ボストンテランのレビュー一覧

  • 神は銃弾

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    この作者の「音もなく少女は」もおすすめ。
    このアプリで検索してもヒットしないですが…
    強い女の人が好きなんだなぁと思う

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    2022年06月30日
  • 神は銃弾

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    ドラッグとセックスと猟奇殺人の世界…。
    会話は聞くに耐えない単語の連発で閉口するのですが、地の文章がグッと来るんですよね~。著者の文章も良いのでしょうが、訳者さんが素晴らしいと思います。(訳出に難渋したとありましたが…)
    ヒロインの精神的な強さも圧巻でした。

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    2022年05月10日
  • 音もなく少女は

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    三冊目のボストン・テラン。
    既読の「その犬の歩むところ」「ひとり旅立つ少年よ」とは異なったテイストの作品。静かに熱い女たちの戦い。文章が詩的でたまらない。『暴力の詩人』とは言い得て妙。「神は銃弾」も読まねば。

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    2022年04月27日
  • 音もなく少女は

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    ネタバレ

    ろくでもない男たちや男社会の中で、女性たちが力を合わせてたくましく強く生きていく話。ナチスによって強制的に中絶されたフランは命を与えることはできなくなったけれど、イヴに代わって自首することでイヴやミミに命を与えた。だからこそ墓石には「女 友達 姉妹」に加えて「母親」と刻まれる。女性や聾者、貧困者、有色人種といった、この1900年代後半のニューヨークにおける社会的弱者を取り巻く過酷な環境と、それに負けない女性たちの強さがよく描かれている。
    訳が(特にスラング)引っかかるところもあるけれど、深い言葉で語られている気がした。

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    2021年12月25日
  • 神は銃弾

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    ケイスの宗教観?が彼女の知性を感じさせ、その経験と相まって神は銃弾のタイトルが響いた。私的には若干読みづらかったが面白かった。読んで良かった。

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    2021年05月16日
  • 音もなく少女は

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    父はチンピラギャング ロメイン、世間知らずでロメインの暴力に耐えてきた母クラリッサ、聾唖の娘イブの成長譚。母娘の姉にして聖母的存在のフランはナチスにより子宮摘出を受けた傷を腹に刻まれている。聾唖でなくても女たちには「音(声)」はなく、守ってくれるはずの男達も父(ロメイン、そしてミミの父ロペス)はむしろ攻撃者として立ちはだかり、ベトナムから生きて帰還したチャーリーはブロンクスでロペスの手下に銃殺される。
    誰も守ってくれなければ、最後は自ら逆襲するしかなかった女たちの物語でもある。
    弱者に寄り添いながらも予定調和ではなく現実感のあるハードな人生を、ボストン・テランは情緒を排したクールな文体で切り取

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    2021年03月20日
  • その犬の歩むところ

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    その犬の名前はGIV。「その犬とアメリカの物語」という原題のとおり、GIVの辿る数奇な運命と彼を巡ってリレーする命の物語。もっと早く読めば良かった。
    登場人物が脇役一人一人に至るまで人間味があふれてる。そして転がり続ける物語。生と死。戦争と殺人。天災と事故。
    たくさんのグッとくるエピソードが詰まった素晴らしい小説。4.5

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    2021年03月11日
  • 神は銃弾

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    全編に渡りマイナス側の感情だったり、冗長的な比喩に疲れたりしつつも、処女作らしいエネルギーに溢れていて読み応えあった。

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    2021年03月05日
  • 音もなく少女は

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    自分の中にこびり付き、侵食してゆく相手。――その恐怖を思うと、クラリッサの決意と行動には胸が締め付けられるようだった。

    イヴとフランとクラリッサ。
    彼女たちを深みから救ったのは、出会いだった。
    傷をなかったものとはしない。人生から逃げない。餌食にはならない。
    それらの「正面に立つ強さ」を得たのも、やはり互いがいてこそだと思った。

    ボストン・テラン。デビュー作も気になってきた。

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    2020年09月18日
  • ひとり旅立つ少年よ

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    かくして、少年はおとなになっていく…。けれども、その道のなんと険しいことか…。一人で考え一人で悩み一人で決めて一人で傷つく…。ただ、それが出来て初めて「おとな」なのかもしれない…。

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    2020年09月02日
  • ひとり旅立つ少年よ

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    19世紀のアメリカ。奴隷解放運動は萌芽しているが、社会は苛烈だ。命の価値は軽く、人権は一部の権力者達のもので、普遍性はない。人権どころか、一部富裕層以外は人ですらない。
     その頃、主人公の父親は詐欺師で、奴隷解放運動のためとしてだまし取った金を別の悪党に狙われ殺されてしまう。少年はだまし取った金を奴隷解放運動家に届ける旅に出るが、それは金を狙う悪党から逃げる旅でもあった。
     自らが白い黒人として奴隷にされたり、悪党を撃ち殺したり・・・。少年が成年へ成長する過程で支払った対価は大きい。聡明な少年の視線を通して見る19世紀アメリカの風景が静かな筆致で描かれ、読み手の心も静かに満たされていく。

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    2020年02月22日
  • ひとり旅立つ少年よ

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    19世紀半ばのアメリカ。詐欺師の親子が「奴隷制度廃止運動のため」と称して巻き上げた大金を巡るロード・ノヴェルだ。開始早々、たった1人で行動することを余儀なくされた少年は、父が騙ったでまかせを実現するため遥かな地を目指し困難な旅に出る。それは贖罪ではない。プライドの問題なのだ。少女→犬→少年と追ってきたが、すべて期待以上の作品だった。すごいなテラン。最近ようやく入手した過去作も早く読まねば。

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    2019年08月18日
  • その犬の歩むところ

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    ネタバレ

    完璧なまでに善良で無垢なるものギヴ。どんな困難にも諦めず立ち向かい希望を失わない。
    そんなアメリカンスピリッツの象徴としてのギヴが飼われていたモーテルに宿泊に来た兄弟の兄の悪意により盗まれるところから始まり、カトリーナによる喪失、9.11およびその後のイラク出兵によるゆがみを抱えた人々を癒しながら物語は進んで行く。
    どこまでも真っ直ぐで、ハッピーエンドに向かっていく直球の物語であるにもかかわらず、語られる言葉の神々しさ、善良な熱意により、変な嫌味は全くなく、アメリカなる物語として楽しめた。
    ただ、ミステリ生はほぼ無く、クライマックス直前でのなるほどね止まりのためその筋の話と思って読むと退屈かも

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    2019年07月07日
  • その犬の歩むところ

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    盛り上がりにはかけますが、犬を中心とした人々の群像劇的な?
    ちょっと訳が独特で最初は読むのに入り込みにくかった。

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    2019年01月07日
  • その犬の歩むところ

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    原題が「The Story of a Dog and America」という通り、「アメリカ」というところが強調されている。9.11、イラク戦争、ハリケーンカトリーナ、暴力…と現実のアメリカの諸問題が背景。登場人物はみんな何かを失って傷ついているのだけど、それでも善意や夢を失わずに生きようとする。そこに寄りそうのが犬。この物語では「ギヴ」という名前の犬だけど、辛いときに犬に寄り添ってもらう人は世界にたくさんいるだろう。やっぱり犬は人類の友。テーマは重いけど、読後感は良い。

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    2018年09月27日
  • その犬の歩むところ

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    言葉を話さない犬ではあるけれど、その存在によって、出会った人の人生をつむいでいく、一種の神話のような物語。
    それにしても犬の人生があまりにも波瀾万丈すぎて、もう少し平穏にすごさせてやってくれと、作者に訴えたくなったよ。

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    2018年04月12日
  • その犬の歩むところ

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    読む前は、もう少し犬を全面に出したというか犬目線の物語なのかと思ったが、あくまで語り手は人たちであり、その人間たちの強さや弱さ、幸せや不幸せ、素晴らしさやどうしようもなさ等を描き出すためのギミック、触媒として犬が使われているような類の作品だと、読後は思いを新たにした。
    作者が言いたいところの本質的な部分は、大戦後の朝鮮戦争やヴェトナム戦争、近年では湾岸戦争や911にイラク戦争、それにカトリーナ等といった個人の力では抗しきれない災厄を体験したアメリカ人しか理解できないような気もするが、それらを潜り抜け翻弄されてきた人たちの間でまた、物言わぬギヴが運命の流れに翻弄されながらもジッと耐え続けている様

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    2018年01月23日
  • その犬の歩むところ

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    読んでいる時も読み終わった後も、ハラハラドキドキして、けれども、心が温かくて…。ギブを抱きしめたくて、優しく撫でたくて…。「ありがとう」って言いたくて…。それが出来なくて、その代わりに、本にそっと頬寄せて…。

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    2017年12月15日
  • 神は銃弾

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    麻薬と銃と暴力の社会、そしてイエスが神では無いアメリカ。自分の中にもきっとある暗部を見ている気配を感じながら、やっと読み終えた。

    ケイトとボブとギャビと、三人が角突きあったり助け合ったり自分を出し合いながら絶妙のバランスをとって暮らす姿が見えるだろうか。

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    2017年10月19日
  • 神は銃弾

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    ネタバレ

    家族をカルトに誘拐された男が、かつてそのカルトから逃げた元信者と協力して娘の行方を追う、ただそれだけの話。

    しかし、なんと濃厚な作品だろう。どこまでも人間の善と悪の本質に切り込み切り刻んでいく。
    比喩や暗喩だらけの文章は、まるで文芸作品のように噛みごたえがある一方で、残酷なまでにリアルな暴力描写がいたるところに散りばめられ、主人公とヒロインの地獄めぐりが描かれる。

    どこにも善良な人間はおらず、通常は善である主人公ですら境界を踏み越えていく辺りの描写は迫力がありリアル。
    ハードボイルトというよりバイオレンスに近いかもしれないが、家族や仲間に対する思いがあるゆえに共感することが出来る。

    さら

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    2017年10月05日