理山貞二のレビュー一覧

  • 〈すべての夢|果てる地で〉 第3回創元SF短編賞受賞作

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    2011年度に発表されたSF短編のアンソロジー。2011年は東日本大震災のほか、小松左京の訃報があり、伊藤計劃ショックの余波とハヤブサブームの余熱が冷めていないジャーナリスティックな年であった。前半はそのような作品を集め、後半は手ごたえのある作品が並ぶ。とはいえ、例年のハッチャケぶりは足りない印象。
    個々の作品としては、庄司卓、伴名錬、大西科学が好み。神林長平、新井素子、とり・みきの凄味にも圧倒される。掘り出し物は、大西科学。この設定で、この展開はやられた。あとがきもスマートで良い。

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    2012年07月23日
  • 紙魚の手帖Vol.24

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    ネタバレ

    第16回創元SF短編賞受賞作の「観覧車を育てた人」(雨露山鳥)の全体的な空気感が良い。ただし、取材者について、取材者が下調べをしているにもかかわらず物をよく知らないところなど気になるところも散見された。小説の技術は時間が解決してくれるだろう。そんなところよりもリーダビリティや世界観の構築の仕方について感心した。他に収録されている作品については、「惑星タルタロスの五つの場景」(レイチェル·K·ジョーンズ)の掌編が出色。生の中の死、死の中の生という大きなテーマを掌編として成立させるのは見事。近年で最も印象に残った作品である。

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    2025年09月22日
  • 〈すべての夢|果てる地で〉 第3回創元SF短編賞受賞作

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    2011年はどういう年だったかってもう今は2013年なので
    去年はどういう年だったかというと2012年なのである
    2012年篇が出てから読むよりましだけれど
    もう2012年のことなんて覚えていないぞ
    2011年はいろいろあったからともかく

    小川一水『宇宙でいちばん丈夫な糸 The Ladies who have amazing skills at 2030』
    毎度おなじみ作者
    副題とおり『妙なる技の乙女たち』連作中のひとつ
    これだけきりだしても面白がりがたい
    カーボンナノチューブのSFとの現実味どあいはそうだと思う

    庄司卓『5400万キロメートル彼方のツグミ』
    指示が音声入力なのもすごいが

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    2018年11月13日
  • 〈すべての夢|果てる地で〉 第3回創元SF短編賞受賞作

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    3.11があった2011年のSF集.1ページだけの短編というのもあったが全体的に味わい深いものが多い.「すべての夢/果てる地で」は読むのに気合がいる.

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    2015年11月08日
  • 〈すべての夢|果てる地で〉 第3回創元SF短編賞受賞作

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    「拡張幻想 年刊日本SF傑作選」大森望、日下三蔵/編
    SFアンソロジー。色々。
    2011年版。第五集。

    序文や解説にもありますが、東日本大震災と小松左京没、という2つの大きなトピックスを反映した2011年のアンソロジーです。
    SFって、当然サイエンスとリアルがあってこそのフィクションだから、突飛なようでいて、世相に大きく影響する。
    全18編。

    『5400万キロメートル彼方のツグミ』庄司卓…無人探査機+少女A.I.のボーイミーツガールもの。それほどユニークなストーリーではないですが、話題性を感じて良。
    『交信』恩田陸…こちらも無人探査機もの。ショートショート。
    『Mighty TOPIO』と

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    2012年09月30日
  • 〈すべての夢|果てる地で〉 第3回創元SF短編賞受賞作

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    好きなのは「美亜羽へ贈る拳銃」「黒い方程式」、面白かったのは「超動く家にて」。「Mighty TOPIO」は別格。

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    2012年07月15日
  • 〈すべての夢|果てる地で〉 第3回創元SF短編賞受賞作

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    小川一水「宇宙でいちばん丈夫な糸 ――The Ladies who have amazing skills at 2030.」
    庄司 卓「5400万キロメートル彼方のツグミ」
    恩田 陸「交信」
    堀 晃「巨星」
    瀬名秀明「新生」
    とり・みき「Mighty TOPIO」
    川上弘美「神様 2011」
    神林長平「いま集合的無意識を、」
    伴名 練「美亜羽へ贈る拳銃」
    石持浅海「黒い方程式」
    宮内悠介「超動く家にて」
    黒葉雅人「イン・ザ・ジェリーボール」
    木々津克久「フランケン・ふらん ―OCTOPUS―」
    三雲岳斗「結婚前夜」
    大西科学「ふるさとは時遠く」
    新井素子「絵里」
    円城 塔「良い夜を持っている

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    2023年07月31日
  • 宙を数える 書き下ろし宇宙SFアンソロジー

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     欠損と拡充、
     リンクする力? 絶妙にズレているのが、また面白い。
     ひらめき。


     宇宙冒険譚からSFファンタジーから宇宙船密室モノまで、なかなか読み応えのあるアンソロジーでした。
     平均すると☆3…だけど気に入ったのはとことん気に入ってる。

     濁流のような情報の中に閃く、深化して進化したアイデアこそがSFの真髄なんだろなぁ。

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    2020年10月30日
  • 〈すべての夢|果てる地で〉 第3回創元SF短編賞受賞作

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    色々な種類の作品が収録されていますので、自分の趣味には全く合わないものも多いのですが、特に気に入ったのは「美亜羽へ贈る拳銃」、「黒い方程式」、「絵里」の3編でした。特に「絵里」は重いテーマを(悪い意味ではなく)軽い感覚で書かれているのがとても良かったです。

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    2013年10月14日
  • 〈すべての夢|果てる地で〉 第3回創元SF短編賞受賞作

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    以前からそうだけど、SFは「すごく面白い!」のと「こりゃ読めん」のと両方ある。だからアンソロジーはありがたい。長編を買ってどうにも読めなかったときのダメージは大きいもの。

    今回は、新井素子さんの作品が印象に残った。あの文体は決して好きな方ではないけれど、この「絵里」という作品ではとても効果的だ。切ない余韻があった。円城塔さんはいつものように、よくわからないところがいい。(←あ、私にとっては、です)

    しかししかし。なんといってもダントツで、これはすごい!と思ったのは、とり・みきさんの「Mighty TOPIO」というマンガであった。東日本大震災チャリティー漫画アンソロジー「僕らの漫画」が初出

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    2013年08月17日
  • 〈すべての夢|果てる地で〉 第3回創元SF短編賞受賞作

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     シリーズの中で三本の指に入る傑作集かもしれない。気に入った。

     まずは最近こっている作家さんから。「宇宙でいちばん丈夫な糸(小川一水)」がそうなんだが、実はイマイチだった。気持ちはわかるのだが、このストーリーは好きではない。軌道エレベーターもので期待したのだが、どうもドラマっぽい仕立て。

     気を取り直して「5400万キロメートル彼方のツグミ(庄司卓)」を読む。ハヤブサ景気便乗型なんだが、それはそれでさらりと楽しく読めた。

     次の「交信(恩田陸)」は、狙いも気持ちもわかるけれど佳作というか実験作の域を出ないな。

     そして大いに期待の「巨星(堀晃)」。バクスター流の大風呂敷なんだが、小松

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    2012年09月09日