ボストンテランのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレCL 2020.3.10-2020.3.14
釈然としないことがいろいろ。
主人公が生き延びるために他の人が死ぬことに抵抗を感じる。
ディクシー・ジャックはバトラーを拐って競りにかけ、イードンの母親に落札させ、その後バトラーがフルトンに向かったら殺すために追いかけた。だったらどうして拐うのではなくて殺さなかったのか。
バトラーはケープジラードを出る時、どうしてイードンを連れて行ったのか。そのためにイードンはもはや母のもとに二度と戻れなくなった。
あと、悪党の二人組、優秀すぎる。それと一番人種差別をしていないのはトゥーリなんじゃないかと。 -
Posted by ブクログ
犬のギヴが主人公の物語。ギヴの最初の飼い主はモーテルを経営する女性のアンナ。モーテルに止まった兄弟のうち、兄がギヴを盗む。そして、弟と知り合った女性のルーシーの手にギヴが渡る。しかし、ルーシーはハリケーンのカトリーナの被害に遭い死亡する。ギヴは様々な困難を乗り越えながら、物語の語り手のディーン・ヒコックに出会う。そして最後は、・・・。読んでいて悲しくもなり、微笑ましくもなり、様々な感情を味わえる。犬好きであれば、ギヴの一挙手一投足に共感を覚えるだろう。ギヴが主人公であるが、犬の視点で語られることはなく、あくまでも人間が物語を綴る。小説として面白い試みであるし、それが成功している。本屋大賞の翻訳
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Posted by ブクログ
犬より猫派なのに、去年は本も映画も犬にとことん泣かされ、その勢いで本作にも手を出しました。各節の冒頭にある太字の部分がとっつきにくく、読むのに難儀しそうな気配。訳者のあとがきから読めば、それも払拭されます。
ギヴと名付けられた一匹の犬をめぐる物語。飼い主のもとから盗み出され、それでも次の優しい飼い主に出会うことができたのに、降りかかる不幸。
訳者が言うように、著者はギヴをまったく擬人化しません。ギヴの気持ちを推し量ったりしなくても、ギヴの行動をそのまま記せば、それだけで何もかもわかるのだというように。
やはり犬ものの『容疑者』に比べると、私には没頭しにくい文体ではありましたが、それでも涙 -
Posted by ブクログ
暴力的な父と、気弱な母の間に生まれた聴覚障害を持つ少女のイヴ。そんな母娘の前に現れた女性”フランは、二人の生活に積極的にかかわり、二人の生活は徐々に良くなるように思えたのだが…
いくつかの犯罪が出てくるため、サスペンスといえばサスペンスですが、この小説の本質はそこではありません。この小説が描くのは不幸に負けず生きようとする女性の姿です。
聴覚障害というハンデ、道を踏み外していく父、生まれながらにして、そうした宿命を背負わされるイヴですが、運命はさらに過酷です。光が見えたと思いきや、それが理不尽に、そしてあっけなく奪われてしまうことが多々あります。
やり場のない怒りや無力感に負けそ