酒井田寛太郎のレビュー一覧

  • ジャナ研の憂鬱な事件簿 4

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     4巻故基本構造は割愛。
     シリーズも進み、キャラクター間のドラマも展開され始めると、ライトノベルじゃなくてもミステリ要素が薄まりがちな展開を見せがちではあるが、ガンガン本格な推理を展開し、あちこちにに張られた伏線も気持ちよく回収される。
     しっかりした本格作品なだけに、基本構造が借りものなのが勿体なく思えてしまう。
     学校を舞台のミステリで、破天荒な設定が厳しいとなれば似すぎも似た内か。
     日常の謎寄りの独立した短編3本を軸に、名探偵の陥りがちな悩みな部分だったり、ほんのりと青春譚が見え隠れしたり。

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    2024年02月21日
  • ジャナ研の憂鬱な事件簿 3

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     3巻故基本構造は割愛。
     安定した面白さなので、敢えてわたしが「もやもや」した所の揚げ足取り。
     小田原駅からバスで十分。
     そこから徒歩十分の宿からバスで二十分の所に小田原の二つ手前のバス停ってどんなトコ?
     小田原がよく登場する印象で小田原系の人間としても嬉しい。
     著者が小田原の方なのかなと思ったがウィキペディアには神奈川県となっていた。
     閉鎖空間でのデスゲーム物もぜひ読んでみたいが、ウィキペディア情報ではまだ出版されてはいない模様。
     古典や市民らしさも薄れ、この作品独自の路線で楽しめた印象。

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    2024年01月31日
  • 放課後の嘘つきたち

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    ターミネータとあだ名される、強面のボクサーと、気取り屋で皮肉屋の演劇部長。見た目も性格も正反対だが、重い過去を抱えていることでは共通する二人がいがみ合いながら、バディになっていく過程を描く青春連作ミステリ。
    謎は解けでも、事件そのものは少しも解決していない、重苦しさはミステリと言うより青春ものだなあ。後半の二作に色濃く表れる、今のネット社会の疎ましさも印象的。

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    2021年07月13日
  • 放課後の嘘つきたち

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    さて、高校生のお話である。
    一番の嘘つきはいったい誰か?

    それなりにクセの強い登場人物。
    最後はほろっと。

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    2021年01月27日
  • ジャナ研の憂鬱な事件簿 3

    購入済み

    本領発揮

    舞台設定が終了し、これから本格的に始まる感じて続いてくれるのを望む楽しさです。

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    2018年05月10日
  • ジャナ研の憂鬱な事件簿

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    ネタバレ

    最初に正直なところ。
    古典部シリーズと小市民シリーズを彷彿とさせる登場人物が出て、それからジャーナリズムときたら米澤穂信を連想しないのは無理がある。

    でも一話目を読んだら丁寧な伏線と推理に好感が持てた。
    最初に想定されていた動機が実は……という部分や、真相の推理の前に主人公が犯人に決定的な言葉を突きつける演出など、ミステリとして一番それっぽかったのが一話目。

    好きなのは一話目と、あと個人的には短いけれど三話目が作品全体を通して重視してると思われる心理的洞察(理由、動機)という面で面白かった。

    ラノベミステリとして次作も読んでみたい。

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    2017年06月20日
  • 放課後の嘘つきたち

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    この物語、御堂慎司っていう最高にニヒルでクールでエモーショナルな男が出てくるんですけど、是非彼に注目して欲しいです!私の脳内で御堂は本郷奏多くんで再生されてました。とても実写化向きな作品。
    特にワンラウンドカフェとか…ねえ!どうなるんだろ!見たい!
    一筋縄ではいかない青春模様に緻密な仕掛けが満載で、ライトに読めるのにロジックはきっちり。

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    2025年09月01日
  • 放課後の嘘つきたち

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    僕はミステリ小説読むの結構好きなんですけど、誰かが死んで、犯人を探すというのが定番ですよね。この小説は日常の謎というか、殺人のない謎解きで、こういうミステリ個人的には大好きです。トラウマを抱えた登場人物たちによるストーリーも魅力的です。読み終わったあとにタイトルを見返すと、なるほどまさに!というタイトルだなぁと思うと同時に、なんとなく胸が爽やかな読後感を得られます。

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    2021年12月03日
  • 放課後の嘘つきたち

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    ページ数もライトに読みやすく。
    主要登場人物の性格付けが好ましく、青春高校小説としても。
    初めこう言うキャラなんだなと捉えていた登場人物が次第に別の顔を見せ始め、色合いを変えて行く。
    それは裏切られたと言うよりも、さらに各人を深く印象付けていて好ましく思うかは人によるかもしれないが複雑な学校世代の心理を見せてくれていると思った。
    こう言う所がミステリと上手く絡み合い、青春ミステリの雰囲気を味合わせてくれている。

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    2021年10月28日
  • 放課後の嘘つきたち

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    ネタバレ

    何一つすっきりしない青春ミステリらしきもの。学生探偵に究明はできても解決には至らないという感触は小市民シリーズで味わったことがあるが、あちらのように放り出されるというよりはただ単にカタルシスがない。しかし「ワンラウンド・カフェ」という映像作品の仕掛けなど、面白い発想がいくつか見られたのと、「プロボクサーと演劇人行きつけの地元のスナックのママ」という未来図が容易に思い浮かぶくらいにはキャラが立っていたのは認めたい。

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    2021年04月07日
  • 放課後の嘘つきたち

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    ネタバレ

    ある理由で英印高校に転校した蔵元修は、ボクシング部に所属している。ある時、怪我をしてしまい、その間休むことに。そんな時、幼馴染の麻琴から、部活同士のトラブル解決などを担う部活連絡会の手伝いをしてくれないかと誘われる。
    相談してくる様々な不可解な出来事。高校生たちの隠された真実。暗い過去を背負いながらも、前へ進もうとする高校生たちがビターでミステリーな青春を送っていきます。

    全4編+αの青春ミステリーで、各編ごとにある相談事が舞い込んできます。カンニング疑惑や幽霊騒動、映画の不可解な編集など興味をそそるミステリーな内容が面白かったです。犯人を当てるというよりは、それに至るまでのロジックを楽しむ

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    2020年12月31日
  • 放課後の嘘つきたち

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     生徒が五千人もいる寂れた地方都市の私立高校が舞台となる。部活連絡会に所属するボクシングと演劇の特待生、そして良い人キャラの優等生の三人が主人公の青春ミステリー。突っ込みどころが満載だが、「青春」の部分を見るとなかなか面白い。
     
     題名にある「嘘つき」とは、もちろん作中の「犯人」たちのことを指している。それと同時に、主人公たちのことも指している。三人それぞれに、人には絶対に明かしたくない過去がある。大人ならきっと苦笑いして、なんとか誤魔化すことが出来るかもしれない。それが出来ないから「青春」なんだろう。

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    2020年12月05日
  • ジャナ研の憂鬱な事件簿 5

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    ネタバレ

    最終巻。「ロシアン・ウイスキー・ホーリーナイト」「消えた恋人」「ジャナ研の憂鬱な事件簿」の3作。前作での真冬とのすれ違いは割とあっさり解消。トリック自体は割合単純。むしろ主人公の内面の成長が主眼。「消えた恋人」の良太郎は痛々しかった。あと、件の先輩は結局フェードアウトかしら?きれいに終わって何より。ただ、もう少し続いても良かったかなとも思う。作者の次作ないしスピンオフ?が楽しみです。

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    2019年03月02日
  • ジャナ研の憂鬱な事件簿 4

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    季節は秋。とある事件の真相をめぐって工藤啓介と白鳥真冬が対立する。また芸能人を目指している宮内ユリも大きな岐路に差し掛かって。。。そろそろ件の先輩が出てくるかと思いましたが、ここへ来てまさかの三角関係に!?いずれにしても次巻が待ち遠しいです。

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    2018年09月09日
  • ジャナ研の憂鬱な事件簿 3

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    3巻目。中編が3つ。件の前編集長は依然登場せず。代わりに主人公の姉が活躍。謎自体はシンプル。前2作に比べ、主人公が徐々に過去と決別し、前へ進み始める感じ。次巻が楽しみ。

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    2018年04月07日
  • ジャナ研の憂鬱な事件簿 2

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    ネタバレ

    二話目と三話目の真相が、誇張でも何でもなく真っ先に思いつきやすい答えなのに登場人物たちによる様々な可能性の検討で上がってこず、わざわざ少し捻った推理をして遠回りしているようにすら思えた(特に二話目)。
    意外性が全てではないとは言え、物語を転がす中心となる謎の答えである以上、さすがにもうちょい意外性が欲しくなる。
    文章自体は好きな感じなのでもったいなく感じる。

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    2017年11月16日
  • ジャナ研の憂鬱な事件簿 2

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    前巻が好評だったのか続巻が無事に刊行。第1巻で指し示されていた主人公のトラウマとなった謎が明かされる。トリック自体は割りと簡単。犯人の動機や解決の仕方のやるせなさといった作品構造的には古典部ですが、主人公の行動原理、周囲の登場人物らが異なっていて、そこがオリジナリティになっている感じかな。ただ各話に出てくる登場人物の関係が、とくに主人公友人周りの友人が少々多いか、やや混乱しました(単にこれ誰だっけ、いつ出てたっけという感じ)。第3巻があればいよいよ水村前編集長が出て来るのかな。楽しみです!

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    2017年11月03日