ボストンテランのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
久々のバイオレンス小説。そうと知らなくて読み始めたから最初は本当に胸糞悪かったけど、アメリカの悪や矛盾を、成功や豊かさの下敷きになっている、必ずひずみに生まれてしまう犠牲者のそれぞれの姿を描き出している。単純なハードボイルド的な楽しみよりもそちらに目を奪われる作品。
ストーリーは至極単純。
とある中流階級家庭がカルト集団によって両親と飼い犬は殺害、少女は誘拐され、薬を打たれてレイプて連れまわされる。その少女の父親(あまりデキのよくない警官)が元ジャンキーでカルト集団に昔所属していたケイスという女性とともに追いかけるというストーリー。
展開がわかりきっているのに惹きつけられるのはハードボイルドな -
Posted by ブクログ
期待せず読み始めたのですが、面白かったです。
元妻を殺され娘を攫われた警官・ボブと、元カルト集団員のジャンキー・ケイス。
二人はお互いに嫌悪感を抱いています。ぜんぜん違う世界に生きてきたのだから当然です。
しかし、ふたりで死と隣合わせのギリギリの綱渡りを続けるうちに信頼のようなものが芽生えていきます。
このふたりの距離感がなんとも素敵です。
ギャビについて、もうちょっと掘り下げてくれれば嬉しかったのですが……うーん。
彼女はこれからどうなるのか。強く生きていけるのか。
原文がかなりクセのある、抽象的で難解な文章だったようで、
とくに序盤は微妙な言い回しがいくつか見られ、日本語訳を作るのに四 -
Posted by ブクログ
本当は感想を公開する場ではこう書くのを憚られるのだが、この作品はいい。なぜ「いい」と書くのを憚られるのかというと、この種の小説に接したことのない読者が安易に手を出すと非常に危険だと思える作品だからだ。日本だったら馳星周や花村萬月の作品を思い出すが、本書はそれらよりはるかに心ねじれた悪意と残虐さを秘めている。そんな作品を「いい」と言ったら人間性を疑われるかもしれないと思うほどだ。物語は、壮絶なノワール小説。娘が、「ドラッグと血と精液と愛液の世界」を作り出している狂気の集団に連れ去られた。刑事である父親は娘を取り戻すため、かつてその悪の集団に属していた女を相棒に、戦いの旅に出る。読み始めてすぐに
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Posted by ブクログ
ボストン・テランはエエはなし書かはるなぁ。
「その犬」の名前はギヴ(give)。人がギヴに寄せる愛や、ギヴが人に感じさせる優しさが通底する、ギヴとギヴに関わる人たちの物語だ。語り手は湾岸戦争の復員海兵隊員で、戦場で追った心の傷をギヴの物語を追体験する中で和らげ、かつての自分を取り戻してゆく。
アメリカは第2次大戦以降も世界で戦争を続ける好戦国ではあるが、市民生活は至って平穏な面を見せる。本書は古き良きアメリカの善意に包まれていて、悪意の現れも一部あるが、全体に古いアメリカ映画を観ているような気分に浸れる。最近のアメリカ大統領が振っている旗印に反吐が出る思いを感じるなか、包容力あるアメ -
Posted by ブクログ
長く、そして読みにくい。
文章がわかりにくくて頭になかなか入ってこなかった…。
でもそれを耐えて読み続けると、頭がなれるのかあまり苦じゃなくなりました。
映画の宣伝で気になって読んだので、ケイスとボブのイメージは先に出来上がってしまっていました。
具体的に、この人物はどのように死んだのか?と疑問が残るような場面の切り替わり方をしていて、それがいい余韻になった。
ケイスの強さ、ぶれない性格、残っている優しさ、すべてが魅力的でした。
かっこいいジャンキーでタトゥーだらけな女の子と会えただけでも読んでよかったです。
一連の事件の真相はわかりづらくすっきりしない部分もありましたが、すべてが事細か -
Posted by ブクログ
【あらすじ(背表紙より)】
憤怒――それを糧に、ボブは追う。別れた妻を惨殺し、娘を連れ去った残虐なカルト集団を。やつらが生み出した地獄から生還した女を友に、憎悪と銃弾を手に…。鮮烈 私にして苛烈な文体が描き出す銃撃と復讐の宴。神なき荒野で正義を追い求めるふたつの魂の疾走。発表と同時に作家・評論家の絶賛 を受けた、CWA新人賞受賞作。
『音もなく少女は』で大ファンになったボストン・テランのデビュー長編です。”暴力の詩人”と呼ばれる謎多き著者によるカルト集団を題材にしたバイオレンス・ミステリー。山上容疑者が安倍元総理を銃撃した事件をきっかけに、そういえばカルト題材の小説を持っていたなと思い出し -
Posted by ブクログ
この翻訳者、山の手育ちじゃねえの?パンクのボキャブラリーに「悪臭を放つ」なんて言葉はねえよ。ジャンキーが「道路脇の灌漑用水路」なんてニュースキャスターみたいな言葉使うか?それに「トチ女」ってなんだよ?造語?「トチ狂った女」?「大人になったとちおとめ」かと思ったぜ。こんなのググらせんなよ。極めつけは「ちん○こ」、これには流石のオレ様も笑っちまったぜ。「こ」がかわいすぎるんだよ「ぽ」で止めろよな。BiSH見習え。
それに長い修飾語を逐語訳して「ゆるやかな水の動きの向こう側に射している一日の最後の陽の光」とか、クソ真面目かよ。"fuckin ○○"とか"goddamn