本間希樹のレビュー一覧
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ブラックホールの撮影に成功した国立天文台所長・本間希樹氏が小学高学年から中学生向けに書いたもの。
どんな『スゴい!』発見をしたか、2ページにさらっと書かれていて(細かすぎないので読みやすい)、ページをめくると『ヤバい!』ことが2ページ書かれています。『ヤバい!』といっても、変な人列伝ではなくて、さらにスゴい史実が書かれていています。すべての人物が宇宙に関係する発見をした科学者で、コペルニクス、アインシュタインなど誰もが知る科学者から、あまり一般的には知られていない科学者まで網羅されています。トリビアも沢山書かれていて、隅々まで楽しめる本となっています。
特にケプラー。ケプラーが、地球の少年が精 -
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ブラックホールの撮影成功の記者会見で発表されていた本間先生の本です。本が書かれたのは、ALMAでVLBI観測が採択された2017年。これから観測が行われ、データが解析され、ブラックホールシャドウが初めて捉えられるだろう、という時期です。
『どのような結果が出るにせよ、これからの数年〜10年間は、巨大ブラックホール研究にとって、とても楽しみかつエキサイティングな時代になります。このような時期に研究者として活動でき、しかもEHTのようなプロジェクトに直接的に関わることができる私たちは、科学者として、たいへん恵まれていると思います。この機会を生かして、素晴らしい成果を挙げたいと思っています。読者の皆 -
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巨大ブラックホールについて知りたくて読書。
物理に縁がない私には難しいと感じる箇所も多いが、最新の天文物理学について学ぶことができる。
ブラックホールの存在は200年前から研究されているそうで、紹介されている宇宙研究の歴史についてが興味深い。
「スターウォーズ」や「ガンダム」など宇宙を題材した映画や漫画、アニメは多いにもかかわらず実は、人類は宇宙について知っていることがほとんどなく、その多くが謎のままなんだと改めて知る。
電波干渉計という最新の超望遠鏡を使ってブラックホールの姿を見る日も近いのかと思うとワクワクする。
個人的には、ブラックホールが発見、確認できたら、どんなことが解明で -
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X線とかガンマ線で宇宙を見るっていうのが、いまいちピン!と来ないけど(あと電波とかも)、テクノロジーの進歩・進化が宇宙の観測の進歩・進化につながっているんだなぁ、と思いました。
幼少期から宇宙の事に興味があるのですが、専門に勉強をしているわけではほぼないので、読み進めれば進めるほど難しくなっていたという(笑)。終わりの方はほとんど理解不能でした。
この本はブラックホールが「見えた」時よりも前に刊行された本なので、ある意味「予言の書」ですね。
ただ、ブラックホールは見えたことは見えたのですが、まだまだ謎がいっぱいの天体であることには変わりはない。これからの謎の解明にも期待したいですね。その -
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この本には多方面からの「ヤバい」が書かれており、天才的ですごい!という意味でも、変人という意味でも使われている。その中でも目につけたのは大抵科学者は誰かとの対立がよく起きているということだ。しかも、その度合いが時代が進むことによってどんどんエスカレートしていく感じがした。
古代〜近代は近所の人と〜〜のことで喧嘩したとか、戦争に巻き込まれて研究ができなかった〜とか、科学者自身を陥れる逆境みたいなものはこういうのが主流だった。
でも現代になると、例えばオッペンハイマーの発見が原爆の技術に利用されて最終的に彼自身も咎められるとか、人間関係にまで発展していくというか。最終的に誰かに利用されてしまうのが -
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恒星の終焉としてのブラックホールとは別に、銀河の中心に巨大なブラックホールがあるらしい。実際、本書の刊行2年後の2019年4月に、本書でも記載されていたとおり、M87銀河の中心部分の電波観測画像でブラックホール(正確にはブラックホールシャドウか)が史上初めて撮影され話題になった。そのような巨大ブラックホールについての解説や観測の歴史などについて、比較的わかりやすく書かれている。
「宇宙はなぜブラックホールを造ったのか」も面白かったが、本書の方がより分かりやすい。
宇宙についても、ブラックホールについても、まだまだ人類にとって分からないことはいっぱいあるが、観測技術の進歩により新しく分かったこと -
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ブラックホールに関する本は本当にたくさん出版されていて、今更どの本を手に取るかと言われると、なかなか決定的なポイントがない本も多いです。そんな中、この本の最大のアピールポイントは著者の本間先生です。今年(2019年)四月、ブラックホールの撮影に成功したというニュースが駆け巡ったのは記憶に新しいところ。その観測プロジェクトのキーマンであり、日本での発表記者会見を行ったのが本書の著者の本間先生です。
ブラックホールの観測の何が困難なのか、なぜ撮影に成功すればノーベル賞級の成果と言われるのかという点はニュースを見ただけではいまいちピンとこない部分も多かったはず。本書はあの観測プロジェクトが動き出す直 -
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「明るさが小さいブラックホール」という字面に「!?」と二度見してしまう人ならきっと楽しい本書。
そもそもブラックホール自体が(その名前の知名度とは裏腹に)多くの謎に包まれているわけだが、本書はさらに「巨大」とつくのである。いつできたのか、どうやってできたのか、最初から巨大だったのか、だんだん大きくなっていったのか、いままさに研究者達が血眼になって望遠鏡を覗き込んでいるとのこと。
本書でいう「巨大ブラックホール」があるのは銀河の中心。我々の住む天の川銀河に限らず、銀河の中心には巨大ブラックホールがあると見られている。となれば「銀河を銀河たらしめるもの」が巨大ブラックホールなのだろうか、と早