黒沢永紀のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
"九州長崎県にある半島から約4キロ沖にある端島。この島を多くの人が軍艦島とよぶ。島の周囲は約1.2キロほどの小さな島に集合住宅のような建物が所狭しと隣接していて沖から眺めると確かに軍艦のように見える。
この島では黒いダイヤとよばれる良質な石炭があり、三菱が炭鉱採掘するために作り上げた島だ。最盛期には世界最大の人口密度となるほどの人員が住み、生活を営んでいた。1959年には5259人がこの島に暮らしていて、その人口密度は8万3600人/キロ平方メートルになる。これでも控え目な計算で、島全体の面積に占める人口密度を計算したもので、島の中で居住できた面積はもっと狭い。
この島に興味を持ったのは、映画007スカイフォールで悪の組織が根城にしているという想定で描かれていたシーンを見たため。ただの廃墟なのだが、不思議な目を引く魅力がある。
今では観光もできるらしい。一度行ってみたいものだ。" -
Posted by ブクログ
本屋で平積みになっていたのでつい買ってしまった,軍艦島の写真集です。
私はちょっとだけ廃墟ファンで,そのきっかけとなったのが軍艦島の写真集でした。今回買った本は私が廃墟ファンになるきっかけとなった写真集ではありませんが,写真が軍艦島全体を網羅しているのと,写真だけでなく解説が充実しているのとでなかなか良かったので買いました。
それにしても,見れば見るほどすごい廃墟です。狭い島の中に建設された炭鉱施設と,それを守る壁のようにびっしりと建てられたコンクリート造の高層住宅群がなんともシュールです。もともと狭い島に,最盛期で5,000人以上の人が住んでいたそうで,とにかく詰め込んだような印象の街並みが非常に魅力的です。高層建築同士をブリッジで連結し,さながらコンクリートの巨大迷宮と化したところや,ボタを海に捨てるためのベルトコンベアが住宅棟を貫通しているところなど,普通に考えたら絶対あり得ないような構造がまかり通っているところが面白いです。「人間の巣」といった趣ですね。
いずれ行ってみたい場所ですが,長崎はちと遠い… -
Posted by ブクログ
8月の初めに長崎を旅行した。私には珍しく2か月以上前から計画を立て、航空券や宿を手配した。軍艦島クルーズのツアーも申し込んだ。そしてこの本を読んで予習した。
長崎半島の西4㎞の海上に浮かぶ端島は、明治時代に三菱が経営母体となって本格的に採掘が開始された炭鉱の島である。最盛期の昭和30年代には周囲約1.2㎞、面積0.063㎢の小さな島に5千人以上の人が住んだ。学校から病院などの公共施設をはじめ、映画館、各種商店、旅館、寺社などを備え、狭い土地を有効活用するために、大正時代から鉄筋コンクリート造りの高層アパートが密集して何棟も建てられた。文字通りその外観が酷似していることから「軍艦島」と呼ばれるようになった。エネルギー政策の転換により、1974(昭和49)年に閉山。住民は一斉に退去する。無人島になった後は、日本で最も有名な廃墟の街となった。2015年、「明治日本の産業革命遺産」の一つとして世界遺産に登録された。
これだけの狭小な土地に何千人もの人が住んでいたというのがそもそも脅威だが、三菱という財閥のバックグラウンドを持つ炭鉱労働者たちは意外にも高給取り(家賃と光熱費のほとんどは会社負担)であり、昭和33年には全国で最も早く電化率100%を達成したという。ただし、戦争以前にはここで強制労働に駆り出された人々がいたという負の歴史も忘れてはならないだろう。
さて、旅行の話に戻るのだが、これだけ準備万端整えて楽しみにしていた軍艦島クルーズ船ツアーが、当日悪天候のため中止となってしまった。少しでも波が高いと、桟橋に船をつけられないのだという…。残念!
しかし転んでもタダでは起きぬ。代わりに「軍艦島デジタル・ミュージアム」なるAI技術を駆使した資料館にて、あたかも軍艦島に上陸したかのような擬似体験をしてきた。上陸できた人もできなかった人も、ここは必見。
軍艦のような外観を持つこの小さな島が、かつての近代日本の姿とダブって見えてくる。端島について知ると、そんな気がしてならない。
30年くらい前、TVのCMで軍艦島の映像が使われていた。あれが自分の軍艦島初体験だったと思う。何のCMだったのだろう?
YouTubeで調べたら、CMは公共広告機構1981年制作のものだった。「今、私たちは資源のない島、日本に住んでいる」という言葉で締めくくられるこのPR広告は、ひどく暗いイメージをもっている。 -
Posted by ブクログ
『博士ちゃん』という番組で取り上げられた軍艦島の特集を偶然視聴し、圧巻のあまり終始口を開けて見入ってしまい、さらに芦田愛菜ちゃんの秀逸すぎるコメント力にも圧倒され、気づいたらこの本に辿り着いていた。
ここまで深く、貴重な画や情報を見聞きしたことが無く、圧倒されると同時に、
いまもなお崩れ続ける世界遺産をこれまでにないほど近くに感じ、見られなくなる前に、とにかく自分の目で観に行かなくては、という気持ちに。
ここに映し出されたビジュアルは、全く同じものはもう見られない。
(現在老朽化により、入島できるエリアはわずか2%らしい)
そこに生活し命を燃やした人たちの息づかいが今も残っていて、それもまた虚無感やら少し恐ろしさも感じる。
人の手を使って維持をし続けるのもロマンだし、
このまま朽ち果てていく様子を見守るというのもロマンだと思う。