ボストンテランのレビュー一覧

  • その犬の歩むところ

    Posted by ブクログ

    モーテルの女主人アンナの元から盗まれたギブ.暴力に支配された兄弟の間でどうなるかとハラハラしていたら素敵な女の子ルーシーが現れ,ギブも一緒に幸せになるのかと思ったらまさかのハリケーン,でもこのギブの善良でしかも諦めない不屈の魂は,最後にすごい奇跡を呼び起こす.人間と犬の信頼の物語.

    0
    2017年09月03日
  • 音もなく少女は

    Posted by ブクログ

    麻薬やら銃やら暴力やら、アメリカの暗部を象徴するステレオタイプなネタではあるんだけども、ともかくいちいち細かく書き込まれてて、当たり前だけど、っぽいっと撃たれて死んで終わりじゃないよな、って事を思い知らされる。重い分読むのには時間がかかるけども。
    それにしたってアメリカという国は、一面的にせよ、ともかく混沌としていて一筋縄ではいかないのだよなぁ。

    0
    2017年04月16日
  • 音もなく少女は

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    前半は一気に読めたけど、クラリッサ(イヴの母)が夫の暴力で亡くなってからなかなか話が進まなかった
    イヴに彼氏ができて少し盛り上がってきたとこで、その彼氏があっけなく亡くなりまた盛り下がった 後半は惰性で読んだ 
    N.Yブロンクスの貧しいイタリア移民のイヴの両親 彼らの袋小路に嵌った人生のやるせなさは読み応えあったので☆4 
    '07発売 アメシスト・エイムス「はじまりは愛の契約」と表紙かぶってるんですけど いいのか⁉ いや、あかんやろw

    0
    2018年01月17日
  • 音もなく少女は

    Posted by ブクログ

    印象的な1冊である。生まれつき耳の聞こえない少女はどうしようもない父親と必死で少女を守り育てようとする母親との間で成長する。信頼できる母親の友人と知り合った後、誰よりも大切だった母親と恋人を相次いで失くす。・・・・
    いつしか 心の中で彼女を応援してしまう。理不尽さに屈するなと、立ちあがってくれと。

    0
    2016年09月23日
  • 神は銃弾

    Posted by ブクログ

    久々のバイオレンス小説。そうと知らなくて読み始めたから最初は本当に胸糞悪かったけど、アメリカの悪や矛盾を、成功や豊かさの下敷きになっている、必ずひずみに生まれてしまう犠牲者のそれぞれの姿を描き出している。単純なハードボイルド的な楽しみよりもそちらに目を奪われる作品。
    ストーリーは至極単純。
    とある中流階級家庭がカルト集団によって両親と飼い犬は殺害、少女は誘拐され、薬を打たれてレイプて連れまわされる。その少女の父親(あまりデキのよくない警官)が元ジャンキーでカルト集団に昔所属していたケイスという女性とともに追いかけるというストーリー。
    展開がわかりきっているのに惹きつけられるのはハードボイルドな

    0
    2014年04月05日
  • 神は銃弾

    Posted by ブクログ

    期待せず読み始めたのですが、面白かったです。
    元妻を殺され娘を攫われた警官・ボブと、元カルト集団員のジャンキー・ケイス。
    二人はお互いに嫌悪感を抱いています。ぜんぜん違う世界に生きてきたのだから当然です。
    しかし、ふたりで死と隣合わせのギリギリの綱渡りを続けるうちに信頼のようなものが芽生えていきます。
    このふたりの距離感がなんとも素敵です。

    ギャビについて、もうちょっと掘り下げてくれれば嬉しかったのですが……うーん。
    彼女はこれからどうなるのか。強く生きていけるのか。

    原文がかなりクセのある、抽象的で難解な文章だったようで、
    とくに序盤は微妙な言い回しがいくつか見られ、日本語訳を作るのに四

    0
    2014年02月24日
  • 音もなく少女は

    Posted by ブクログ

    耳が聞こえない少女イヴは、過酷な環境で育ち、理不尽な目にあい、何度も絶望の淵に沈みそうになります。心と身体に傷を持つドイツ人女性との出会いは、魂の出会いでした。打ちのめされるような非情な世界に、女性たちがそれぞれ向かっていく姿は、崇高でさえありました。

    0
    2013年01月30日
  • 音もなく少女は

    Posted by ブクログ

    クソみたいな世界で、クソみたいな奴らに追い回されて、クソみたいな幼少期。でもそこには天使のように優しくて神様みたいに高潔な人間や魂もあるんだ。

    0
    2012年09月26日
  • 音もなく少女は

    Posted by ブクログ

    2011年「このミステリーがすごい!」第2位の作品。貧しい家庭に生まれた耳の聞こえない娘イヴ。家庭内暴力をふるう父親と、ほとんど反抗しない母親。母親とイヴが教会で出会った、神を信じないフラン。その時から、彼女たちは運命に対して立ち向かうようになる。

    この作品は、ミステリーという範疇を超えて、人生を考えさせられる作品

    0
    2012年08月10日
  • 音もなく少女は

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    これってミステリの範疇に入るの?が第一印象。
    聾者イブの過酷なまでの半世紀、母や保護者フランの辛い運命。
    そして対極にある男たち。環境。
    とにかく面白いと言えば語弊があるので、これはもう文学ですと言いたい。
    タイトルに惹かれた人、映画『レオン』が好きな人必読をお勧めします。

    0
    2012年06月29日
  • 神は銃弾

    Posted by ブクログ

     本当は感想を公開する場ではこう書くのを憚られるのだが、この作品はいい。なぜ「いい」と書くのを憚られるのかというと、この種の小説に接したことのない読者が安易に手を出すと非常に危険だと思える作品だからだ。日本だったら馳星周や花村萬月の作品を思い出すが、本書はそれらよりはるかに心ねじれた悪意と残虐さを秘めている。そんな作品を「いい」と言ったら人間性を疑われるかもしれないと思うほどだ。物語は、壮絶なノワール小説。娘が、「ドラッグと血と精液と愛液の世界」を作り出している狂気の集団に連れ去られた。刑事である父親は娘を取り戻すため、かつてその悪の集団に属していた女を相棒に、戦いの旅に出る。読み始めてすぐに

    0
    2011年09月30日
  • 神は銃弾

    Posted by ブクログ

    訳が私の好きな田口俊樹さん。乾いているのに湿っている感じで非常に良いです。
    ストーリーの疾走感もたまらない。

    0
    2009年10月04日
  • その犬の歩むところ

    Posted by ブクログ

     ボストン・テランはエエはなし書かはるなぁ。

     「その犬」の名前はギヴ(give)。人がギヴに寄せる愛や、ギヴが人に感じさせる優しさが通底する、ギヴとギヴに関わる人たちの物語だ。語り手は湾岸戦争の復員海兵隊員で、戦場で追った心の傷をギヴの物語を追体験する中で和らげ、かつての自分を取り戻してゆく。

     アメリカは第2次大戦以降も世界で戦争を続ける好戦国ではあるが、市民生活は至って平穏な面を見せる。本書は古き良きアメリカの善意に包まれていて、悪意の現れも一部あるが、全体に古いアメリカ映画を観ているような気分に浸れる。最近のアメリカ大統領が振っている旗印に反吐が出る思いを感じるなか、包容力あるアメ

    0
    2025年11月18日
  • 神は銃弾

    Posted by ブクログ

    長く、そして読みにくい。
    文章がわかりにくくて頭になかなか入ってこなかった…。
    でもそれを耐えて読み続けると、頭がなれるのかあまり苦じゃなくなりました。

    映画の宣伝で気になって読んだので、ケイスとボブのイメージは先に出来上がってしまっていました。
    具体的に、この人物はどのように死んだのか?と疑問が残るような場面の切り替わり方をしていて、それがいい余韻になった。

    ケイスの強さ、ぶれない性格、残っている優しさ、すべてが魅力的でした。
    かっこいいジャンキーでタトゥーだらけな女の子と会えただけでも読んでよかったです。

    一連の事件の真相はわかりづらくすっきりしない部分もありましたが、すべてが事細か

    0
    2025年01月12日
  • 神は銃弾

    Posted by ブクログ

    このあいだ読んだウィンズロウの『失踪』も、さらわれた女の子を探すプロットは一緒だった。主人公コンビの凸凹ぶりはドラゴンタトゥー(1巻しか読んでいないけれど)みたい

    評判になったのも成程と思わせる出来だが、イマイチ乗り切れないところがある。悪役がなんとなくショボいせいだろうか

    南カリフォルニアの砂漠っぷりはこの物語にぴったり。マウント・ボルディの北側は本当に殺風景なんだよね

    0
    2022年10月30日
  • 神は銃弾

    Posted by ブクログ

    【あらすじ(背表紙より)】
    憤怒――それを糧に、ボブは追う。別れた妻を惨殺し、娘を連れ去った残虐なカルト集団を。やつらが生み出した地獄から生還した女を友に、憎悪と銃弾を手に…。鮮烈 私にして苛烈な文体が描き出す銃撃と復讐の宴。神なき荒野で正義を追い求めるふたつの魂の疾走。発表と同時に作家・評論家の絶賛 を受けた、CWA新人賞受賞作。

     『音もなく少女は』で大ファンになったボストン・テランのデビュー長編です。”暴力の詩人”と呼ばれる謎多き著者によるカルト集団を題材にしたバイオレンス・ミステリー。山上容疑者が安倍元総理を銃撃した事件をきっかけに、そういえばカルト題材の小説を持っていたなと思い出し

    0
    2022年10月06日
  • 神は銃弾

    Posted by ブクログ

    この翻訳者、山の手育ちじゃねえの?パンクのボキャブラリーに「悪臭を放つ」なんて言葉はねえよ。ジャンキーが「道路脇の灌漑用水路」なんてニュースキャスターみたいな言葉使うか?それに「トチ女」ってなんだよ?造語?「トチ狂った女」?「大人になったとちおとめ」かと思ったぜ。こんなのググらせんなよ。極めつけは「ちん○こ」、これには流石のオレ様も笑っちまったぜ。「こ」がかわいすぎるんだよ「ぽ」で止めろよな。BiSH見習え。
    それに長い修飾語を逐語訳して「ゆるやかな水の動きの向こう側に射している一日の最後の陽の光」とか、クソ真面目かよ。"fuckin ○○"とか"goddamn

    0
    2022年09月22日
  • その犬の歩むところ

    Posted by ブクログ

    2018年このミス海外編8位、本屋大賞翻訳小説部門3位。
    この作者の「神と銃弾」が読みにくかったのを思いだしてテンション下がったけど、今回はそれほどでもなかった。
    犬(ギブ)の一生が話の中心でいろいろな人と出会いながら流転の生涯を過ごす。出会った人たちがそれぞれ主役級で、その生き様が個性的かつドラマチックであり、ギブとの振れ合いが生き生きと描かれている。お話の流れが予想できず展開していき最後につながっていく構成もよい。
    犬に興味がない自分も楽しめた。
    ただ、少し文章が難解で読み進めるのが若干しんどかった。

    0
    2022年09月03日
  • 音もなく少女は

    Posted by ブクログ

    原題WOMAN。女、姉妹、友達、母。永遠という字の手話。読み進めるのに難儀した。途中で挫折しそうにも。

    0
    2021年08月09日
  • その犬の歩むところ

    Posted by ブクログ

    まるで聖書を物語にしたようなお話で、構成が面白い。
    実話を元にいしていてそれなりのアメリカンな感動物語なんだろうけど、なんとも救われなさ過ぎてなかなかに辛い。
    動物モノをアメリカ人が書いたらこうなるんだろうなといういい見本小説。
    筋書きが見えすぎているので読みやすいがぐっとくるほどではなかったかな。

    0
    2021年01月07日