ボストンテランのレビュー一覧

  • 音もなく少女は

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    耳の聞こえない少女イヴと母親クラリッサ、イヴの保護者となるフランの壮絶な物語。
    希望と絶望の間を揺れ動くエピソードの積み重ねで物語が進み、女達が懸命に闘う姿に胸を打たれる。
    重苦しい話の中でも美しいタイトルと文章、そしてイヴの撮る写真が光のように感じられる。

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    2018年06月01日
  • 音もなく少女は

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    大戦後のブロンクス、最悪な混沌とした街を物体に生まれついての不幸な運命に弄ばれる女性たちの話。家族とは、友情とは彼女たちに取って男とは何か?
    胸に深く突き刺さる小説だ。

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    2018年04月24日
  • その犬の歩むところ

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    ギブという名のワンコのお話…
    題名買いというか、ジャケ買いしたものの積読にしてたのを読んじゃいました。
    ワンコが傍にいる生活が恋しいよ~(´Д⊂ヽ

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    2018年04月21日
  • その犬の歩むところ

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    深い愛情を根底にした、爽やかな物語。
    ギブが引き寄せた人々が見事に絡み合い、紡がれる。犬と人間の不思議な出会いは大きな運命、目に見えない力から放たれた糸のよう。

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    2018年02月04日
  • その犬の歩むところ

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     とある犬と、人々の物語。

     ディーン・クーンツの「ウォッチャーズ」が人を犬好きにする一番の作品って思ってましたが、そこに一石を投じられることになるとは。
     も、最後の方は涙で字がにじんでたよ。

     生まれた環境によって虐げられた人間が、自分の力で足で歩きだそうとする姿や、どうしようもなく傷ついた人が、やはり自分の力で再び立ち上がろうとする、そこに寄り添う犬。
     純粋なものの存在は、無垢であるからこそ、シンプルに力になるのだろうか。
     シンプルだからこそ、自分自身の内なるものを見つめ、結局のところ、自分自身が行動を起こすしかないのだと、悟らせる。

     無垢なものの意味は、そういう

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    2017年11月05日
  • 音もなく少女は

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    奥付を見ると原題はWOMAN。
    男性優位の、銃と麻薬に溢れたアメリカの町。障害を持ち女に生まれたイヴ。母とその女友達と彼女と。言葉が景色が写真が文章になってここにある。心情は文章で直接表されていないのに心情が溢れてくる。親の目でイヴを見、子供の目でクラリッサとフランを見る。クラリッサは何でロメインのような奴と夫婦でいるのか‥‥

    終盤は読むのが苦しい、でも読まずにいられない。朝読み終わったのに、夜中の今思い出すと胸が苦しい。人生を考え、女を考え障害を考える何度でも 何度でも

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    2017年11月03日
  • その犬の歩むところ

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    読みながら 泣けてくるエピソードたち。それでも残るのは絶望ではなく 明日への希望。

    親子2代の犬の名前はGiv。彼は犬としての精一杯を生きている。人として精一杯生きている人、生きようとしている人々と共に。辛さや悲しさ苦しみや痛みをその身の内に持っていてなお他者を愛する心を忘れない彼らには “人” と “犬” の区別は無い。ひたすらに思いやり続ける彼らが幸せに生きていける社会であってほしい。

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    2017年09月08日
  • 音もなく少女は

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    三種類の女がでてくる。
    ナチスの迫害を生き抜いたものの、女としては致命的な傷を心身に負った孤高の女・フラン。暴君のような夫に虐げられる生活の中でも良心に根ざす信仰を失わず、障害を持って生まれた娘に無償の愛情を注ぐクラリッサ。
    そんな二人に慈しまれ、銃の代わりにカメラを武器にしなやかに成長していくイヴ。
    女と女の友情の話である。
    イヴと名付けられた希望の種を巡る、女たちの静かで激しい戦いの記録でもある。
    中でも魅力的だったのはクラリッサ。横暴な夫の虐待を耐え忍び、幾多の悲劇を乗り越え強く在ろうとした姿が感動をよぶ。
    立場と性格は違えど同じ逆境を体験した者同士、相通じるものがあるフランと共に屋上で

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    2017年08月26日
  • 音もなく少女は

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    貧困、人種、性の差別に加え障害を持つという問題に、犯罪が絡んでくるお話しでした。

    イヴには、カメラがあって本当に良かった。

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    2016年04月14日
  • 音もなく少女は

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    すばらしい。
    聾唖者の少女と60年代アメリカの貧困社会でおこる、悲しみの連鎖。サスペンス。
    その背景と物語が感動的。

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    2014年06月17日
  • 音もなく少女は

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    邦題に惹かれて読みました。
    暴力ですべてを支配することが出来ると思っている男たち。
    そんな男に支配や従属を強いられ、絶望に立たされながらも光を求める女たち。
    女(破壊者)は、母という別の生き物(創造者・保護者)になることが出来る。またそれを望んでいる。

    音もなく少女は「      」
    本の内容自体もですがタイトルも深い余韻があって素晴らしかったです

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    2012年05月17日
  • 神は銃弾

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    元ジャンキーと実直な警官‐ケイスとボブがぶつかり合いながらも惹かれていく過程が何ともスリリング。セックス、ドラッグ、バイオレンスのオンパレードなので気の弱い方は近寄らぬよう。

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    2011年10月25日
  • 神は銃弾

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    圧倒的なスピード感や、バイオレンス、思想が絡み合うノワール。主人公のボブもさることながら、ケイスとサイラスの存在感は凄い。
    言葉が重く、感動的でありながら、爽快な読後感。

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    2011年06月06日
  • 神は銃弾

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    2001年、文壇に衝撃を与えたデビュー作。ストーリー的にはバイオレンス・ミステリー的な単純なものなのだが、そこに溢れ出るポエジーが素晴らしい。もはや詩人。読んで震えるべし。

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    2009年10月04日
  • 神は銃弾

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    これもヤバイ。相当面白い。どうしようもない。これはおれの作った言葉だけど、とにかく「ドラゴンヘッド的」に読まされる。ラストは「ドラゴンヘッド的」ではないのでご安心を。映画には再現できない究極の映画を見ているような感じ。『ブラックダリア』が思ったほど面白くなくて、アメリカのノワールはダメだわと思ったらとんでもない。これはすげえ。

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    2009年10月04日
  • 神は銃弾

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    アメリカ国民に広く根付き、意識せずとも行動規範となっているキリスト教。このことは一神教を持たない日本人には理解し難いことも多々あると思うが、一方でキリスト教の教えとは程遠いモラルの中で病んでいるアメリカ。
    この作品に登場する元ジャンキーのケイス、サイコキラーのサイラスが語る言葉は、哲学的で、現代を反映した過激だが新しい宗教的な響きがある。
    それは世界中に広まったキリスト教やその他の一神教が、世の中をパラダイスにするどころか、血みどろの世界を創っている元凶なのではないかという疑念さえあるからではないか。
    心底、神を畏れ、その教えに従うものはもうアメリカには少ない。しかし一方で銃弾の力を信じ、それ

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    2025年02月10日
  • その犬の歩むところ

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    邦題は詩的で印象的なタイトルである。
    原題は簡潔にGiv(ギヴ)。物語の軸となる犬の名である。副題はThe Story of a Dog and America、1頭の犬と「アメリカ」の物語。
    原著発行は2009年。つまり、9・11の同時多発テロを経たアメリカだ。心を病んだ多くの帰還兵を抱え、ハリケーン・カトリーナの甚大な被害にも見舞われたアメリカだ。
    そのアメリカを1頭の犬が流転する。犬はあるときは奪われ、あるときは自ら選んだ人に寄り添う。犬は時に人を救い、時に人に救われる。
    彼の数奇な運命は人と人とをつなぎ、奇跡と言ってもよいような希望をもたらす。

    物語の語り手はディーン・ヒコック。

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    2025年01月20日
  • 神は銃弾

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    初期(「音もなく少女は」まで)のボストン・テランの小説でわたしが読みたいのは、繊細で美しく複雑で荒々しい、とにかくカッコいい文章とそこに幾重にも厚くかけられる比喩のベール。シンプルなストーリーの上で語られる窮地に陥り人生を解決しようとする人々それぞれにある、こだわり、理、世界をどう観ているかの視点。そして、女性が、虐げられたものが、自らに手で独立を、尊厳を取り戻す物語だ。

    「そう、神は白人で、男なんだよ。だけど、あたしの意見を言えば、それこそ、そもそもの罪だ。それでもう先例ができちまったんだから。神性ー完璧ーは男だって言っちまったんだから。それこそ息子に引き継がれるべき白人の文化で、だから、

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    2024年12月31日
  • その犬の歩むところ

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    読み始めは「何?この読みにくさ!」と思ったけどギヴという犬と彼に関わる人間の温かなドラマ、そしてその後の悲劇に引き込まれた。読むのが辛くなるような展開もあるけれど、先が気になってやめられない。馳星周の「少年と犬」のように、ギヴを現実離れした奇跡の存在にせず、リアルな犬らしく描いていて犬への愛おしさが増したい。

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    2024年06月13日
  • その犬の歩むところ

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    GIVが助かったから良かったけれど、助かってなければ、本を破り捨てていたかもしれない。それくらい、この本を通じてGIVは、自分にとって愛しい犬になった。

    どこまでもアメリカンな所、どこまでもアメリカンな描写にはついていけなかったけれど、面白かった。

    それにしても、どうして一部の人間は、人間のために犬を犠牲にするのだろう?

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    2022年10月06日