今野浩のレビュー一覧
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同期にも教授になったのがちらほら出てきたこともあり、母校ネタもある本書を読んだ。現役時代、全く看過してきた多くの事実を今頃しり、新鮮な驚き、そして指導者の苦労を思う。
何かにつけアメリカの大学との比較となってしまうのが悲しいが、日本の大学はそれはそれでかなり良い点も多いと本当に思う。しかし、本書で指摘されているように、ほとんど「発信」がないのか気づかれにくいのか、全体像から各研究内容までがなかなか伝わっていない。これについては打開策が出はじめているとのことなので、期待したい。そのようなネタからはじめて、工学部というところを外野から眺めなおすことができた点がよかった。 -
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読書録「工学部ヒラノ教授」3
著者 今野浩
出版 新潮社
p33より引用
“ 陸の孤島には映画館も本屋もない。ま
してや、コンサート・ホールなどあるはず
がない。あるのは、杉林・梨畑・豚小屋・
公園・泥んこ道である。食堂に入れば、顔
見知りの学生がウェイターをやっている。
パチンコ玉をはじけば、そこにも学生の目
が光っている。"
目次より抜粋引用
“シーラカンス
大学スゴロク
論文書きのノウハウ
講義という名の決闘
大学院重点化"
数々の大学で教授を歴任された著者によ
る、大学教育、とりわけ工学部の実態を描
いた一冊。同社刊行作文庫版。
大学に職を得る苦 -
Posted by ブクログ
一般には知られていない工学部の実態を隅から隅まで暴露する。単位略取、違法コピー、大学という超格差社会、研究費の不正使用、論文盗作とデータの捏造、キャンパス殺人事件・・・・・・。タイトルを読んだだけでもそそられる。掉尾を飾るのは「STAP論文事件」。小保方博士がネイチャー誌に投稿した論文は、度重ねて拒絶査定を受けていた。審査をパスするため、竹市センター長の求めにより論文作成に参加させられたのが笹井博士。派手な宣伝活動を行い経験未熟な駆け出し研究者に責任ある地位を与え、論文内容の正しさを確認するプロセスをスキップし、優れた研究者を自殺に追い込んだ理化学研究所は今も健在。研究体制の抜本的改革が求めら
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Posted by ブクログ
導入部が正直、詰らない本、買っちゃったかなと思ったが、読み進めると、これが実に面白い。つまり、導入部の自嘲気味に語る老教授の姿より若い頃のそれなりの波瀾万丈の人生の方が具体的で面白いということ。
民間研究所から出来たばかりの筑波大に戻るが、教育・雑用マシーンと化し、研究から遠ざかる。
東工大から招聘され、しばらくのリハビリ期間を経て、研究の鉱脈を発見し、学究に邁進。本来、優秀な人なのだろうが、研究者ってこんな極端な運不運に付き纏われるんだろうか。
研究には金がかかる。コンピュータを使うのも、論文をまとめるのも、その論文を掲載してもらうのも、学会に出るのも、兎も角先立つものがなければ。研究費獲