東根ユミのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
すべてメールでやり取りされるインタビュー集。
相手は現役バリバリの作家、性格は偏屈な気性。
表情が読み取れないから、
聞き手は正しく理解される以前に
誤解を生まない文章に仕立てなければならない。
そう、普通はそう考える。
一巻目に登場する聞き手の伊藤ことこ嬢は、豈図らんや、
大胆というか、分をわきまえないというか、
無知の知を逆手に取ったかのように
のっけからトンチンカンな質問を繰り出し
早々にして作家を激怒させてしまう。
佐藤正午は3回目の返信にあたり、
「件名:喧嘩うってるのか」と回答。
激怒を通り越し呆れたのか、
「ここからは編集部にむけて書きます」
「……こんなことをへいきでやる人間を、
インタビューの質問者として起用した編集部
に強い不信感を持ちます。
(……)こんなひとといっしょに仕事はできません。
はやいうちにどうにかしてください」と書く。
で、途中退場。
妙ちきりんな聞き手1号退場後も
終始小さな軋轢が生じるも急遽登板した、
聞き手2号の東根ユミ嬢は、
時に不遜な言動、時に小いじわるな舌鋒ならぬ筆誅が
加えられるも、彼女のことをお気に召した様子で
本来のインタビューの趣旨である、
「小説のつくり方」に即した内容が仔細に語られる。
気難しい佐藤正午を饒舌に語らせたのは
何よりも彼女の著作の深い読み込み、
提示された事に対する執拗なまで即確認する姿勢、
それは時にストーカー並みであるが、
聞き手に徹するプロ根性がすばらしい。
本書の白眉は『鳩の撃退法』に取り掛かる直前から
上梓に至る話まで、ドキュメントタッチで書かれてあり、
佐藤正午ファンには堪らない内容となっている。
追記
ふと頭をよぎり、聞き手であった
ふたりのライター名を検索してみた。
存在していない…。
まじかー。
だとしたら、
本作は自作自演のインタビュー集?
怖い作家である、佐藤正午。
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Posted by ブクログ
佐藤正午に二人のライターがメールによるインタビューを試みるという企画。
数年にもわたるこの企画が書籍化されたのがこの本。
ものすごく面白かった。なんど顔がにやけてしまったか。
でも基本的には人にはお勧めしない。
正直、佐藤正午ファンではないければ全く面白くない。
彼の本を読んだことがなければちんぷんかんぷんだろうし。
逆を返せば、佐藤正午ファンは間違いなく楽しめる。
「ほえ」って使うんだ、リアルで。
津田伸一ってやはりまんま佐藤正午!?
もうこの「ほえ」だけでツボ。
でもね、多分みんな疑ってると思うんだけど、この二人のライターは本当に存在しているのか?
佐藤正午がでっちあげたライターに、まんまと読者は翻弄されているんじゃなかろうか。
だってねぇ、途中でインタビュアーが交代ってあるかな(笑)
それとも担当編集がライターになり済ましているのか。
どちらにしても怪しい・・・。
それはぶっちゃけどっちでもいいんですけどね、面白いから。
屁理屈満載、そう鬱で気分屋の佐藤正午の人となりが垣間見れただけで大満足。
もちろん大先生の手のひらの上で転がされているのは百も承知で。
このインタビュー続きも出てるみたい。絶対読もう! -
Posted by ブクログ
ネタバレ佐藤正午氏は、なかなか手強い人だなと思いました。
最初の聞き手の伊藤ことこ氏が早々に根を上げたのも納得です。
2番手の聞き手、東根ユミ氏もだいぶん苦労された様子でしたが、終盤にいくにしたがって、言葉のキャッチボールが少しはスムーズにできるようになったのではないかと思いました。
面と向かってするインタビューとメールでのインタビュー、どちらもそれぞれのよいところ、都合の悪いところがあると思いますが、メールは一方的になったり、相手を気遣い切れなかったりで、やはり対面でのインタビューの方が、総合的に考えると有益なのではないかと思うに至りました。