イマイチ乗り切れないところがある。悪役がなんとなくショボいせいだろうか

    南カリフォルニアの砂...続きを読む
  • 神は銃弾
    【あらすじ(背表紙より)】
    憤怒――それを糧に、ボブは追う。別れた妻を惨殺し、娘を連れ去った残虐なカルト集団を。やつらが生み出した地獄から生還した女を友に、憎悪と銃弾を手に…。鮮烈 私にして苛烈な文体が描き出す銃撃と復讐の宴。神なき荒野で正義を追い求めるふたつの魂の疾走。発表と同時に作家・評論家の絶...続きを読む
  • 神は銃弾
    この翻訳者、山の手育ちじゃねえの?パンクのボキャブラリーに「悪臭を放つ」なんて言葉はねえよ。ジャンキーが「道路脇の灌漑用水路」なんてニュースキャスターみたいな言葉使うか?それに「トチ女」ってなんだよ?造語?「トチ狂った女」?「大人になったとちおとめ」かと思ったぜ。こんなのググらせんなよ。極めつけは「...続きを読む
  • その犬の歩むところ
    2018年このミス海外編8位、本屋大賞翻訳小説部門3位。
    この作者の「神と銃弾」が読みにくかったのを思いだしてテンション下がったけど、今回はそれほどでもなかった。
    犬(ギブ)の一生が話の中心でいろいろな人と出会いながら流転の生涯を過ごす。出会った人たちがそれぞれ主役級で、その生き様が個性的かつドラマ...続きを読む
  • 音もなく少女は
    原題WOMAN。女、姉妹、友達、母。永遠という字の手話。読み進めるのに難儀した。途中で挫折しそうにも。
  • その犬の歩むところ
    まるで聖書を物語にしたようなお話で、構成が面白い。
    実話を元にいしていてそれなりのアメリカンな感動物語なんだろうけど、なんとも救われなさ過ぎてなかなかに辛い。
    動物モノをアメリカ人が書いたらこうなるんだろうなといういい見本小説。
    筋書きが見えすぎているので読みやすいがぐっとくるほどではなかったかな。
  • ひとり旅立つ少年よ
    CL 2020.3.10-2020.3.14
    釈然としないことがいろいろ。

    主人公が生き延びるために他の人が死ぬことに抵抗を感じる。
    ディクシー・ジャックはバトラーを拐って競りにかけ、イードンの母親に落札させ、その後バトラーがフルトンに向かったら殺すために追いかけた。だったらどうして拐うのではなく...続きを読む
  • 神は銃弾
    長らく積ん読になっていた、ボストン・テランのデビュー作。
    ノワールの括りで紹介されているが、基本的にはロードノベル型のハードボイルドだと感じた。
    娘を誘拐された父親が、元ジャンキーと協力してカルト教祖とその一味を追跡していく。
    この事件の背景は少し強引であるが、エピソードやシーン描写が非常に映像的な...続きを読む
  • その犬の歩むところ
    GIVと呼ばれた犬の物語。

    人間の都合で連れ去られたり、虐待を受けたり、

    しかし「生きる」気力で親切な人に助けてもらって元の持ち主へ

    犬しか持ち得ない不屈の愛。
  • その犬の歩むところ
    犬のギヴが主人公の物語。ギヴの最初の飼い主はモーテルを経営する女性のアンナ。モーテルに止まった兄弟のうち、兄がギヴを盗む。そして、弟と知り合った女性のルーシーの手にギヴが渡る。しかし、ルーシーはハリケーンのカトリーナの被害に遭い死亡する。ギヴは様々な困難を乗り越えながら、物語の語り手のディーン・ヒコ...続きを読む
  • その犬の歩むところ
    犬より猫派なのに、去年は本も映画も犬にとことん泣かされ、その勢いで本作にも手を出しました。各節の冒頭にある太字の部分がとっつきにくく、読むのに難儀しそうな気配。訳者のあとがきから読めば、それも払拭されます。

    ギヴと名付けられた一匹の犬をめぐる物語。飼い主のもとから盗み出され、それでも次の優しい飼い...続きを読む
  • その犬の歩むところ
    海外文学の和訳本は初めてだったため、独特の比喩や言い回しが新鮮だった。
    犬という純粋な存在の強さ、また人間に対してもたらす情愛の深さを感じられた
  • その犬の歩むところ
    ある犬と、そこに関わる人間たちの姿を描いたロードムービー的小説、
    犬が中心に据えられてはいるが、物語は決して犬の視点で語られることはない。
    ほのぼのとした話でないところが、戦争を経験しているアメリカの物語だなと思う。
  • その犬の歩むところ
    やや困惑。訳者が伝えるように清々しい物語だが、どこをどう行けばどうなるのか全く先の読めない展開で、せっかちな私としては一貫した興味が持続しなかった。